あなたが楽器を演奏するとき、あなたの脳の中のあらゆる場所で大きな花火が打ちあがっている:楽器演奏が脳にもたらす良い影響とは
TEDのアニメーションコンテンツを視聴した。
楽器を演奏するという行為が、人間の脳にいかに劇的でポジティブな影響を与えるかについて、出典資料に基づき、その詳細なメカニズムと利点について説明されていた。
自分はピアノを幼少期に習っており、そして今も少しだけ時間を見つけて弾いているのだが、脳にどうやら良いことが分かったので少しでもいいから継続的に続けようと思う。
以下、動画の内容の要約である。
1. 脳内での「大祝祭」:演奏と鑑賞の違い
楽器を演奏しているとき、脳では何がおきているのか。
近年の神経科学の進歩、特にFMRI(機能的磁気共鳴画像法)やPETスキャナーといった装置の登場により、演奏中の脳内では驚くべき「お祭り騒ぎ」が起きていることが明らかになった。
単に音楽を聴くだけでも、脳はメロディーやリズムなどの要素を分解し、再び統合して音楽体験として処理するため、複数の領域が一度に活性化して「花火」のような反応を示す。
しかし、ひとたび自らも手を動かす「演奏」に転じると、その反応は「裏庭の小さな花火」から「大祝祭」へと変貌する。
科学者たちは、楽器演奏が脳にとって「全身運動」に匹敵する負荷と刺激を与えることを突き止めたのである。
2. 脳の全領域の連携と「脳梁」の強化
楽器を演奏する際、脳は視覚、聴覚、運動領域のすべてを使う。
体系的な練習を積み重ねることは脳の機能を根本から高め、その効果は他の活動の強化にも波及する。
特に顕著な特徴は、演奏が右脳と左脳の両方を高度に連携させる点である。左脳は言語や数学に関連する正確な処理をつかさどる一方、右脳的は 創造的で感情的な活動の処理をつかさどる。
演奏はこの両方の要素を同時に結びつける必要があるため、右脳と左脳を橋渡しする「脳梁(のうりょう)」の結びつきが強まり、活性化する。
その結果、脳内の情報伝達はより速く、かつ多様なルートで行われるようになる。これにより、音楽家は学術面や社会面においても、より効果的かつ創造的に問題を解決する能力を備えることができると考えられている。
3. 「実行機能」の向上と記憶の検索エンジン
音楽家は、非常に優れた*「実行機能」を有していることが研究で示されている。ここでいう実行機能とは、計画の立案、戦略の策定、細部への注意力、そして認知と感情の両面を同時に分析する能力のことを示す。
この能力は、脳の記憶システムにも大きな恩恵をもたらす。音楽家は記憶を形成・貯蔵・検索するスピードが非常に速い。
その仕組みは、まるで高性能なインターネット検索エンジンのようであり、 彼らは一つの記憶に対して、概念・感情・音声・文脈を紐づける。
この多角的なタグ付けにより、必要な情報を瞬時に引き出すことが可能になる。
4. 音楽学習特有の優位性
「音楽をやる人はもともと頭が良いのではないか?」という疑問に対し、神経科学者たちは厳密な調査を行った。
認知機能が同程度の人々をランダムにグループ分けし、一方のグループにのみ一定期間音楽を学ばせたところ、音楽を学んだグループのみ、脳の様々な領域が強化されたことが確認された。
このことから、楽器演奏は、スポーツや他の芸術活動とは異なる、音楽学習に特有の能力を身に着けることができると言えよう。
楽器演奏は、単なる芸術的な表現にとどまらず、私たちの脳内でオーケストラを作り上げ、複雑な相互作用を通じて脳の構造そのものを強化する。視覚・聴覚・運動機能の統合、論理と感情の融合、そして高度な記憶システムの構築といった一連のプロセスは、私たちが人生の様々な局面で直面する問題を解決するための、強力な基礎力となるのである。
