【映画日記】「めがね」手放すことで、本当に大切なものと出会い直せる

梅干しの話をnoteに書いたら
頭に浮かんできたのが、この映画
「めがね」
「梅はその日の難逃れ」
と言いながら、朝ご飯に梅干を丸ごと食べるシーンが
何回も出てきて
この映画を見ると、梅干しが食べたくなるんです。
そんなことを急に思い出し
見直してみました(もう、何回目か分からない‥)
見るたびに、新たな発見があり
見るたびに、心に響くところが違う映画です。
ざっくりとしたストーリはこう
何にもない海辺の宿に
携帯電話が届かないところに行きたくて
都会からやってきたタエコさん
予約していた宿・ハマダにたどり着くのだけれど
何かどうも、なじめません。
観光しようにも、観光するような場所はなく
逆に、ここはたそがれる場所だというのです
たそがれる?
たそがれるという事が
どういうことか分かりません。
宿のご主人のユージさんとか
謎の女性サクラさんとか
サクラさんがやっている海辺のかき氷屋さんとか
登場人物も何か不思議な雰囲気。
ここの宿では
とにかく、時間がのんびりゆっくりと進みます
何にもせずに、のんびりすることができないタエコさんは
その空気に耐えられなくて
そこを出て別の宿に移るんだけれど
そこもやっぱり合わなくて、
大きな荷物をガラガラと引きづりながら
途方に暮れるのです。
荷物が重たくて、よたよたして
でも、それを必死で運んでいるタエコさん
その時、
サクラさんが自転車に乗って現れ
タエコさんの横を通り過ぎて止まり
振り返って黙って見つめるんです。
荷台に乗ってもいいよ
でも、その荷物はのせられない。
その荷物、本当に大事?
ハル子さんは何も言わないんだけれど
じっと見つめる目の中に
そんな言葉がある。
自分が大事だと思って
必死になってよろよろして運んできたもの
本当はいらないのかも・・。
タエコさんはそこに荷物をおき、
ハル子さんの自転車に乗って宿まで帰るのでした。
ここのシーンがすごく象徴的なんですよね
携帯がつながらないところに行きたいと思って
タエコさんはこの島にやってきたのでした。
携帯電話=インターネット=情報
そういうものにふりまわされて
そういうものが心をどんどん重くしていて
それを断ち切れば、もっと身軽になれると、どこかで思っていたのだけれど
自分を不自由にしていたものは
大事に持っていたこの大きな荷物だったのです。
お金、名声、評判、地位、学歴、プライドなどなど‥。
後生大事にしているカバンの中は
そんなものがいっぱい詰まっているんじゃないかな・・。
そのかばんを捨てて
ハル子さんの自転車の後ろに乗って、宿まで帰ってきたタエコさんは
真の意味で身軽になって行くのです。
ハル子さんって、春になったらこの島にやってくる謎の女性なんだけれど
何か、人じゃなくて、もっと大いなる存在に思えました
本当に大事なものと、そうでないもの
いらないものを捨てて、身軽になっていく事
そんなことを
言葉じゃないコトバで教えてくれる神様みたいな存在
そんな風にも思えました。
実は最後の最後に
タエコさんはめがねを捨てるんです。
よく見るためにメガネをかけていたはずなのに
メガネがないと見えないはずなのに
それを捨てる
たぶん
メガネをかけないと見えないものなんて
本当は見えなくてもいいもので
メガネをかけなくても見えるものが
本当に大事なものなんじゃないかな。
何ものにもとらわれず、自分の眼で、ありのままの世界を見ることで
何ものにもとらわれずに生きていけるのだと思う。
捨てるものは
携帯電話やカバンではなく
メガネだった‥。
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コウジは大切なものをなんでもしまっておくクセがあるんです
でも、何をしまったのか忘れてしまうみたいで・・・
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これは、宿の主人のユウジさんの言葉です
コウジというのは宿で飼われている犬
犬の話なんだけれど、人間も同じだな。
本当に大事なものって
きちんと大切にしまってあるものじゃなくて
忘れてしまっているようなものの中にこそ
本当に大切なものがある
本当にそう。
これが大事って、カバンに詰めたり、ぎゅっと握りしめている間は
大事なものが自分を不自由にする。
手を放して、忘れてしまった時
本当に、自分の中で大事なものに変わる
そんな気がします。
そして、それを時々ふっと思い出したりする
それもまた、なんて豊かな事。
最後になりましたが
この映画には、美味しそうなものがたくさん出てきます。
それもまた、この映画の見どころ。
印象に残った食べ物は
「梅干し」と「あんこ」
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梅はその日の難のがれ
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そういって、朝ご飯に梅干を1個口に頬り込む
たしかに、梅って、一年かけてじっくり出来上がっていく
時の結晶みたいなもの
食べれば、いろんな邪念を吹き飛ばしてくれそう‥。
この映画を見ると
朝ごはんに梅干、食べたくなります
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大切なのは焦らない事
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ハル子さんの作るかき氷は
下に小豆を甘く煮たものを入れ、その上に氷をのせてシロップをかけた
いわゆる沖縄ぜんざいみたいなかき氷
(沖縄ぜんざいって、甘く煮た豆の上に削った氷をかけるんです)
そのあんこを煮るシーンがあって
小豆が煮えるのを、じーっと待っているハル子さん
じっと小豆を見ながら、静かに小豆を見ていて
そして、今!!って思った時
静かに火を消す。
“大切なのは焦らない事”
そうそう、
早く知りたい、早くわかりたい、早く身軽になりたい、早く楽になりたい
そんな思いも、知らず知らずに体と心を重くしているな。
早く楽になりたいと思えば思うほど
心は重くなっていく。
そうだね、静かに待つこと
待つことって、なんて豊かな時間なんだろう
そんな豊かさを、簡単に手放して
効率よく生きるのは
身軽に思えるけれど
実はどんどん重たくなっているのかも‥
・・・・。
本当は、もっといろいろ思ったことがあるのだけれど
長くなりすぎるので、この辺にしておきます。
でもね、見ればいろんなことを感じ
いろんなことを思い出し
いろんな人を思い出し
自分自身を見つめ直すきっかけになること間違いなしの映画です。
これ、本当におすすめです。
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<こちらの映画も!>
■ 「あん」

