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なぜ高市政権支持率低下の黒幕は財務省だったのか


なぜ高市政権支持率低下の黒幕は財務省だったのか

はじめに

高市政権の支持率低下について、私は昨日メンバーシップ向けに「なぜ高市政権の支持率低下は想定内であり何の心配も要らないのか」という記事を書きました。あの記事では、皇室典範改正や副首都構想、物価高と氷河期世代の不満といった要因が重なり、「7割超という異常な高支持率の減価償却が始まった」という構図を整理しました。

しかし、記事を公開した直後から、Xではまったく別の角度の情報が飛び交い始めました。骨太の方針2026の原案が、財務省主導の緊縮路線を大きく転換する内容になっている――そうした指摘が相次ぎ、高市政権と財務省の間でかなり激しい綱引きが続いていることが明らかになっていったのです。

その時点では、「支持率低下」と「骨太の方針」は、私の頭の中ではまだ別々の出来事でした。しかし、Xで原案のポイントを追いかけているうちに、「PB黒字化目標の事実上の棚上げ」「行き過ぎた緊縮志向からの決別」といった文言が並んでいるのを見て、私はふと腑に落ちました。高市政権の支持率調整と、財務省レジームへの挑戦は、一本の線でつながっているのではないか――と。

そして本日、骨太の方針2026が正式に閣議決定されました。高市政権として初の「骨太」は、「責任ある積極財政」元年を掲げ、財政運営の中心指標を「債務残高対GDP比の安定的な引き下げ」へと切り替える内容になっています。 その全文と各種解説を読み込むうちに、昨日までの私の「支持率低下は想定内」という見立ちは、「支持率低下の黒幕は財務省だったのではないか」という一段深い仮説へと、静かに形を変えていきました。

本稿では、高市政権の支持率低下の裏側で何が起きていたのかを、財務省と新聞、そして骨太の方針2026という三つのキーワードから整理しながら、「なぜその黒幕が財務省だと考えられるのか」について論じます。

読者の皆様の参考になれば幸いです。


第1章 新聞と財務省をつなぐ「軽減税率」という鎖

高市政権の支持率低下を「黒幕・財務省」という視点から眺め直すとき、最初に押さえておきたいのは、新聞社と財務省の間に横たわる「消費税軽減税率」という鎖です。 これは、単なる税制上の細目ではなく、メディアの論調と財務省の意向を結びつける、かなり強力なパイプとして機能してきました。

2019年に消費税率が10%へと引き上げられた際、政府は負担を和らげるために「軽減税率制度」を導入しました。 その対象に含まれたのは、飲食料品、つまり食べ物と飲み物、そして「週2回以上発行される定期購読の新聞」です。 食料品と新聞が並んで「生活必需品」とされることに、違和感を覚えた読者は少なくなかったはずです。

新聞業界は、この軽減税率を勝ち取るために、日本新聞協会を通じて政府・財務省に対し、「新聞は民主主義の基盤であり、知る権利を守る公共財だ」と強く訴えてきました。 その一方で、消費税増税そのものについては、大手紙の多くが「財政再建のために必要な負担だ」「社会保障の安定財源が必要だ」といった論陣を張り、増税反対の声を大きく取り上げることはありませんでした。

元東京・中日新聞論説副主幹の長谷川幸洋氏は、この流れを「取引」と表現しています。 新聞の部数が大きく落ち込む中で、10%への増税がそのまま適用されれば、購読離れに拍車がかかるのは明らかでした。 普通なら、自社の生き残りのために増税反対を主張してもおかしくない場面で、大手紙はむしろ増税容認の立場を取った。その裏側には、「増税には賛成する。その代わり新聞には軽減税率を適用してもらう」という、財務省との暗黙の合意があったのではないか、と長谷川氏は指摘します。

この「軽減税率の恩義」は、その後の税金報道にも影を落としました。税制解説サイトや経済系ブログでは、「新聞の税金報道は忖度だらけになる理由」として、軽減税率を通じて財務省から恩を受けている構図が詳しく解説されています。 食料品ゼロ税率や消費税減税が議論になるたびに、新聞社は自社の軽減税率の取り扱いが問題になるため、財務省に不利な報道を控えざるを得ない。結果として、減税論への批判や慎重論が紙面で強調される――こうしたメカニズムが、今や半ば常識のように語られるようになりました。

2025年以降、物価高と実質賃金の低下が続く中で、国民の間には「消費税を下げてほしい」「食料品だけでもゼロにしてほしい」という声が強まりました。 それにもかかわらず、大新聞・テレビは「減税は現実的ではない」「財源がない」「バラマキになる」といった“隠れ増税推進”とも言うべき報道を続けたと、マネーポストなどの経済メディアは批判しています。 その背景として指摘されているのが、「消費税軽減税率や税務調査をもってして、財務省は新聞社の急所を握っている」現実です。

この「急所」を握られた構図の上に、高市政権の「飲食料品消費税ゼロ」構想が乗ってきました。 食料品ゼロ税率が本格的に動き出せば、現行の軽減税率制度の見直しは避けられず、「新聞だけ8%据え置き」という特権は、法制度の中で再度問い直されることになります。 それは、新聞社にとっては経営の根幹に関わる問題であり、財務省にとっては「増税レジーム」を守るための最後の砦です。

財務省は、税制の設計権限と軽減税率という恩義を通じて、新聞社の論調に目に見えない影響力を及ぼしてきました。 高市政権が「責任ある積極財政」と「消費税減税」の両方に踏み込んだ瞬間から、新聞と財務省の利害は一気に一致し、「減税を潰せ」「積極財政をバラマキと批判せよ」という方向に世論形成が進んでいったとしても、不思議ではありません。


第2章 骨太方針2026が壊した「PBレジーム」

高市政権の支持率低下を「財務省の黒幕」として見るうえで、決定的に重要なのが骨太方針2026の中身です。私は原案と解説レポートを読みながら、「これは単なる一年度の方針ではなく、日本の財政運営そのものの“OS”を書き換える文書だ」と感じました。 そして、その書き換えの矢印が、財務省の長年の聖域だったPB(プライマリーバランス)目標に向かっていることが、今回の激しい対立の根っこにあると受け止めています。

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