42番『巨人たちの儀式』

 その大河は、夜明けの時間に渡り始めないと、どうしても陽の高いうちに対岸に到着することができません。
 日の長い季節は流れが強く、渡るのに時間がかかり、日の短い季節は流れが穏やかで、なんやかんやで帳尻が合うのでした。
 この大河のあちらとこちらの交易は昔から盛んで、季節による流れの変化は、日の長さと同じくらい当たり前のことの様に考えられていましたが、本当はこの大河の上流には、三人の巨人が住んでいて、それぞれの目的で川で何かをしている影響が、下流に出ているのでした。
 巨人たちは、何かの契約に縛られて、非常に緻密で儀式的な暮らしをしており、これが元になって大河の流れに影響をおよぼして、当たり前でも何でもない、思わぬ出来事のきっかけになったりもしています。
 ただ、誰もその関係に気づくことがなく、やがては巨人たちも、自分達を縛っていた契約から解放され、地上から去っていくことになり、秘密は永遠に明かされないのものになりました。
 この大河の季節による流れの変化は、実は巨人たちの日々の儀式の名残が世界に刻まれたことが原因です。

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