2025年73冊目「日本人拉致」
北朝鮮による国家犯罪を、被害当事者自身が24年の沈黙を経て初めて明らかにした闘いの記録
蓮池薫さんは1987年、大学3年の時に恋人とともに拉致され、24年後の2002年に帰国するまで体験した極限の世界を、本書で初めて明らかにしています。
拉致被害者自身が執筆した記録として、思想教育の実態、マインドコントロール、北朝鮮が「死亡」とした他の拉致被害者の真相など、生々しく、かつ極めて科学的な視点で綴られていることが、本書の大きな価値です。
蓮池さんは、拉致当初、工作機関の幹部からの誘いを受け、「北朝鮮人を工作員に仕立てる」という恐るべき狙いで思想教育を受けたこと、自らに課された日本語教育や翻訳業務、朝鮮労働党主導の洗脳プロセスの構造などを、淡々かつ克明に描写しています。
また、北朝鮮の「8人死亡」という報告については、根拠のないデタラメだと論破し、日本政府が見落としてきた政治的歪みを厳しく指摘しています。
帰国後も、被害者家族や拉致問題が風化していく現実に危機感をもった蓮池さんは、ついに「沈黙から声を」上げる決意を固めたとインタビューでは語っています。
この本は、政治的な議論を超える普遍的な人権擁護の物語であり、「政府が動かなければ」「風化する前に伝え残したい」という蓮池さんの覚悟の本です。
行方不明となった人々への想い、帰国した一人としての責任、そして時間が刻一刻と失われていく現実。そうした象徴的な重みを帯びた記録として、多くの人に読まれてほしい一冊です。
おすすめの読者
・拉致問題の真相を当事者の視点から学びたい方
・人権や国家犯罪に関心を持つ社会人・教育関係者
・忘れられつつある歴史を後世に伝えたい方
▼おすすめ書籍をまとめています。よかったらご覧ください。
▼PIVOTに出演しました。それぞれ30分で、二倍速でもわかるので、良かったら見てください。
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