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あの日の「がっかり」は、君が優しいサンタになるための前フリだった。

私はサンタクロース。


今日はクリスマスの夜、目の前に積まれたプレゼントは、
まだ夜中まで届ければ大丈夫。

なので今はちょっと呼ばれている…
そんなところへ、少し寄り道してきます。


私は時間をさかのぼり、ある少年の姿を見つけました。

そこは、昭和。


彼は、お母さんからもらった500円玉を持って、近くの東急ストアとアーケードの商店街をぐるぐるまわっていました。

「クリスマス会のプレゼント交換で、絶対に喜ばれるものを探そう!」

彼はプレゼントを探すのを楽しんでいるとともに、ものすごく真剣です。

自分がもらっても嬉しいものにしよう。
だって、プレゼント交換は自分にあたるかもしれないから。

小学生が喜ぶかわいいキャラクターのメモ帳、いい匂いの消しゴム、鉛筆。

ワクワクしながらそれらをミックスして、お店の人にきれいに包装してもらったのです。

「これなら絶対、喜んでもらえる!」

自信満々に、彼はたくさんの子どもたちが集まるクリスマス会へ向かいました。

クリスマス会では
大騒ぎで椅子取りゲームみたいなフルーツバスケットをして、
メインのお菓子やケーキを食べて…
ワクワクがとまりません。

楽しい時間が過ぎ、ケーキを食べ終わったころ
ついにサンタさんが登場してきました。

あちらは地上でプレゼントを配ってくれるサンタさんです。

私は屋根の上から、そっと全体を眺めているサンタクロースです。


いよいよ、プレゼントの時間。
待ちに待ったこの時です。


地上のサンタさんが一人ひとりのところへ回って、プレゼントを手渡していくのです。

会場はさらに大興奮。

「わーい!」

「あ、これ私が買ったプレゼントだー! でも嬉しい!」

包みを開けた子たちの弾むような声が聴こえてきます。

彼もドキドキしながら、自分の番を待っていました。

そして、最後の方で彼の手元にプレゼントが渡されました。

「……あれ?」

「あれれ……?」

受け取った瞬間、彼は違和感を覚えたのです。

周りのみんなはキラキラした包装紙なのに、彼の手にあるのは、なんだかとても地道な色合いの包装紙。

「なんかおかしい…」
不安を抱えたまま、彼はそっとそれをオープンしていきました。

「あの……これ……」

出てきたのは、子どもが喜びそうなかわいいキャラクターグッズではありません。

普通の鉛筆と、地味なメモ帳だったのです。

そう、実はその日、一人クリスマス会にプレゼントを持って来られない子がいて。

それに気づいた先生が、急遽即席で用意して追加した「予備のプレゼント」。

それが、彼の元へ届いたのでした。

「なんで?自分だけ…」

自分では、誰かが喜ぶようなかわいいキャラの鉛筆を選んだのに。

これなら、自分が選んで持ってきたやつのほうがずっと良かった。

自分のが欲しかった。

ものすごいショックと、言葉にできない理不尽さ。

「クリスマス会のプレゼント交換なんて、嫌いだ」

彼はそんな思いを抱え、ただ立ち尽くしていました。

私はサンタクロース。

その様子を、屋根の上からじっと見ているのでした。


悔しさと悲しみでいっぱいになっているその少年に、私はそっとほほえんであげたいな。

君が一生懸命、誰かのために選んだあのかわいいセットは、今頃どこかの誰かを最高に喜ばせているよ。

君の「誰かを喜ばせたい」という思いは、ちゃんと届いているから。

そして、その「あれれ……」という残念な気持ちを経験した君だからこそ、いつか誰かの残念な気持ちにも、優しく寄り添える大人になれるよ。

昭和のクリスマスへと…
なぜか呼ばれて時間をさかのぼり行ってみたら、楽しいクリスマス会もある一人からしたら、ちょっと悲しい思い出だった…

そんな彼に何かをプレゼントするために呼ばれた昭和だったのかな。

あの日の君の、悔しい涙の帰り道に

見えないけど、そっと屋根の上からほほえんで、

「君はとっても優しいサンタさんだったよ」

と、心からのエールを贈ろうと思います。




Saka. 先生の
みんなでつくるクリスマスツリー 企画


お題  私はサンタクロース
私も参加して記事を書いてみました。
楽しい企画をありがとうございます。

昭和の時間へ行くことができました!
これも全て、Saka. 先生の企画のおかげです。


Saka. 先生企画詳細はこちらの記事から

#Sakaの教室のみんなでつくるクリスマスツリー


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