ヘミングウェイの『誰がために鐘は鳴る』ー信ずるもののために戦う②
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今月は、アメリカのノーベル文学賞受賞者、ヘミングウェイの『誰がために鐘は鳴る』を取り上げます。
1930年代後半に起きたスペイン内戦に、自身が参入した経験をもとに書き上げた作品です。
戦争をテーマとしたヘミングウェイ作品のなかでも、主人公が愛する国の自由のために命を懸ける、誇り高い作品です。
『誰がために鐘は鳴る』―信ずるもののために戦うことの尊厳を書いた長編大作
アーネスト・ヘミングウェイ(1899~1961)
20世紀のアメリカを代表する小説家。
高校卒業後、地方新聞の記者となり、力強い文体と現場主義の基礎を習得する。
第一次世界大戦に赤十字要員として従軍。
戦後、フリー記者時代に小説を書き始める。
スペイン内戦と第二次世界大戦に従軍記者として参加。
1954年、ノーベル文学賞を受賞。
晩年は航空機事故の後遺症による躁うつ病に苦しみ、猟銃による自殺。
【書き出し】
彼は褐色の松葉の散りしいた林のなかで、組み合わせた腕に顎をのせて腹ばいになっていた。
頭上の高い松の梢を風が吹きわたっていた。
〈――大久保康雄 訳『誰がために鐘は鳴る(上)』(新潮文庫)より〉
【あらすじ】(後編)
いよいよ決行の日が来た。
そこに、5人の同志を連れたパブロが帰ってくる。
1度は怖気づき、盗んだ爆破装置も川に捨ててしまったが、考え直して戻ったのだという。
ロバートは爆破作戦の成功を確信した。
一方、ゴルツ将軍のもとに出した使いは、スパイの疑いをかけられて足止めされたために報告が遅れた。
将軍がロバートの情報を受け取ったのは、まさに味方の空爆隊が出撃した直後だった。
将軍は言う。
「考える必要は無い。事態をあるがままに受け取るだけだ」
動き出した作戦を、もはや止めることができなかった。
空爆の轟然たる爆音が山に響いた。
それを合図に、ロバートたちは鉄橋爆破に取り掛かる。
橋桁に爆薬と手榴弾を縛りつけ、間一髪、敵の影が見えた瞬間に針金を引いた。
天地も避けるような轟音とともに、橋の中央部が大波の砕けるように盛り上がったと思うと、爆風が襲いかかるのを感じた。
橋の爆破に成功したのだ。
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