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カジュアル面談で3回黙った——業界用語が分からなくて転職を諦めかけた話

# カジュアル面談で3回黙った——業界用語が分からなくて転職を諦めかけた話

「ARR ベースで見ると、去年の Q3 からの伸びがけっこう面白くて」

3年前の春、僕が初めて SaaS スタートアップのカジュアル面談を受けたとき、画面の向こうの事業責任者がそう話し始めて、僕はまず最初の 30 秒で詰みました。ARR が何の略かも分からない。Q3 が会社の決算月から数えるのか、暦の四半期なのかも分からない。けれど面談は止まってくれない。とりあえず「なるほど、面白いですね」と相槌を打ったのが、僕のその日の最初の嘘でした。

その面談で、僕は合計 3 回、黙りました。正確には、頷きながら何も言えなかった瞬間が 3 回ありました。面談が終わって Zoom を閉じたあと、ノートに走り書きで「ARR / PLG / NRR」と並べて、しばらく天井を見上げていたのを覚えています。

その日の夜、僕は応募予定だった他の SaaS 企業 4 社の選考を、ひっそり辞退しました。「自分にはまだ早い」と思ったんです。今振り返ると、あれは典型的な「諦めかけ」の瞬間でした。

「分かったふり症候群」が、選考を辞退させる


当時の僕は、地方の SaaS スタートアップでインサイドセールスをやっていました。BtoB の SaaS というジャンルにはいたものの、自社プロダクトの話以外で略語に触れる機会はほとんどなく、ARR や MRR が「うちでは月次商談数」と呼ばれていたものだと知ったのは、転職活動を始めたあとです。

転職活動を本格化したのは、ちょうど 30 歳になる前の年でした。事業企画か PdM 側に職種を変えたい。SaaS の事業数値を見て、プロダクトに近いところで仕事がしたい。そんな希望はあったのに、最初の 1 ヶ月で受けた 5 社のカジュアル面談のうち、3 社で僕は「分かったふり」をしました。

具体的にはこんな略語たちでした。

  • ARR(年間経常収益)

  • - NRR(売上維持率)

  • - CAC(顧客獲得コスト)

  • - LTV(顧客生涯価値)

  • - PLG(プロダクト主導の成長)

  • - PMF(プロダクトと市場の適合)

  • - スプリント / バックログ / ロードマップ

今この文章で書き出してみると、どれも 1 行で説明がつく言葉です。でも、面談中にリアルタイムで耳から入ってきたとき、僕の頭は意味の処理に追いつかず、相手の次の質問に備えるのに精一杯でした。聞き返せば「勉強不足だな」と思われる気がして、頷き続けました。

そして、頷き続けた結果、面談後にこう思うんです。「自分は、まだこの業界の入口にも立てていない」。応募リストの企業名に、順番にバツをつけていきました。1 週間で 4 社辞退。これが、僕が転職を諦めかけた一番深い瞬間でした。

転機は、同期の「みんなそうだよ」の一言


潮目が変わったのは、応募辞退の翌週、たまたま大学の同期と飲んだときでした。彼は僕より 2 年早く SaaS 企業の事業企画に転職していて、僕がカジュアル面談で詰まった話を、笑いながら聞いていました。

「中村、それみんなそうだよ。俺も入社して半年は ARR と MRR の違いを社内 Wiki で毎週見てた」

そう言われて、僕は本当に拍子抜けしました。彼は転職活動中、面談前にスプレッドシートに「分からなかった単語」を書き溜めて、毎晩 30 分かけて意味と用例を調べていたそうです。準備期間は 4 ヶ月。覚えた略語は 70 語くらいになったと言っていました。

「分からないのは、勉強不足じゃなくて、まだ触れてないだけ。触れる回数を増やせばいいだけだよ」

この一言で、僕は「諦める」から「準備し直す」に切り替えられました。問題は、僕の頭の出来でも経歴でもなく、用語に触れた累計時間が圧倒的に足りないだけ。それは、転職を諦める理由には全然ならない。

やってみたけど続かなかった2つの方法


同期の話を聞いた翌日から、僕は「分からなかった単語」をスプレッドシートに溜め始めました。同期のやり方をそのまま真似たんです。

ただ、これは 2 週間で止まりました。理由は単純で、面談中にメモを取る余裕がなかった。Zoom 越しの相手の顔を見ながら、相槌を打ちながら、聞いたことのない単語を文字起こしして、あとで意味を調べる——その並列処理が、僕には無理でした。面談後に思い出して書こうとしても、半分くらいの単語は文脈ごと忘れていました。

次に試したのが、SaaS 略語をまとめた note やブログ記事を、面談前に 30 分くらい読んでおく作戦です。これも一見筋が良さそうに見えました。でも実際の面談では、こちらが暗記してきた略語は出てこず、知らない単語のほうが先に飛んできました。「事業企画の組織って、御社では BizOps と分けてますか?」と聞かれて、BizOps が何かが分からないまま 5 秒固まったときは、自分でも笑いそうになりました。

