39番『海底の宝物』
世界の西南に位置する海の海底に沈んでいる宝物の地図には、常に人を東北に誘う仕掛けがされています。
世界が徐々に辺境と中心を失っていき、世界の西南、世界の東北という場所自体が世界から失われても、地図は明らかに世界の西南に宝があると示し、地図を見る人の道を正しく東北に誤らせようとするのでした。
この地図は様々な時代の様々な場所で制作されて世の中に出回っていますが、大英博物館の元になったハンス・スローンのコレクションの中にも、多くの地図が残されています。
海底について、考えられないほど詳細に描かれたものや、正しい道をいけば夢に見るであろう鮮やかな象の形状や色彩がわかる様に描かれた地図などがあります。
大英博物館には、有名無名を問わず、この宝の地図は概ね収蔵されていると考えられています。
あまりに多くの形式の地図が存在するため、この地図に描かれた宝はすでに発見されているか、地図は地図を描くこと自体が目的に制作されており、宝は最初から存在せず、宝の位置を示すことが地図の本質ではないという意見もあります。
しかし、多くの冒険家が宝を探して旅に出たことは確かで、新大陸が発見されて以降も時折、探検隊が組織されていたことが記録されています。
スローンのコレクションの中には、この地図を使い宝を探すための手引き書も多く残されています。手引き書の中には長い旅の途中でも作ることができる、肉の保存食の作り方についてのレシピの本もあるそうです。
