ジャズ記念日: 7月31日、1957年@ハリウッド&ニューオリンズ
July 31, 1957 “I Get a Kick out of You”
by Louis Armstrong, Oscar Peterson, Herb Ellis, Ray Brown & Louie Bellson at Capitol Studios, Hollywood, Los Angeles for Verve (Louis Armstrong meets Oscar Peterson)
最高のメンバーで最高の演奏にして録音も良い、7月10日紹介曲から三週間後、同じキャピトルスタジオでの、これまた古き良きアメリカを彷彿させる演奏です。1957年の西海岸録音には名作が多く、これまでに紹介した作品は収録日付順に並べると以下の通りで、この頃のアメリカの様子が演奏から伺え知れそうです。古き良きアメリカにタイムスリップしたくなりますよね。
ルイは優等生のナットキングコールと同じ黒人ながら元不良でダミ声と対照的で、随所に掛け声を挟みつつ、2:17からは原曲メロディーから旋律を外したユニークな唄を披露します。肩肘を張らないオリジナリティ溢れる心地良い歌声が魅力的で、耳のみならず心も癒されます。
ピアノで伴奏しているオスカーピーターソンもルイに敬意を表してか音数を控え目にさりげない演奏が心憎いし、終始軽快なリズムを送り出すドラムの名手ルイベルソンとの相性の良さがあります。その二人が登場して高速且つ高度な掛け合いを見せる演奏の映像がありますので興味のある方はご覧ください(1:34過ぎから演奏開始)。二人とも恐ろしく手数が多くてスイングを超越したノリを平然と演奏する姿に唖然とします。
本曲に戻って、盛り上がりの部分で普段は脇役に徹するギターのハーブエリスが、3:00にしゃしゃり出て良いアクセントを付けてから抑制を解放して盛り上げる演出が心地良く感じます。西海岸の温暖な恵まれた環境が、リラックスした雰囲気を生み出して功を奏した印象です。
ルイはジャズ発祥の地、ニューオリンズの出身です。聖地だけあって、ジャズミュージシャンを多数輩出していますが、特に優秀なトランペッターが多い傾向がありそうです。
先ずは、7月29日の記事で紹介した現代最高峰のウィントンマルサリス。ルイ生誕から六十年後、1961年生まれです。
そのウイントンと幼なじみ、1962年生まれのテレンスブランチャード。

映画音楽にも関わっているグラミーウィナー
1973年生まれで、現在のジャズトランペッター界の牽引者の一人ニコラスペイトン。

映画、”Kansas City”にも出演している
1983年生まれのクリスチャンスコット。

十年おきに逸材が現れているペースですね。
楽曲は、スタンダードの多作家コールポーターによるミュージカル”Anything Goes”からの一曲で、邦題は「君にこそ心ときめく」。「ときめき”Kick”を色々なものから受ける人が居るけれど、私はあなたから」という歌詞の流れの中で、”Some get a kick from cocaine”と、「コカインでときめく人もいる」というドラッグの表現が、規制を受けて”Some like the perfume in Spain”と書き換えられたエピソードもありますが、この歌はオリジナルの前者の歌詞で、1:37秒で聴くことができます。
同ミュージカルからの別のスタンダード曲に興味がある方は、こちらの記事もどうぞ。
最後に、オスカーピーターソンによる歌伴奏の演奏をもう少し堪能したい方は、こちらもどうぞ。
