走れなかい
なかいは激怒した。
わけではないが、朝からメロスなみに走った。
パジャマから着替えただけの、化粧はおろか洗顔も。日焼け止めすら、塗らないまま。「今月やったシミ取りレーザー、意味なくなったな」と思いながら。気づけば靴下すら履いてなかった。
今日から娘は小学校の林間学校です。昨日から私が体調最悪だったので、本人及び夫が持ち物をチェックしているのを横目で見ていました。そして元気よく家を出た娘。お見送りのため付き添った夫。
娘が去年から本当に楽しみにしていた林間学校。私は今朝も横になっていて、何もできなかったのですが、何とか無事に行けてホッとしました。
そして持ち物チェックからお見送りまで全部できる夫も凄い。感謝だなーと思ってふとキッチンを見ると、なぜかそこにあるのですよ。お箸が。
あああ!確かに持ち物チェック表には「お弁当」としか書いてないよね!でも当然手づかみでは食べられないよね!?
これはやらかしたなと思った瞬間、体が動いていました。寝込んでいたはずなのに速攻で着替えだけしてお箸を引っ掴み、小学校に向かって走っていく私。
あれだけ楽しみにしてた林間学校。楽しくお弁当食べて欲しいじゃないですか。その一念でした。思えば「走る」のは、学生時代以来かもしれません。(諸事情により、主に肉を持った競歩の経験は謎に豊富にあるのですが。)
小学校では校庭で出発式を行なっていました。そして今、改めて冷静に考えたら、もしかしたら夫はお箸でなくてスプーンとフォークを入れた可能性もあります。こんなに焦って持ってくる必要なかったかも。
出発式を見学してた夫を見つけ、お箸を渡したら「あっ!」という顔をしました。
前言撤回。焦って持ってきて本当に良かった。
そして、バスに移動するタイミングで夫が娘にお箸を渡したら、同じように「あっ!」という顔をしました。
こういうところほんと親子。
ともあれ、無事に出発できてよかった。
なかいは、ひどく安堵した。
