母親だって疲れる。でも、それは息子のせいじゃない
「ママになれて幸せ」と思う毎日
私は、小さい頃から「お母さん」になるのが夢でした。
息子が生まれてきてくれて、大変なことはもちろんありますが、それ以上に、息子と過ごせる時間は何物にも代えがたい幸せです。
親バカフィルターを承知で言えば、公園で息子が摘んでプレゼントしてくれた花を片手に、もう一方の手を繋いで散歩する時間は、まるで映画のワンシーンみたいに美しくて、胸が熱くなります。
添い寝じゃないと寝られないところも、正直大変ではあるのですが……。
それでも、くっついて眠る息子の寝息を聞いていると、
「ああ、今日も頑張ってよかったな」 と、心の底から思うのです。
「ママじゃないとイヤ~~!!」
そう泣き叫ぶ息子を抱きしめて、私の腕の中でスッと落ち着く瞬間。
「ああ、私、ちゃんと“ママ”ができている」
そんな幸福感に、どっぷり浸る日もあります。
「生まれてきてくれて、ありがとう。」
「ママはあなたのママになりたかったの。」
「あなたのママになれて本当に幸せだよ」
毎日、何度も抱きしめて伝えています。
息子はふざけていて、伝わっているのかは分かりませんが、それでいいと思っています。
離婚をして、この子が最初で最後の子どもになる可能性は高いです。
だからこそ、一瞬一瞬を慈しむ余裕があるのかもしれません。
でも――。
そんな“きれいごと”だけでは終わらないのが、子育てのリアルですよね。
限界の夜、溢れた怒声
息子が発熱してしまいました。
ひどい咳と嘔吐。
連日の看病。
深夜の検温に、嘔吐物の処理、水分補給。
咳き込むたびに背中をさする夜――。
慢性的な睡眠不足が、じわじわと私の心を削っていきました。
そして、どうやら私にも移ってしまったようです。
熱はないものの喉は激痛で、鼻水は止まらず、体は鉛のように重い状態でした。
そんな中、当時2歳の息子は「なんでも自分でやりたい」期の真っ最中。
体調が悪いこともあって、機嫌も最悪です。
シロップの薬を「自分で飲む」と言い張って聞きません。
「ここぼすから、ママと一緒にやろう?」
という私の提案は、激しい「イヤイヤ」ではね返されてしまいました。
そして、案の定――。
薬が床にこぼれた瞬間、私の中で何かがプツリと切れました。
「お薬大事なの!ちゃんと飲まなきゃダメでしょ!ほらやっぱりこぼしたやん!」
静まり返る部屋に、自分の怒鳴り声が響きます。
その声に、一番びっくりしていたのは、たぶん私自身でした。
息子は一瞬、石のように固まり、次の瞬間には火がついたように泣き出しました。
「ああ、やってしまった」
イライラが収まらない自分と、押し寄せる後悔。
私は一旦その場を離れ、部屋の中をぐるぐる歩き回りました。
「ママ~だっこ~~~」
泣きながら寄ってくる息子を、すぐに抱き上げました。
「ごめんね。大きな声出して、ごめんね。びっくりしたよね」
「あなたは悪くないよ。自分でやりたかったんだもんね」
「ママね、風邪をひいて疲れちゃって、イライラしてたんだ」
抱っこしたからでしょうか。
それとも、声のトーンが戻ったからでしょうか。
息子は驚くほどケロリとして、残りの薬を飲んでくれました。
その柔らかさに、今度は私が救われる想いでした。
少し落ち着いてから、私は息子にこう甘えてみたのです。
「ママも人間だから疲れちゃうの。」
「でもね、ママが疲れたのは、あなたのせいじゃないよ。」
「ママが疲れているときは、優しくしてくれると嬉しいな」
当時2歳の息子に、すべてを理解するのは難しかったでしょう。
それでも伝えたかったのです。
親だって疲れる。
でもそれは、あなたのせいじゃない。
そして、疲れている人がいたら、そっと寄り添える人になってほしい、と。
母親だからといって、いつも穏やかでいられるわけではありません。
シングルマザーである前に、私は一人の人間です。
限界もありますし、余裕もなくなくなります。
正式な答えなんてないけれど、怒鳴ってしまったあと、ちゃんと抱きしめる。
それだけは、手放したくないと思っています。
完璧じゃない母ちゃんだけど
ママと息子の二人三脚は、まだまだ続きます。
親子関係に正解なんてありませんが、私は、息子にとって「自分の素をさらけ出せる、安心できる場所」でありたいです。
そのためには、まず私自身が、息子にありのままの自分を見せることから始めようと思っています。
完璧な「理想のママ」には、とてもじゃないけれどなれそうにありません。体力にも気力にも限界はありますし、愛していても、イライラして爆発することだってあります。
でも。
それでも私は、息子を愛しています。
怒鳴ってしまったけれど、ちゃんと抱きしめました。
謝りました。
伝えました。
それで、今は十分だと思っています。
いつか思春期になって、口もきいてくれなくなるかもしれません。
それでもいいです。
「ママ、ママ」と求めてくれる今この瞬間を、泥臭く、大切に積み重ねていきたいです。
完璧じゃない母ちゃんですが、それでも、息子のママでいられる毎日は、たまらなく幸せです。
私の自己紹介はこちらに書いています。
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