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ラスピ・RUIの最後の言葉が、今も頭から離れない


手が届かなくて、悔しくて涙を流したの、いつだったろう。

そもそも涙を流すほど叶えたい夢なんて、思い描いたことあったかな。


9月19日に全プログラムを終えたBMSG主催のオーディション『THE LAST PIECE(=ラスピ)』の余韻から、抜け出せずにいる。



BMSG主催オーディションとの出会い


私がBMSGの会社やアーティストに出会ったのは、2年前。
仕事のご縁があり、BE:FIRSTを誕生させたBMSG最初のオーディション企画『THE FIRST(=ザスト)』を観たのがきっかけだった。

オーディション番組といえば、虹プロとか日プのイメージがあったから、練習生や参加者にこそ感情移入するものの、主催者や審査員のほうにはどこか距離を感じていて、神様というか、すべての命運を握る絶対的な存在みたいな感覚で見ていたような記憶がある。

だからザストを観始めたころは、「この社長、めちゃくちゃ自分の想い語るな」「これオーディションじゃなくて、社長フォーカスのドキュメント番組なのでは?」と、違和感を抱かずにはいられなかったのが本音だった。


ザスト参加者の中に、当時はまだ中学生のRUIやTAIKIがいた。
RUIは見た目普通の中学生って感じで垢が抜けてなくて、TAIKIは声変わり前のかわいらしい声。
20代の参加者もいる中で、クリエイティブ審査や合宿審査で結果を残し続けている彼らはめちゃくちゃ異質に見えた。

「確かに歌もラップもえげつないし、ダンスも周囲と遜色ないけど、こんな子どもに本当にアーティストデビューなんてできると思ってるの……?SKY-HI、何を考えているんだ……?」

きっとリアルでオーディションを追っかけていたとしたら、一視聴者としてそんなことを考えていただろうな。


結果的に、ザストで残った7人が現在のBE:FIRSTのメンバーになったわけだけれど、惜しくも敗退してしまったVSプロ審査の結果発表後に、RUIはその7人の誰よりも先にトレーニーとしてのBMSG所属を勝ち取った。

14歳の男子中学生に、トップアーティストであり会社の社長であるSKY-HIが手書きの誓約書を用意して、どうかトレーニーになってくれないかと口説き落としている様子は、やっぱり異質だった。

でも、いつも多すぎるほどの言葉を重ねて、慎重に慎重に相手に想いを伝えようとするSKY-HIが、あんなにも言葉に詰まりながらRUIを脱落させた理由を語り、そのうえで「もしよかったら……」とアタックする姿に、「私や他の誰かには見えないヤバすぎる将来性を、RUIの中に見つけてしまったんだろうな」と、ふんわりと悟った。


何もかもがこれから、という段階の芸能事務所に、ひとり迎え入れられた才能。
その後TAIKI、2年後の『MISSION×2』ではKANONも加わり、まだトレーニーにも関わらず、楽曲制作やパフォーマンス、フェスなど大きなステージ出演の経験を積み重ねてきた。


4年間、夢に焦がれ続けた


この4年で、BMSGはめちゃくちゃでかい事務所に成長したというのは、きっと誰が見ても一目瞭然じゃないかと思う。
大型オーディション番組を開催すればSNSには熱狂が巻き起こり、BE:FIRSTやMAZZEL、HANAなどのダンス&ボーカルグループやソロアーティストを続々輩出、単独ライブだけでなく野外フェスでも多くのファンを増やしている。

でもそんな中、誰よりも最初に事務所に所属するという偉業を成し遂げてはいるものの、なかなかデビューという日の目を浴びることができなかったRUI。
彼の当時の心境に思い馳せると、ちょっといたたまれないような気持ちになってしまっていたのも正直なところだ。

だって、自分はずっといるのに。
新しい才能と出会ってばかりで、ずっと努力を重ねてきた自分には、なかなかチャンスが巡ってこない。
そりゃ、MV制作とか持ち歌とか、活躍の場はたくさん用意してくれてるだろうけどさ。

