1on1で『最近どんな貢献した?』と聞かれて固まった僕が、AI振り返りで見つけた11個の提案
# 1on1で『最近どんな貢献した?』と聞かれて固まった僕が、AI振り返りで見つけた11個の提案
「中村さん、最近の会議で、これは自分が動かしたなって思える貢献ってあります?」
今年の春、隔週でやっている上長との1on1で、コーヒーを一口飲んだ直後にそう聞かれて、僕は湯気の向こう側で3秒くらい黙ってしまいました。カレンダーを開けば、その2週間で参加した会議は22本。企画レビュー、営業同席、採用面談、部門横断のワーキンググループ。数だけは、たしかにたくさん出ていました。
でも、いざ「貢献」と聞かれた瞬間、頭の中で真っ白なホワイトボードが広がる感覚があって、絞り出したのが「えっと、A社の商談は……前に進んだ、と思います」という、自分でも情けなくなるような答えでした。
この記事で書くこと
議事録を「送るためのもの」だと思っていた僕が、なぜ振り返り用途に切り替えたか
- 会議ログを自分のために読み返す、3つの具体的な使い方
- 3ヶ月やってみて、上長のフィードバックのされ方がどう変わったか
議事録は「他人に送るもの」だと思っていた
AI議事録ツールを本格的に使い始めたのは、去年の秋くらいです。最初のきっかけは、会議中に出てくる知らない言葉を後でこっそり調べたかったから。「SLO」「デシル分析」「バックプレッシャー」——分かったふりで頷いた単語を、家に帰ってログで検索するのが、いちばん最初の使い道でした。
そのうち、議事録の下書きをAIの要約で作ってSlackに流すのが定着して、社内でも「中村さん、議事録早いですね」と言われるようになりました。ここまでは、まあ、いい話です。
問題は、その先でした。
ログはたしかに残っていました。半年分、フォルダに整然と並んでいました。でも、僕が読み返していたのは「送信直後の要約チェック」だけで、1週間後・1ヶ月後にもう一度開くことは、ほぼゼロでした。議事録は「相手に送ったら完了」というタスクとして頭の中に整理されていて、ログは「他人のためのもの」だという固定観念が染み付いていたんだと思います。
冒頭の1on1で固まったのは、そのツケが回ってきた瞬間でした。会議には出た。議事録も送った。でも、その中で自分が何を発言して、どんな提案をして、どこで流れを変えたのか——自分自身の側からは、何一つ言語化できていませんでした。
1on1の前夜、初めてログを「自分のために」開いた
その日の夜、22時過ぎに、僕は少し悔しくて、直近2週間ぶんの会議ログをまとめて開きました。Meeting Lensを使い始めてから、文字起こしはブラウザ上に一覧で残っていて、右上の検索窓に自分のニックネームを入れれば、自分の発言だけが抽出できる状態になっていました。
やったのは単純で、22本ぶんのログを、自分の発言だけザッと目で追っていく作業です。所要時間は、だいたい40分。
読み進めるうちに、変な感覚になってきました。
「あ、この会議で、開発チームに『先にリスクだけ洗い出しませんか』って言ったの、僕だったんだ」
「B社との商談、価格ではなく運用工数の話に切り替えたの、自分の発言がきっかけだったのか」
「採用面談で、候補者の懸念を先回りして代弁してたの、これけっこう効いてたな……」
その夜、A4のメモに書き出した「自分が動かしたかもしれない瞬間」は、11個ありました。1on1で「うっ」と固まったときには、1つも出てこなかった具体エピソードが、ログを読み返しただけで11個です。
面白かったのは、11個のうち、当日のうちに「自分が良い仕事をした」と自覚できていたのは、たぶん2〜3個くらいだったことです。残りの8個は、完全に忘れていました。会議が終わって次の予定に移った瞬間、脳の中では「終わったこと」として処分されていたんだと思います。
会議ログを「自分のために」使う3つの方法
翌日の1on1では、11個のうち特に自分でも納得感のある3件を、具体的な発言のニュアンスまで含めて話しました。上長の反応が明らかに変わった、と言えるほど劇的なことは起きなかったのですが、少なくとも「そこまで意識してたのか」という一言はもらえました。前回までの「なんとなく頑張ってます」よりは、確実に会話の解像度が上がった感覚がありました。
そこから3ヶ月、Meeting Lensのログを「自分のために」使う習慣を続けています。だいたい3つの用途に落ち着きました。
1. 1on1の前夜に15分だけ、ログを流し見する
これがいちばん定着しました。1on1の前日の夜、寝る前に15分だけ、直前2週間ぶんの会議ログを開いて、自分の発言箇所をスクロールで追います。全部を精読するわけではなくて、目に留まった発言だけメモに書き出す感じです。
やってみて分かったのは、「振り返り」を大がかりな作業にすると絶対に続かない、ということでした。最初は「毎週日曜の夜に1時間かけて」みたいな計画を立てたんですが、2週目で挫折しました。1on1の前夜という「必要に迫られたタイミング」に紐付けたら、逆に習慣化しました。
