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「投げられて、捕れる子」に頼れない来季を、一枚の表から考える

2027年から、全日本軟式野球連盟の学童部では、同じ試合で同じ選手が投手と捕手を兼任することが禁止されます。

この知らせを見たとき、最初に考えたくなるのは「投手をもう一人」「捕手をもう一人」という人数の話かもしれません。

でも、自分が先に確認したいのは、名前の数ではありません。

今のチーム編成が、どんな前提で成り立っているかです。

「できる子がやる」で隠れていたもの

投げられる。捕れる。ほかの守備にも入れる。

複数の役割を担える選手は、チームにとって心強い存在です。ただ、その一人へ投手と捕手の両方を集める編成は、2027年の学童部では同じ試合に持ち込めません。

ここで「万能な選手を評価してはいけない」という話に変える必要はありません。見直すのは選手の価値ではなく、チームが置いている前提です。

  • この選手が投げた後に捕ればよい

  • 捕手が苦しくなったら、この投手へマスクを渡せばよい

  • 一度内野を挟めば、投手から捕手へ移れるだろう

最後の考え方も認められません。他守備を挟んでも、同じ試合で同じ選手が投手と捕手の両方を担うことになるからです。

一方、投手から他守備へ移り、再び投手へ戻ること、捕手から他守備へ移り、再び捕手へ戻ることは、今回の兼任禁止の説明上は認められています。元の役割へ戻ることと、二つの役割を兼ねることを分けて考える必要があります。

最初に作るのは「候補者名簿」ではなく「前提の表」

白い紙を四つに区切ります。

| 投手候補 | 捕手候補 | その選手が離れる守備 | まだ決まっていないこと |
|---|---|---|---|
| A、C | B、D | Aが投手なら一塁手が空く | AとCが同時に出られない日の投手 |
| | | Bが捕手なら三塁手が空く | Bが欠場した日の捕手と三塁手 |

これは全軟連の公式様式ではありません。来季の起用を決める前に、今ある前提を見つけるための表です。

投手候補と捕手候補の両方へ同じ名前しか書けないなら、兼任を前提にしていたことが見えます。

別の名前を書けても、「その選手が離れる守備」が空欄なら、守備全体の組み替えはまだ完成していません。

「まだ決まっていないこと」が残ったら、想像で埋めません。自分たちが出る大会の要項、加盟団体の案内、監督会議資料へ戻ります。

表の価値は、全部の欄をきれいに埋めることではありません。分からない箇所を、分からないまま見えるようにすることです。

試合当日は「今どこを守っているか」だけでは足りない

交代が重なると、「今は一塁手だから、次は捕手にできる」と考えそうになります。

しかし、その選手がこの試合の序盤に投手を務めていたなら、現在の守備だけ見ても判断できません。

そこで当日は、選手別に二つの欄を持ちます。

  • 投手済み

  • 捕手済み

投手済みの選手は、その試合で捕手には入れない。捕手済みの選手は、投手には入れない。

この履歴は、公式メンバー表やスコアブックの代わりではありません。監督、スコアラー、ベンチ担当が、交代申告前に公式記録と照合するための補助線です。

人数が少ないほど、空欄をごまかさない

選手数が少ないチームでは、「表を作っても人が増えるわけではない」という反論が出ます。その通りです。

表は人員不足を解決しません。

ただし、何が足りないかは分けられます。

  • 投手候補そのものが少ない

  • 捕手候補そのものが少ない

  • 候補はいるが、元の守備が空く

  • 急な欠場時の代替が決まっていない

  • 大会の登録条件や合同チーム等の扱いを確認できていない

これらを一つの「人数不足」にまとめると、次に聞くべき相手も、準備する内容も分からなくなります。

大会独自の登録、交代、再出場などは、この記事だけでは確定できません。全軟連の通知だけでなく、実際に出場する大会の最新要項と加盟団体の案内を確認します。

ルールの目的と、選手個人の判断は分ける

全軟連の変更点一覧は、今回の変更を選手の障がい予防や健康維持等を考慮したものとして示しています。

ただし、ルールへ従えば個別選手の障害を必ず防げる、投手と捕手を分ければ安全だ、とは言えません。痛み、違和感、疲労、投球の可否、復帰時期、フォームの良否を、役割分担表で判断することもできません。

ルールを守ること。チームの役割を組み替えること。選手の身体を個別に見ること。

この三つは、同じ会議で話しても、同じ判断にはしないほうがよいと思います。

今週の30分でやること

  1. 投手候補と捕手候補を別々に書く

  2. 両方に同じ選手が入っていないか見る

  3. 候補者が移動した後に空く守備を書く

  4. 急な欠場時の空欄を残す

  5. 大会要項で確認する質問へ変える

来季を考える最初の一歩は、「誰を新しいエースにするか」でも「誰に捕手を覚えてもらうか」でもありません。

今の編成が、一人の兼任へどこまで頼っているかを見えるようにすることです。

対象、開始時点、できる交代とできない交代、試合当日の履歴表まで確認したい方は、ブログの完全版にまとめています。

2027年から学童野球で同一試合の投手・捕手兼任禁止。できる交代と来季の役割分担表
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出典

  • 全日本軟式野球連盟「2026年以降の学童部・少年部の大会運営に係る変更について」

  • 全日本軟式野球連盟「2026年以降の大会運営に係る変更点について(一覧)」

#学童野球 #野球指導 #チーム運営 #役割分担

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