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記録はあった、なのに『言った言わない』になった——AI議事録を入れても揉める理由と、僕がやめた3つのこと

# 記録はあった、なのに『言った言わない』になった——AI議事録を入れても揉める理由と、僕がやめた3つのこと

「いや、あの会議でそんなこと決まってないですよね?」

去年の冬、社内の新機能リリース会議から1週間後、別チームのリーダーから Slack でそう投げられた瞬間、僕は静かにブラウザのタブを4枚開きました。1枚目は AI 文字起こしの全文ログ、2枚目は自分の手元メモ、3枚目はカレンダーの会議招待、4枚目はその後送ったメール。記録は、全部、揃っていました。揃っていたのに、揉めていました。

僕はその日、自分が信じていた「AI に録らせておけば言った言わないは解決する」という前提が、半分くらい嘘だったことに気づきました。

この記事で得られること


  • AI 文字起こしを入れても「言った言わない」が消えない理由

  • - 記録ではなく「共有と参照のフロー」を直すという視点

  • - 僕が実際にやめた3つの習慣と、代わりに作った3ステップ

まず先に結論——記録の問題じゃなく、フローの問題でした


僕が辿り着いた答えは、シンプルに3つです。

  • 決定事項を会議ログから分離して構造化する

  • - 24時間以内に関係者全員に配布する

  • - 次回会議の冒頭30秒で「前回の確認」を必ず挟む

このどれかを抜くと、たとえ AI が完璧に文字起こしをしていても、認識のズレは起きました。順番に書きます。

あの日の会議で、何が起きていたか


問題の会議は、新機能リリースに向けた関係部署の調整ミーティングでした。営業、CS、開発、僕(事業企画)の4部署、計7人。対面とリモートのハイブリッド、所要時間は60分。AI 議事録ツールはすでに半年前から導入済みで、その日もちゃんと録音し、全文の文字起こしも生成されていました。

会議では「リリース日を当初計画から2週間後ろ倒しにする」「その代わり、初期顧客5社には先行で告知を打つ」という方針が議論されました。僕の認識では、ここは「決まった」つもりでした。

ところが1週間後、別チームのリーダーから「初期顧客への先行告知って、決まったんでしたっけ? 僕は『検討する』で終わったと理解してました」と Slack。慌てて文字起こしを開くと、確かに該当の発言はある。でも、「やります」とも「やめます」とも、言い切られていない。「じゃあそれで進めましょうか」「はい、では一旦そういう方向で」みたいな、空気で締まったやり取りが3往復続いて、次の議題に移っていました。

文字起こしは正確でした。正確に、曖昧なものを曖昧に書き残していました。

原因は「記録」ではなく、3つの欠落だった


その夜、僕は文字起こしを読み返しながら、何が悪かったのかを書き出してみました。出てきた答えは、自分のツール選びとは別のところにありました。

欠落1: 決定事項を会議ログから「分離」していなかった


文字起こしは60分丸ごとのテキストで、決定事項もアクションアイテムも、雑談も冗談も、同じフォーマットの中に埋まっていました。後から「何が決まったか」を探そうとすると、結局全文を読み直すしかない。当時、AI 議事録の生テキストから明確なアクションアイテムが抜き出せているケースは、僕の体感で2〜3割程度。残りは「会議の様子はわかるが、決定が読み取れない」状態でした。

欠落2: 共有していなかった


正直、ここが一番痛いです。文字起こしは僕の社内ドライブに保存されていました。会議後、僕が編集して整える前提だったので、「整ったら共有しよう」と思って、そのまま忘れていました。共有していない記録は、心理的には「存在していない」のと同じです。あとから「あの議事録、共有されてましたっけ?」と聞かれて、自分の中で何かが崩れる音がしました。

欠落3: 次の会議で「前回の確認」をしていなかった


これも盲点でした。週次の定例だったのに、毎回新しいアジェンダから始めていました。前回の決定事項を冒頭で読み合わせる時間を、僕は1秒も取っていなかった。エビングハウスの忘却曲線を持ち出すまでもなく、人は24時間も経てば、会議で聞いた話の細部を半分以上忘れます。1週間も間が空けば、解釈が人によって分岐するのは、ある意味当然でした。

国内の調査をいくつか眺めても、ビジネスパーソンの約6割が「会議後に決定事項の認識が参加者間でズレていた経験が月1回以上ある」と回答しているそうです。手戻り作業は1人あたり週1.5〜2時間。僕の感覚値とも、そこまでズレていませんでした。