事前学習と事後復習だけだと、「面談中のリアルタイムの壁」は越えられない。これが、2 ヶ月くらい試して分かったことでした。

「面談中に補えればいい」と気づいてからの変化


転職活動を再開して 3 ヶ月目に、僕は発想を変えました。事前にも事後にも頑張ったけど、肝心の「面談中」が空白だったんです。だったら、面談中に補えるものを探せばいい。

ちょうどその頃、SaaS 系の Slack コミュニティで Meeting Lens というツールが話題になっていました。ブラウザ完結で動く AI 議事録なんですが、僕が惹かれたのは文字起こし機能じゃなくて、リアルタイムで出てきた用語をその場で解説してくれる機能のほうでした。

カジュアル面談で初めて使ったとき、相手が「うちは去年から PLG にシフトしてて」と言った瞬間、画面の端に「PLG: プロダクト主導の成長戦略。営業ではなくプロダクト体験経由で顧客獲得を進める考え方」とふっと表示されました。それを横目で読みながら、僕は初めて「あ、なるほど、御社の場合はトライアル設計の主導権がプロダクト側に寄っているということですか?」と、聞き返すことができたんです。

聞き返せた、というのが大きかった。分かったふりではなく、相手の話に乗っかって質問ができた。その日の面談は、それまでで一番喋れた 40 分でした。

もう一つ良かったのは、面談後に文字起こしと用語ログがそのまま残ることでした。あとから「BizOps」「ARR の Net 換算」みたいに、その場で拾いきれなかった言葉を見返して、復習に回せる。事前学習・面談中・事後復習の 3 段が、ようやくつながりました。

Meeting Lens はオンデバイス処理で音声が外に出ない構成なので、面談相手から「録音してますか?」と聞かれたときも、ブラウザ内で完結している旨を説明できて、特に止められたことはありません(念のため、毎回冒頭で「議事録ツールを使わせてください」とは伝えるようにしています)。

Before / After


ツールを使い始める前と後で、数字で並べるとこんな感じになりました。

| | Before | After |
|---|---|---|
| カジュアル面談での「黙る回数」 | 1 面談あたり 3〜5 回 | 1 面談あたり 0〜1 回 |
| 面談後に「辞退しよう」と思う頻度 | 5 社中 4 社 | 8 社中 1 社 |
| 用語調べに使う時間(週) | 約 3 時間(疲れて続かない) | 約 40 分(振り返り中心) |
| 面談で逆質問できた数 | 平均 1 個 | 平均 4 個 |

特に「逆質問の数」が変わったのは、自分でも意外でした。用語が分かるようになると、相手の話の中で「ここ気になる」というポイントが拾えるようになる。当然のことなんですが、用語の壁があるうちは、逆質問する余裕すらなかったんです。

最終的に、僕は転職活動 5 ヶ月目に今の会社から内定をもらい、事業企画 / PdM のポジションに移りました。入社後の最初の会議でも、Meeting Lens は引き続き使っています。社内独自の略語(プロダクト名の略称や社内システム名)は、用語解説では拾いきれないので、それは別途社内 Wiki にメモを取りながらキャッチアップしているところです。

同じところで諦めかけている人へ


転職活動中に「自分にはまだ早い」と感じている人に、僕から伝えたいことが 1 つだけあります。

「業界用語が分からない」は、転職を諦める理由にはならないです。それは、勉強不足でも、経歴の不足でもなくて、ただ単に「触れた回数が少ない」というだけの問題です。触れる回数は、ツールでも、コミュニティでも、社内 Wiki でも、後からいくらでも増やせます。

僕がカジュアル面談で 3 回黙ったあの日、もし応募を全部辞退したまま転職を諦めていたら、今の仕事はありませんでした。あのとき辞退した 4 社のうち 1 社には、半年後に応募し直して、最終面接まで進みました(最終的にはご縁がありませんでしたが、面談中に黙ることはもうなかったです)。

分からない言葉が出てきたら、その場で補える仕組みを作る。それだけで、転職活動の景色はけっこう変わると思います。

まとめ


業界用語の壁は、転職活動を諦める理由にはなりません。事前学習と事後復習だけだと面談中の空白が埋まらないので、面談中にリアルタイムで補える仕組みを 1 つ持っておくのが、僕にとっては一番効きました。

実際に AI 議事録を試してみたい方は、Meeting Lens の無料トライアルから:
👉 https://meeting.roy-al.co.jp/

来週は、転職後の最初の 1 ヶ月で僕が社内用語のキャッチアップにどう向き合ったかを、別の角度で書く予定です。




※本記事は Meeting Lens 運営の株式会社 RoyAl と関係があるライター(中村秀太)が執筆しています(関係性開示)。
内容は実体験に基づきますが、関係性をご承知の上ご参考ください。

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