テンプレを5種類作って商談議事録が逆に遅くなった話——5分で仕上げるために減らしたもの
# テンプレを5種類作って商談議事録が逆に遅くなった話——5分で仕上げるために減らしたもの
「中村さん、昨日の◯◯社の議事録、まだCRMに入ってないですよね?」
去年の冬、朝会のあとにマネージャーから個別Slackが飛んできた瞬間、僕はノートPCの未保存タブを3枚開いたまま固まりました。確かに前日、夕方の商談が終わって、移動中の電車で「あとで書こう」と思っていたはずなのに、その夜は別案件の資料作成に飲まれ、翌朝には記憶がぼんやり遠のいていました。
しかも当時の僕は、商談議事録のテンプレをNotionに5種類も作っていました。新規開拓用、既存深耕用、パートナー用、ヒアリング深掘り用、クロージング用。「商談タイプに合わせて最適な型を使い分ければ、議事録の質が上がる」と信じていたんです。
結論から言うと、テンプレを5種類作ったことが、僕が議事録を溜めてしまう一番の原因でした。今日は、そこから「商談後5分で議事録を仕上げる」状態に辿り着くまでに、何を増やして、何を減らしたかを書きます。
商談1件あたり、議事録に30分以上かけていた
当時の僕の議事録作業を振り返ると、商談1件につき平均30〜40分かかっていました。週に12〜15商談あったので、議事録だけで週4〜5時間。Slackの返信や提案資料の修正と並行しながら、夜21時過ぎに「今日の分、まだ書けてない」と気づくのが常でした。
しかも厄介なのは、30分かけても議事録の質が大して上がっていなかったことです。商談から時間が経つほど、「あの人が言ってた金額の話、80万って言ったっけ、180万って言ったっけ?」と細部が曖昧になる。エビングハウスの忘却曲線によれば、人の記憶は20分で約40%が薄れるらしいのですが、僕の体感もまさにそうでした。商談が終わって30分も経つと、相手の温度感みたいなものから抜け落ちていくんです。
それでも僕は「テンプレが整っていないから時間がかかるんだ」と思っていました。だからテンプレを増やしました。これが完全に逆走でした。
失敗:テンプレを選ぶだけで2分消えた
5種類のテンプレを作った直後、僕は意気揚々と商談に臨みました。商談が終わって、ノートPCを開いて、Notionの議事録データベースを開いて、「+ 新規」を押す。ここまでは10秒です。
問題はその次です。
「今日の商談、新規開拓だけど後半はかなりヒアリングに寄ってたな……新規用と深掘り用、どっちのテンプレ使うべき?」
この自問自答で、平気で2分消えました。下手すると、テンプレを開いてから「やっぱりこっちにしよう」と入れ替えて、すでに書いた1行をコピペで移し替える、みたいな無駄な動きまでしていました。
しかも最悪なのが、迷っている2〜3分のあいだも、商談の記憶はリアルタイムで薄れていくことです。型を選んでいる間に、相手が最後の雑談で漏らした「実は来期、組織変更があるかも」という重要な一言が、頭の中から消えていく。テンプレを増やしたことで、議事録の質も時間も両方悪化していました。
ある木曜の夜、その日4本目の商談を終えて、また5種類のテンプレ画面の前で固まっている自分に気づいたとき、ようやく観念しました。「これは、テンプレが足りないんじゃなくて、多すぎるんだ」と。
転機:1種類に絞って、空いたぶんはAIで埋める
翌週、僕はNotionのテンプレを1つだけ残して、残り4つをアーカイブしました。残したのは、4項目だけのシンプルな型です。
相手の現状(事実)
- 相手の課題感(温度感)
- 次のアクション(誰が・いつまでに)
- 商談中に出た固有名詞・数字メモ
これだけです。新規も既存もパートナーも、全部同じ型に流し込む。型が足りないぶんの情報量は、AI文字起こしの全文ログで補完する——というのが新しい方針でした。
このとき、文字起こしツールとして並行で試したのがいくつかあって、最終的に普段使いに残ったのが Meeting Lens でした。決め手は、ブラウザを開いてそのまま録音ファイルをドロップするだけで処理が走る手軽さです。商談直後に「アプリを起動して、アカウントを切り替えて、設定を確認して……」みたいな儀式がないので、商談後の数十秒で処理開始まで持っていける。これが「5分」に効きました。
商談後5分で仕上げる、僕の4ステップ
ここからは、いま僕が実際にやっている手順を、時間配分つきで書きます。商談時間は60分前提です。
ステップ1: 最初の2分は「黙る」(0:00〜2:00)
商談が終わって相手が退室したあと、いきなり議事録を書き始めません。最初の2分は、ノートPCすら開かずに、頭の中で商談を3つに分解します。「事実・温度感・次の一歩」。この3つを声に出さずに脳内で並べるだけです。