僕がやめた3つのこと


原因が見えてから、僕はまず「やらないこと」を決めました。

  • 会議の文字起こしを「議事録」と呼ぶのをやめた

  • - 「あとで整えて共有する」をやめた(時間切れになるので)

  • - 定例会議をアジェンダから始めるのをやめた

このうち2つ目が一番効きました。完璧な議事録を作ろうとすると共有が遅れる、遅れると意味がなくなる。だから「まず雑でも出す」に切り替えました。

代わりに作った3ステップ


ステップ1: 決定事項を会議ログから「構造化」して抜く


会議中、僕はメモ欄に手書きで「決定」「宿題」「保留」の3つの記号だけを書いておきます。会議後、AI 議事録ツールの要約機能で「決定事項」「アクションアイテム(担当者・期限つき)」「保留事項」を別ブロックで抽出してもらい、自分の3記号メモと突き合わせる。所要時間は5〜10分。生の文字起こしは「証跡」として別タブで保存しておくだけにしました。

ここで使っているのが Meeting Lens です。決定事項とアクションアイテムを構造化して出してくれるので、僕の作業は「正しいか確認する」だけで済みます。ブラウザ完結で会議中の起動が早いのも、ハイブリッド会議で出社・在宅が混ざる僕の働き方には合っていました。Notta や tldv も決定事項の抽出はできますが、僕は「会議中に分からない用語をその場で確認できる」用語解説機能と、音声がクラウドに送られないオンデバイス処理の組み合わせが理由で Meeting Lens に落ち着いています(このあたりはチームの機密度で選び分けるのが現実的だと思います)。

ステップ2: 24時間以内に「決定事項だけ」を全員に配布する


完璧な議事録を作ろうとしない、と決めました。会議終了後、できればその日のうち、遅くとも翌日午前中までに、Slack の関係チャンネルに「決定/宿題/保留」の3ブロックだけを貼ります。本文10〜15行。文字起こしの全文は、リンクで補足するだけ。

これを始めてから、配布までの所要時間が平均で約20分から約8分に縮みました。短くて雑な共有のほうが、長くて完璧な共有より、結果的に「言った言わない」を減らしました。完璧な議事録を3日後に出すより、雑な決定事項一覧を3時間後に出すほうが、圧倒的に効きます。

ステップ3: 次回会議の冒頭30秒で「前回の確認」を挟む


定例会議の冒頭、僕はアジェンダの前に「前回の決定事項3つだけ、確認させてください」と言う係になりました。たった30秒、長くて1分。ここで「あれ、そんなことまで決めましたっけ?」が出てきたら、その場で軌道修正できます。1週間後に Slack で揉めるより、30秒の確認で潰すほうが、お互い消耗しません。

Before / After


導入前、僕のチームでは「先週決まった話を、もう一度議論する」会議が月に3〜4回はありました。1回30分として、月90〜120分のロス。これがほぼゼロになりました。

「言った言わない」起因の Slack でのやり取りも、僕の体感で月5〜6件あったものが、直近2ヶ月では1〜2件まで減りました。残った1〜2件は、僕の決定事項の書き方が曖昧だったケースで、これは僕の問題なので、書き方を直しています。

何より変わったのは、自分のメンタルです。「あの会議、ちゃんと記録あったっけ」「あの件、共有したっけ」というモヤモヤを、夜寝る前に思い出さなくなりました。

まとめ


「言った言わない」は、記録の問題に見えて、記録の問題じゃありませんでした。AI 文字起こしは入り口で、本当に効くのは「決定事項を分離して、すぐ配って、次回冒頭で確認する」というフローでした。ツールは、そのフローを軽くするための補助輪です。フローがないとツールも空回りするし、フローがあれば、ツールが多少不完全でも回ります。

もし今、AI 議事録を入れているのに「揉めごとが減らないな」と感じていたら、疑うべきはツールの精度じゃなく、自分の共有と参照のフローかもしれません。

実際にAI議事録を試してみたい方は、Meeting Lensの無料トライアルから:
👉 https://meeting.roy-al.co.jp/

来週は、その「決定事項の書き方」自体について、僕が何度も書き直して落ち着いた型を書こうと思います。




※本記事は Meeting Lens 運営の株式会社 RoyAl と関係があるライター(中村秀太)が執筆しています(関係性開示)。
内容は実体験に基づきますが、関係性をご承知の上ご参考ください。

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