「なんだ、口約束だったんじゃん」「俺、これからどうしたらいいだろ」
そんなふうに思ってしまっても、仕方ないんじゃなかろうか。

高校2年生。
学校に通っていたら、周囲からは進路の話だって日常的に耳にするようになるだろう。
RUIはBMSG所属前からモデルをやっていたらしいけれど、芸能界という明らかに周囲とは違う道を目指していて、「このままでいいのだろうか」と迷うことはなかったのかな。


でもラスピを観ていたら、そんな心配は杞憂だったことに気付かされた。
トレーニー第一号なのだから、正直2次審査の段階で脱落することなんてあり得ないと思ってしまうけれど、RUIには(および他のトレーニーも)その慢心が一切見当たらない。

そして審査のたびにRUIが言っていた、「音楽が大好き」「音楽ファースト」「音楽って素晴らしい」という言葉の数々。
見返してみると、ザストのころからずっと音楽へのリスペクトは変わらずに貫いていたことが伝わってきた。

ザストの2次審査の段階で、「まずは日本で、そして世界で活躍するアーティストになりたい」とよどみなく語っていたRUI。
環境がどんなに変わっていっても、音楽に対する姿勢も、夢への熱意も、4年前から何も変わらず、むしろどんどん加速していたのだと思い知らされた。


私も全力で素敵な人生を送りたい


RUIって、なんでこんなにぶれないんだろう?
なんでこんなに変わらずに走り続けられたんだろう?

その疑問に答えをくれたのが、STARGLOWのメンバー発表の際に最初に名前を呼ばれたRUIがこぼした、この言葉だった。

「自分の人生がこんなにも素敵なものでいいのかなというぐらい、日高さんとの出会いは自分の人生でこれから先も絶対に1番の宝物」


あぁ、そうか。
夢を本気を叶えようとする人生は、自分が想像する以上に素敵なものになっていくんだ。

うまくいかないと感じる日も、もちろんある。
自分の弱さや足りなさに、悔しくなる日もたくさんある。

でも、そんな日々もすべて後退ではないから。
夢に向かって努力する日々は、確実に積み上がっていくもので、なくなってしまったり失うことはないんだ。

だから、RUIは絶対にブレなかった。
自分を信じられた。
今やっていることすべてが、自分の夢や未来につながっていくって、確信できていたから。


自分を振り返ってみると、4年前に文章を書くことを仕事にしようと思って、専業主婦なのに貯金をはたいてWebキャリアスクールに入って。
一応、その目標は2年後にかなえていた。

でも、この先どこに進みたいのか、わからなくなって。
漠然と目の前のことを進め続ける日々に、謎の焦りと不安を覚えるようになった。

いや、本当はわかっていたんだけど、目を背けようとしていた。
行きたいところは明確だったのに、気づかないふりしようとしてた。
あきらめてしまった時、自分のことを嫌いになってしまうのが目に見えていたし、周囲からも呆れられるのが怖くて。

でも、夢をあきらめるのも、途中で手放すのも、全部自分次第。
夢を叶えるまでの過程って、どんなに時間がかかったとしても、それはすべて積み上がっていくものでしかなくて、失うものなんてないんだ。


「4年前は悔しい思いをしたと思うんだけど、結果としてそこからの4年間、あなたの過ごし方で、それを全部正解にしてみせた。」
「『あれがあったから今の僕があるんです』って言葉をよく聞くけど、今のあなたが言うことほど説得力があることは、そうそうないです」

SKY-HIがクリエイティブ審査のときにTAIKIに言った言葉。

自分がどう過ごすか、夢に向かっていかに誠実でいられるかで、過去の悔しさ、もどかしさは全部正解に変えられる。
それを、ラスピ出演者全員が教えてくれた。


叶う保証はない。
でも、何もしなければ一生叶わない。

「あの日があってよかった」
「あの日の私が、私の人生をこんなにも素敵なものにしてくれたんだな」

数十年後、そう思って笑っていられるように、今日も私は書き続ける。

STARGLOW、プレデビューおめでとう!


ラスピ関連エッセイ:


Webメディア「CORE Lab.」にて、エッセイを執筆させていただきました。

このnoteでは触れていないラスピのエピソードにも触れているので、ぜひ合わせてご一読ください……!


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