「オリーブの木と泣き虫な太陽」
オリーブの木は、困っておりました。
太陽がえんえんと泣き止まず、誰も彼もがびしょ濡れになっていたのです。
オリーブの木の下でみんなが雨宿りをするものですから、ギャーギャーキーキーモーモーピョンピョン混雑していました。
猿のドーとミミコは、初々しいカップルです。
ミミコに他のオス猿が近づこうものなら、キーギャギャッと歯を剥き出しにして叫びます。ミミコはそんなドーを宥めつつも、なんだか嬉しそうにしているのでした。
そんなカップルが、他の動物たちと木の下でぎゅーぎゅーと詰め込まれているのですから、大変です。
何が大変って、もうそれはそれは竜巻が起こるんじゃないかってくらい、ドーがミミコの周りを走り回るのです。
何にもしていない兎のコタロウがドーに噛まれそうになったり、牛のモータの尻尾がミミコに触れたか触れてないかで揉めたり。
オリーブの木が太陽になぜ泣いているのか聞いても、泣き虫な太陽はただ泣いているばかり。
仕方がないので、悠々と広がっている空に聞いてみることにしました。
「広大な空よ、雄大な空よ。どうか教えてください。なぜ、太陽は泣き続けているのでしょう。
私たちのこの有り様を見てください。もう、どうしたら良いかわからないのです」
すると、空から大きく揺れた声が返事をしました。
「そ〜さの〜こまったの〜。太陽はの〜、逆立ちして〜戻れなくなって〜しまったみたいだの〜。空に〜お主たちの国が〜落ちたと思った〜みたいだの〜」
ああそういうことか!とオリーブの木は枝をポンっと叩きました。
確かに、太陽の顔がくるりと下を向いているようです。
「輝く太陽さん。煌めく太陽さん。あなた、空に落ちた国だと思ったのですね。そんなわけ、ないじゃないですか。大丈夫、この音を聞けば元に戻りますからね」
オリーブの木は、そばに落ちていた石を牛のモータに踏んでもらって平らにしました。
そして、その石を兎のコタロウにぴょーんっと、高いところにある枝に届けてもらいました。
最後に、四本の枝を猿のドーとミミコに渡すと、それ叩けと伝えました。
ドゥーンパン カーンキン ドゥーンペン コーンキン
それは、世界のはじまりの音でした。
その音を聞いた太陽は、背筋をピーンと伸ばしたものですから、くるりんといつもの向きに戻ってまいりました。
泣き虫な太陽はもういません。
快晴に恵まれた国に、オリーブの木と動物たちはいつもの日常に戻っていくのでした。
ああそういえば、名乗っていませんでしたね。
私はオリーブの木。名前は、オールリー。よろしくお願いしますね。
それからそれから、消えない手紙についてまた話しそびれてしまいましたから、今度また遊びに来てくださいな。それではまた。
片桐みかんさんの#3つのお題に空想のひらめきを 【第47回】に参加いたします✨
ゆっくりと、また書かせていただきます🙇
お題:「空に落ちた国」「世界のはじまりの音」「泣き虫な太陽」

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