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mitsuruamano
「未完全人間」
あなたのことを人間だと思ったことはない。そう言われても誰も喜ばないと今の今まで思っていた。
けれど、目の前の男はそう吐き捨てられても、顔が笑っているのだ。
とても信じがたい光景で、私は近づいてその男の表情を観察しようと思った。
一歩。二歩。三歩。
私の足音に合わせて、その表情を崩すことなく、ジリジリと下がっていく。
全く、近づくことができない。
私が走れば、男も走る。
私が止まれば、男も止まる。
こうなったら昔ながらの戦法で、近づくしかない。
「あっ!」
男は私の人差し指と顔が向く方を、まんまと振り返る。
私はこの隙を逃すまいと、全速力で走った。
走る。走る。走る。
風を切る音に気がついたのか慌てたように男が向き直ろうとした。でも、もう遅い。私が眼前に迫っていたことに驚いたようだ。
ああ、なぜ。
男の目は大きく開き、口はポカンと開いていた。私と目が合い、しばらく見つめあっていた。
「ねえ、なんで表情崩しちゃったのよ〜。何しても笑顔を崩さないって言ったじゃん!」
「いやいや無理でしょ。急に目の前に来たら、そりゃ驚くよ」
「えー」
「あとさ……”人間だと思ったことない”は酷くない?思わず、歯食いしばっちゃったよ」
「え?じゃああれって、笑ってたんじゃないってこと?」
「まあ、そうかな」
「えー」
甘野充様の「アマノ文筆クラブ」に参加させていただきます!
甘野書店にも来てねー!!
それではまた、お会いしましょう(^^)
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