試験までの心得
これまで、筆者は言語の会話が文法学習の先に立つことを述べてきた。語彙や文法を用いて読解しながら論理をイメージし、問いに対する本文中のキーセンテンスを見つけ、選択肢であれば、キーセンテンスとの比較、記述であれば、採点者に分かりやすく、主語など文型を意識しつつ、キーセンテンスが複数あれば、まとめて記載していく。しかしながら、小説文、随筆文の選択肢問題は更に注意が必要であり、英語だけでなく、古文や漢文でも多くを占めるので、凡その学科試験で対策が必要と考える。筆者は以下の方法で国語や英語の読解を、得点源とすることができた(50未満→90程度%)。評論文、科学論文と違う点として、小説文、随筆文は出来事と気持ちの成分に分けられる。正解の選択肢は、気持ちが本文から類義語に言い換えられる、もしくは本文記載がないにも関わらず出現することがあるため、いざ選択肢を選ぶ際に解答しづらい。なるべく出来事を中心に本文中のキーセンテンスと比較し、気持ちの類義語もしくは新出した気持ちが妥当かを判断していく必要がある。ゆえに、最後は語彙が決め手となる。よく使う語彙であっても使い方に至るまで知っておくと、決定打になる。使い方に至るまで語彙を吸収する上で、読書、多読は重要であることは言うまでもないが、分野の偏りがない方が、語彙力はつく。小説であれ、ある程度ジャンルに分けて、文章を速読できるようにすべきである。目を動かして認識するスピードをつける、目に焼き付けて頭の中で想起する練習をすべきであり、勉強以外でもスポーツやゲームを通して鍛錬は可能である。普段から意識して行動すると良い。生まれ持った才能が限られているなら、如何に何を意識して行動するかで結果が変わる。様々な勉強方法を学び、自分に合った方法を実行し、アップデートしていく。アスリートは、勉強の部分が練習に代わるだけである。更に、算数や理科、論理社会においては、式の意味、仕組みを理解し、問題文、図表から意味を把握し、ストックしてきた解法と当てはめる。数学となると、数字が素数か3の倍数と関連が強いか整数か小数かなど、数字の意味から式や解法へと繋げるためのストックを増やすことも肝要である。理科や社会をイメージするため、実験や旅行をするとイメージはつき易い。よく、理系科目ができる人は、ひらめきを訴えることが多いが、ひらめきとは問題文の理解と試行から、解法想起かつ当てはめることを示している。試験で試されるのは、人類が解いたことがないような解法を発見することではない。制限時間内に、履修内容を用いて、どれだけ処理できるかの速度と精度が試されるのである。30代までは、反応速度がある程度維持されるが、年と共に劣化の一途をたどるため、試験を必要とする、目ぼしい資格や学位などは、若い年代で取得することを推奨する。引退するアスリートと同様、40歳以後、反応速度のピークは過ぎていくだろう。歳を重ねて実績をあげるには、少なくとも経験や演習時間でカバーする方法論を見出す必要がある。かつて、筆者は大学受験まで、マクロ暗記(伊沢拓司氏の掲げる、仕組みや理論の暗記)編重の試験戦略であった。医学部に入学後は、ミクロ暗記も山程行うが、結局、ミクロ暗記を行わないと、マクロ暗記にも影響することを悟った。大学受験で言えば、ミクロ暗記を多く要する有機無機をカットしたが、有機化学の構造式決定や、無機の知識を組み合わせた理論化学の問題は、マクロ暗記の要素がかなりある。ミクロ暗記とマクロ暗記の横の繋がりを意識したのは成人後であった。中受の段階で、意識することは難しいかもしれない。最近、長女にも言えるが、学習塾のトップ層で、学習計画の立案を親やAIが行う家庭が多いようである。目的や目標さえ詳細に設定すれば、計画が作られ、計画に沿った学習をいち早く開始できる。以前にもマスメディアを賑わす、小学生時点で名門大学に合格できる生徒がいたように記憶しているが、現在は英検や総合型という視点も含めて、そのような生徒が増えつつあるかもしれない。ただ、一度も学習計画立案経験がないと、AIの回答と、自らの目標との微妙なズレに気づけないかもしれない。
