合格奇岩
現役の受験生と見たが、やはりそうか。志望校であるわが大学に下見にきたのだな。いや、怪しいものではない。ほら、学生証、2回生だ。
並べてある、石か? 奇妙な形をしているだろう? これにまつわる伝説を聞いたことはないか?
どうしても現役で入りたい。浪人はしたくない。そういう場合、この奇石に願をかける。条件はただ一つ。願い通り現役合格した場合は、わが大学のサークル、「奇岩クラブ」に入ること。
クラブの語源は、アルセーヌ・ルパンの「奇岩城」からきている。何をやるか? 世の中を正すため、コンゲームを仕掛けている。だからといって、ここで、この石を売りつけたりしたら、それはペテンだ。金はいらない。
考えてみてほしい。天満宮には、ほぼすべての受験生が祈願をする。差はつかない。ところがどうだ。君は、今日ここで僕に出会ったことで、奇跡のチャンスを手に入れることができる。
どうする。運命の変わり目となる、この石。受け取って願をかけてみないか?