2. 半期の自己評価シートを、ログ検索で組み立てる
これが体感でいちばん効きました。以前は半期の自己評価シートを書くのに、机の前で腕組みしながら、記憶を絞り出すようにして書いていました。3時間はかかっていたと思います。しかも、書き終わっても「この半年、自分は何をやったんだっけ」という妙な虚無感がありました。
今回の半期評価では、Meeting Lensのログに対して、自分なりのキーワードで検索をかける方式にしました。「価格」「懸念」「提案」「代案」「巻き取り」——こういう言葉を含む自分の発言を拾って、時系列で並べていくだけです。作業時間は45分くらいでした。書けた内容も、「A社の商談で、価格議論から運用工数の議論にシフトさせる発言をした(3月10日の商談ログより)」みたいに、日付ベースで具体的に書けるようになりました。
上長が読んで納得しやすいというより、書いている自分が納得できる自己評価が書けた、という感触があります。
3. 月末に「自分の口癖と主張の変化」を確認する
これは3ヶ月目に入ってから始めた使い方です。月末に、その月の会議ログを頭からざっと眺めて、「今月、自分がよく言っていた言葉」を確認します。
1ヶ月目は「そうですね」「たしかに」「なるほど」が多くて、自分の意見をあまり出していないことに気づきました。2ヶ月目は「一方で」「ただ、これは」「別の見方をすると」が増えていて、反対側の視点を出す発言が増えていました。3ヶ月目は「じゃあ、こうしませんか」「たとえば、こういう形なら」という、代案を出す発言が明らかに増えていました。
意識して変えたわけではないんです。でも、「自分の発言を後から読み返す」という前提が頭の片隅にあるだけで、会議中の言葉選びが少しずつ変わっていったんだと思います。ログを撮っているというより、未来の自分がこれを読むことを知っている、という感覚に近いです。
Before / After
3ヶ月前の1on1では「最近の貢献は?」に対して、ぼんやりした答えしか返せませんでした。今は、直近2週間の会議から具体的なエピソードを2〜3件、日付と会議名込みで話せるようになっています。
半期評価シートの記入時間は、3時間から45分に短縮されました。それ以上に大きかったのは、書いた自己評価を自分が信じられるようになったことです。
そして、これはあくまで感覚的な話なのですが、上長からのフィードバックが「もっと意見を出していい」から「その視点は他の会議でも使えそう」に変わりました。評価がどうこうというより、対話の中身が変わった、という表現の方が近いと思います。
議事録は、未来の自分への手紙かもしれない
3ヶ月やってみて、いちばん腹落ちしたのは、「議事録は他人に送るために書くもの」という思い込みが、ずっと自分の可能性を狭めていたということでした。
会議が終わった瞬間、自分が何を言ったかの記憶は、想像以上に早く薄れていきます。エビングハウスの忘却曲線を持ち出すまでもなく、1週間後には細かいニュアンスはほぼ消えています。それを「なんとなく」で振り返って、なんとなくの自己評価を書いていた自分に、今は少しだけ申し訳ない気持ちになります。
会議ログは、会議に出ていた過去の自分から、これから評価面談や1on1に臨む未来の自分への、手紙のようなものだと思うようになりました。Meeting Lensがブラウザで完結していて、追加のインストールも要らずに、そのまま手元に残ることは、この用途との相性がとても良かったです。派手な機能で選んだわけではなく、日常の中で「開くのが億劫にならない」ことが、振り返り習慣を続けるためには何より大事でした。
もし今、1on1や評価面談の前に「何を話せばいいか分からない」と感じている人がいたら、まずは前夜の15分、直近2週間の会議ログを自分の名前で検索してみてほしいです。たぶん、想像以上にたくさんのことを、あなたはすでに会議の中で言っています。ただ、忘れているだけです。
まとめ
議事録を「他人に送るもの」から「自分のために残すもの」に位置づけ直すと、1on1と評価面談の準備が変わる
- 前夜15分の流し見、キーワード検索での自己評価組み立て、月末の口癖チェック——この3つが僕には合いました
- 派手な仕組みは要らなくて、ログが手元に残って、開くのが億劫でないことがいちばん大事です
実際にAI議事録を試してみたい方は、Meeting Lensの無料トライアルから:
👉 https://meeting.roy-al.co.jp/
来週は、会議ログを使って「自分の思考のクセ」を1ヶ月分析してみた話を書く予定です。
※本記事は Meeting Lens 運営の株式会社 RoyAl と関係があるライター(中村秀太)が執筆しています(関係性開示)。
内容は実体験に基づきますが、関係性をご承知の上ご参考ください。
