トイレットペーパードライバー
言っておくが、運がつく話ではない。
依頼を受けるだろ。まずは飛ばす。どこまで飛ばすかというと、イスタンブールまで飛ばす。今回の案件には、そこまでのドライブが必要だから。
とんまな息子を持った金持ちの親は大変だ。こんなことに、大金を払わないといけないのだから。
女を説得する。どこで? もちろん、トプカピ宮殿で。そこに何があるか? ハーレムだ。正確には、ハーレムの跡。話すのは、スルタンと王妃たちの悲しい物語。日本人が源氏物語を読まなくなったから、光源氏の物語より、異国のスルタンの方が響くってのは、皮肉なもんだ。
女は納得する。金を受け取ったら、こちらのものだ。イスタンブールまでドライブさせた甲斐があったというものだ。
俺はサバサンドを食べる。あと、壷焼きケバブを。チャイはうまい。トルコはパンもうまい。地元のビールを飲む。
日本に連絡をすれば、金が振り込まれる。
俺の商売?
もちろん、尻拭いである。但し、ウンがつく話ではない。
