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月見バーバー
ーのびましたね。
ー忙しいんだよ。気がつくとこんな感じになって、予約がすぐには取れないから、こんなことになる。
ー先に決められたらいかがです?
ー予定がたたないんだよ。土日もなんやかやで出かけることが多い仕事だから。
ー大変ですね。
ーどのくらいの頻度で来たらいいのかな。
ーまあ、月に一度は。
ーなかなか時間取れないな。
ーあ、夜。いいっすよ。
ーだって、営業時間外だろう。
ーちょっと、ありましてね。お客さんの髪の毛、すなおなんすよね。研修生が取り組むのにちょうどいい感じで。あ、もちろん私が仕上げはします。お代はいただきません。
ー月に一度ね。
ーあ、こういうの、どうです。満月の晩、カットするっていうのは。
ー風流なことをいうね。
ーこの席から、鏡越しに、月、綺麗にみえるんすよ。
ーへえ。なんか、いいじゃないか。
そう言う経緯で、月夜にカットをしてもらうことになった。もちろん曇の日もあるけれど、空が澄んだ夜には、鏡越しに月がきれいに見えるので、私は勝手に「月見バーバー」と名付けている。
