47番『橋と世界』

 人の歴史の中では、極めて短い期間ですが、橋が魔法だった時期は確かにありました。
 橋をかけられる幅がどの様に変化していくのか、橋の歴史は、これが技術や工夫の領域になってからの方が圧倒的に長いので、橋と魔法の関係は、わずかに橋の下に潜む鬼や妖怪たちの気配にだけ留まっていますが、実際このことを、橋が持つ何かが今は失われ、忘れられてしまっている証拠として扱うべきです。
 技術によって発見される本質がある様に、技術によって失われる本質があることも忘れてはいけません。
 ゴールデンゲートブリッジの建設で知られるジョセフ・シュトラウスは、どうやら失われた橋の本質に気づいていたのではないかと考えられています。
 ジョセフ・シュトラウスが橋のデザインにもたらした革新的な発想はもちろんのこと、ゴールデンゲートブリッジのある場所に、小さなトロル避けの呪いが刻まれていることも、最も象徴的な事実といえます。
 ゴールデンゲートブリッジについては、建設までの経緯や、完成後のエピソードも含め、様々なことから世界の法則そのものの気配を見てとることができます。

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