カウンセラー、デザイナー、果ては芸術家…内向型向けの仕事一覧を見て、途方に暮れた話
日々の仕事内容に限界を感じ、日々の消耗を減らしたいと思った。
そこで「内向型に向いている仕事」と検索すると、決まって同じような答えが出てくる。
カウンセラー、デザイナー、果ては芸術家…
最初は「たしかに」と思う。
しかし、私たち内向型は、動く前にあらゆる可能性を思いめぐらし熟考しがちだ。つまり、少し立ち止まると、現実がのしかかってくる。
まず未経験可の求人がそもそもない。
あったなら低待遇であったりブラックであったり。
今の職を今すぐ辞められるわけではない。
生活がある。ローンがある。
移りたくても移れない理由が、たいてい一個や二個はある。
ひとつ前置きをしておきたい。
そもそも「仕事」というもの自体、外向型的な行動が前提になっていることが多い。
報告、連絡、相談、会議、商談、電話対応——職種を問わず、仕事の大半は対人・即応・発信で成り立っている。
内向型にとって、仕事そのものがある程度の消耗を伴う場であることは、最初から織り込んでおく必要がある。
また組織で働く場合には、内向型が働きやすいかどうかは、職種だけでも決まらない。
騒音、チームの人数、突発対応の多さ、職場の文化——そういった「環境」の要素も、消耗度に大きく関わってくる。
環境についてはまた別の記事で整理するとして、この記事では「同じ職場の中でも、どんな役割を担うかで疲れ方が変わる」という話に絞って書いていく。
「内向型向けの仕事一覧」に、ずっとしっくりこなかった
性格診断結果などで見たことがある人も多いだろう「向いている仕事」について。
向いている「仕事」が書いてあっても、自分の「今」には全然接続しない。
カウンセラーもデザイナーも自分のキャリアとかけ離れている。
「向いてる職種はわかった。でも、だから何?」となる。
それに加えて、しばしば現実と理想は違ったりもする。
自分のペースで書けるはずのデザイナーが、クライアント対応と修正依頼の連続でぼろぼろになっている。静かな環境のはずの職場で、電話番を任されて一日中消耗している。そんな話もよく聞く。
職種だけではなく「役割」も重要
同じ「営業」でも、テレアポを100件かけ続ける役割と、既存顧客の困りごとをじっくり聞いて提案する役割とでは、消耗の仕方がまるで違う。
また同じ「接客」でも、常連客と丁寧に話す時間と、クレームを次々さばく時間とでは、終業後の疲れ方が全然違う。
職種名は同じでも、何をするかで体験はがらっと変わる。
内向型の特性——観察力、じっくり考える力、一対一での深いやりとり——は、特定の職種にしか存在しないわけではない。
どんな仕事の中にも、それが活きる場面と、すり減っていく場面がある。
つまり、場合によっては、転職等により、同じ職種でありながらも、消耗が少ない選択肢に移行することも考えられる。
同職種であれば、いままでの経験を活かしつつゆるやかにスライドしていくことも可能なのではないだろうか、、
職種を変えることについては、その上で考えてみても良いのではないだろうか。
あなたの仕事にもある「活きる役割」
職種ごとに、内向型の特性が活きやすい役割と、消耗しやすい役割を整理してみる。
営業
活きやすい役割
既存顧客へのヒアリングと提案
顧客のニーズを言語化して提案書にまとめる
関係性を時間をかけて育てる担当制の営業
消耗しやすい役割
テレアポの量産
ハイテンションな雰囲気の中でのグループ営業
飛び込みや初対面の連続
事務
活きやすい役割
ミスや抜け漏れのチェック業務
業務フローの改善やマニュアル化
情報を整理してわかりやすくまとめる作業
消耗しやすい役割
電話対応が業務の大半を占める環境
突発的な依頼が次々に来るポジション
複数業務を同時並行で処理し続ける状況
接客
活きやすい役割
常連客との継続的な関係づくり
商品や手順をていねいに説明する場面
困りごとをそっと察して対応するポジション
消耗しやすい役割
クレーム対応が集中するポジション
人員不足で休憩もままならない環境
騒音や人の出入りが激しい売り場
マネジメント
活きやすい役割
メンバーとの1on1面談
チームの雰囲気や変化を観察して業務設計に活かす
心理的安全性を意識したチームづくり
消耗しやすい役割
飲み会や懇親会の仕切り役
常時対人調整が求められるポジション
根回しと社内政治が仕事の大半を占める環境
発信・副業
活きやすい役割
noteやブログでの文章発信
インタビューや取材ライティング
教材やコンテンツの制作
オンラインコミュニティの運営
消耗しやすい役割
毎日のライブ配信
SNSでの常時リアルタイム交流
顔出しや即興トークが求められる発信スタイル
「向いているから疲れない」ではない
上記の「活きる役割」を担っていても、疲れることはある。いくら得意なことでも、続ければ消耗する。
内向型にとって、深く関わることや丁寧に観察することは強みでもあるけれど、それ自体がエネルギーを使う行為でもある。
だから「向いている仕事に就けば楽になる」というのも少し違うように思う。
強みとは、疲れないことではなく、疲れても「これをやっていてよかった」と思える納得感に近いものだと思う。
消耗しながらも手応えがある。そういう感覚が続く役割を選べているかどうか、が問いとしては正確かもしれない。
自分の「活きる役割」を見つける3つの問い
最後に、自分の傾向を整理するための問いを置いておく。
① 人からよく頼まれることは何ですか?
話を聞いてほしいと言われる
文章を確認してほしいと言われる
ミスを見つけてほしいと言われる
② 「なんでみんな気づかないんだろう」と思う瞬間はありますか?
場の空気が変わったこと
説明が足りていないこと
小さな違和感や矛盾
③ 何があると一気に消耗しますか?
大人数の場での立ち回り
突発的な対応の連続
ノルマや数字のプレッシャー
騒音や人の多い環境
短時間での切り替えの繰り返し
頼まれること、気づくこと、消耗しにくいこと。
この三つが重なる場所に、自分が無理なく力を出せる役割がある可能性が高いと思っている。
仕事は、(特に年齢を重ねると)そんなに簡単に選び直せないことも多い。
だからこそ「この仕事を辞めるか続けるか」だけで考えると、選択肢が極端になりがちだ。
でも、同じ仕事の中にも、自分の特性が活きる役割と、すり減っていく役割がある。
職種を変えることが難しくても、いままでの経験を活かしながら役割を少しずらすことはできるかもしれない。
このnoteでは、内向型・繊細な気質を持つ人が消耗しすぎずに生き延びるための情報を、当事者目線で発信しています。 社労士(有資格者)・キャリアコンサルタントとしての知見も交えながら書いています。
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