最初これをやり始めた頃は、「2分も黙ってたら、また忘れるじゃん」と不安でした。でも実際は逆で、書き始める前に脳内で構造化したほうが、その後の手の動きが圧倒的に速くなる。書きながら考えるのをやめると、書き出してからの3分で議事録の骨格が固まります。
ステップ2: AIに音声を投げる(2:00〜2:30)
2分の脳内整理が終わったら、ブラウザを開いて Meeting Lens に商談の録音ファイルを投げます。オンライン商談ならZoomのローカル録音、対面ならスマホのボイスメモ。ここでポイントは、処理が終わるのを待たないことです。投げたら次のステップに進む。文字起こしは「あとで細部を確認するための保険」として走らせておきます。
ちなみに Meeting Lens にしてよかったと感じたのは、業界用語や自社サービス名みたいな固有名詞をそこそこ拾ってくれることです。前に別ツールで「Roy AI」みたいな謎の表記が連発されてうんざりした経験があるんですが、用語解説の機能とセットで使うと、固有名詞の取りこぼしがかなり減りました。
ステップ3: 最小テンプレに書き込む(2:30〜4:30)
文字起こしが裏で走っているあいだに、Notionの最小テンプレを開いて、脳内整理で作った3要素を流し込みます。ここはあえて文章にしません。箇条書きで、固有名詞と数字を優先して打ち込む。
「先方:現状の顧客管理はExcel運用、月次で集計に12時間。RevOpsチームは3名、来期4名増員予定。CRM導入予算は来期120万想定。決裁は田中部長」
こんな粒度です。きれいな日本語にしようとした瞬間に時間が溶けるので、ここは雑でいい、と決めています。
ステップ4: ネクストアクションだけ丁寧に書く(4:30〜5:00)
最後の30秒で、議事録の中で唯一「丁寧に書く」のがネクストアクションです。「誰が・いつまでに・何を」の3点セットを、自分宛てと相手宛ての両方分。ここだけは、未来の自分とチームメンバーが読んでも迷わないように、主語と期日を省略しません。
5分が経過した時点で、僕は議事録のタブを閉じて、移動を始めます。完璧じゃない議事録が残っていることに、最初はものすごく違和感がありました。「あとで読み返したとき、足りないかも」という不安です。でも実際には、文字起こしの全文ログが裏に控えているので、夜に時間ができたときに細部を補完すればいい。むしろ「商談後5分で骨格が残っている状態」のほうが、翌朝の自分にとってはずっと優しいです。
Before / After
数字で比べると、こうなりました。
Before(テンプレ5種類時代):
- 議事録1件あたり: 30〜40分
- 週の議事録作業時間: 4〜5時間
- CRM入力率(当日中): 約50%
- 翌朝の「あれ何だっけ」率: 体感で週3〜4回
After(テンプレ1種類+AI):
- 議事録1件あたり: 5分(細部補完を含めても10分以内)
- 週の議事録作業時間: 1〜1.5時間
- CRM入力率(当日中): ほぼ100%
- 翌朝の「あれ何だっけ」率: 月に1回あるかどうか
週で3時間以上が浮きました。この3時間は、提案資料の磨き込みや、夕方に1本だけ追加で商談を入れる余裕に変わりました。
同じ悩みの人へ
もし今、議事録テンプレを3つ以上抱えていて、商談後にどれを使うか迷っている自覚があるなら、いったん1つに絞ってみてほしいです。型を増やすほど質が上がる、というのは半分嘘で、選択肢が増えるほど初動が遅くなる、というのが残り半分の真実でした。
そして、削ったぶんの情報量はAIに任せていい。商談議事録は「美しく書く」ことが目的じゃなくて、「次のアクションを正確に動かす」ことが目的のはずです。骨格を5分で残して、残りは裏で走らせておく——この役割分担に切り替えてから、僕は商談後の罪悪感をほぼ手放せました。
まとめ
道具を増やして早くするんじゃなくて、道具を減らしてAIに任せる。シンプルですが、これが僕にとっての「5分議事録」の正体でした。テンプレ5種類を手放した日のことを、今もたまに思い出します。
来週は、商談議事録から派生して「次アポ獲得率を上げるフォローメールの型」について書く予定です。
実際にAI議事録を試してみたい方は、Meeting Lensの無料トライアルから:
👉 https://meeting.roy-al.co.jp/
※本記事は Meeting Lens 運営の株式会社 RoyAl と関係があるライター(中村秀太)が執筆しています(関係性開示)。
内容は実体験に基づきますが、関係性をご承知の上ご参考ください。
