307:イデオロギーってなに?←まとめてみました!|#01_近代〜の思想史
・○○主義だとか、○○イズムだとか、そういった言葉はよく目にするものの、実際説明してみろと言われると少し言葉が詰まってしまうものも多い。
・政治ニュースや、思想に関する少し難しめの本など読む時にはそういった単語が出てくることも多く、知識として持っておかないと理解できない時もある。
・知的好奇心を満たす機会の損失に繋がっている。これはよくない。
・ということでそういった部分を体系的に理解すべく、まずは簡単なところからまとめてみようと思う。
・世にある「考え方」を知るのは純粋に楽しいし、物事をよく理解するためのレンズの一つとなる。そういった学びのハードルを少しでも下げれるものになれば良いなと思う。
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01.そもそも“イデオロギー”とは
・Wikipedia先生によると「イデオロギー」とは、観念(idea)と思想(logos)を組み合わせた言葉で、観念形態・思想形態と呼ばれるものとのこと。
・イデアとロゴス。そういえば高校生の時倫理で習ったな、そんな言葉。
・「世界観のような物事に対する包括的な観念」だとか、「日常生活における哲学的根拠」「社会に支配的な集団によって提示される観念」を指すらしい。
・イデオロギーの面白いところは、「『何が正しいか』を無意識的に決める考え方の枠組みである」ということ。
・要するに、あたかも自分の意見のように思っている価値観・主義・信条なども、実はそのほぼ全てが社会や時代から受け取ったものなのだ。
・例えば「努力をすれば報われる」→「能力主義(メリトクラシー)」
・例えば「恋愛して結婚するのが当たり前」→「家族主義」
・例えば「働かないのは悪」→「資本主義」+「労働倫理」
・このように、ふと思っていることも何かしらの考え方の型があり、このことをイデオロギーと呼ぶ。
・そしてそれらはいろいろなところから自分たちに流入していく。学校、家族、会社、SNS、メディアなど。
・あらゆる日常生活の中から、自分たちの中に溶け込んできているのだ。
02.思想史の大きな流れと代表的なイデオロギー(近代〜)
・では、今の自分たちを取り巻くイデオロギーはどのような変遷を経て今に至っているのだろうか。
・今回はその大きな枠組みを見ていく。
・目次というか、早見表というか。まずはまとめ。

自由主義(リベラリズム)
・1600年〜1800年頃。ロック、ルソーらなどによる。
・「人は生まれながらにして自由である」と唱えられ、それまで当たり前であった封建社会(『領主』と『農奴』のように、身分や伝統によって階級が決められていた社会)から、『個人が自分で生き方を選べる世界』へと価値観が転換していく。
・言論の自由、信教の自由、身体の自由といったように、『個人』の権利や自由の尊重が叫ばれ、政治の基礎となる価値観が確立した。
資本主義
・1700年〜1800年頃。アダム・スミスなどによる。産業革命などの時代。自由主義とほぼ同時に生まれた。
・「みんなが自分の利益を追求すると、社会全体もうまくいく」という考え方。
・経済の原理として『自由』が拡張され、競争は社会を発展させるとされた。
・自由に売り買いし、競争することが合理的で良いとされる価値観である。
・ここで自由主義(政治)と資本主義(経済)はセットで拡大していく。
社会主義 / 共産主義
・1800年頃〜1900年頃。マルクス、エンゲルスらなどによる。
・「生産はみんなで管理し、富は平等に分配されるべき」という考え方。
・これは行き過ぎた資本主義に対する対抗イデオロギー。
・資本主義のもとでは『資本家(所有する側)』と『労働者(働く側)』で階級差が固定されると批判され、生まれた。
・『搾取』『階級』『平等』だとかの言葉が謳われるようになった時代である。
・ちなみに社会主義と共産主義の違いだが、共産主義が上述の考え方の理想で、社会主義はその途中段階といったもの。
・社会主義では「みんなで働いて、みんなで分けよう。ただし国家がまだ管理する」、共産主義では「みんなが自発的に働き、必要な分だけ受け取る。ルールがなくても秩序が存在する世界」といったイメージ。
・社会主義→国家がみんなのために管理する社会。
・共産主義→国家が管理しなくても平等な社会。
・とすればわかりやすいだろうか。しかし、共産主義を実現できた社会は今のところないらしい。
・現代ではしばしば同義として扱われることもある。
福祉国家(修正資本主義)
・1945年〜1970年頃(戦後)。ケインズなどによる。
・「市場は動かすが、弱い人は国家が守る」といった考え方。
・資本主義も社会主義も完全体にはなり得なかった。その折衷として生まれたのが福祉国家である。中道の社会民主主義とも言われる。
・年金や医療保険、失業手当、公共教育など、『やさしい資本主義』が確立する。
新自由主義(ネオリベラリズム)
・1970年代〜。サッチャー、レーガンらなどによる。
・「勝てる人は勝て。負ける人は自己責任」といった考え方。
・福祉が国家財政を圧迫し、税収などでは保てなくなってきたことから生まれた。高齢化や失業率の上昇、インフレなど、様々な社会背景に起因する。
・その上で、「自分らしく生きる」だとか「国家に管理されたくない」といった個人主義の拡大が置き、一部メディアもそれを感情的に煽ったことで確立していった。
・これは企業の自由を最大化、国家の介入を最小化、福祉は甘えである、競争こそ進歩の源泉といった形で、市場の自由を絶対視している。
・なおここでの『自由』は最初の自由主義と明確に主語が異なり、自由主義では『個人の自由』を指しているのに対し、新自由主義では『市場の自由』を指していることが特徴である。
・この考え方は、今の日本に深く根を張っている。
・競争・成果主義が生活の内側にも浸透している、と言えばわかりやすいだろうか。
03.現代のイデオロギーは?
・結論、現代のイデオロギーはパッとは答えれない。単一の思想が占めているのではなく、複数の価値観が混ざり合いながら共存している状態だから。
・まぁ上述まではイデオロギーの歴史を語ってきたが、今の自分たちが現代のイデオロギーを見る時、それは『歴史』ではない。
・未来では何かしら名前をつけられているかもしれないが、それはもうすこし時代が進まないとわからないだろう。
・とは言っても釈然としないかもしれないのであえて言うのであれば、今は「ポスト新自由主義」となる。
・「新自由主義」が規制緩和と民営化を推し進めた市場原理を重視した結果、経済・教育における格差の拡大や、金融が社会の利益を上回る状況が顕著となっている。
・こういった「新自由主義」の行き詰まりを認識し、その反省の上に立ってより人間的で公正な社会を目指す価値観を「ポスト新自由主義」と呼び、各国の偉い人たちは日々あくせくされている。
・現代にはさまざまなイデオロギーが存在している。
・ネオリベの残響、ネオ・ソーシャリズム、テック・イデオロギー、ポストモダン的価値観、ケア・エシックス、資本主義リアリズム…etc.
・現代の潮流が気になる人は、このあたりを学んでみると視界が少し鮮やかになるかもしれない。
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・と、自分の頭の中を整理したいのもあり、今回は思想史を簡単にまとめた。
・一応の予防線を張るが、なんの権威もない自分が大雑把にまとめているだけなので、誤りなどがあっても許して欲しい。
・重要なのは、こういったものを見て興味を持ち、自発的に知的好奇心を満たす動きをすることなのだ。
・『幸せになりたい』と叫んでいるだけでは幸せにはなれない。いろいろな考え方を学び、世界を見るレンズを増やしていくことで自分の立ち位置を鮮やかにしなければ、選択肢を持つこともできないだろう。
・自分の学びの記録として、こういったものは引き続き残していきたい。
