見出し画像

AIに3年分のカレンダーを読み込ませて、夫婦の育児割合を集計してみた

起業家とテレビマンの共働き(激務)夫婦の話

我が家は、スタートアップ起業家/経営者(私)とテレビマン(夫)の共働き夫婦。こどもは2人。朝起きてこどもの支度をして小学校と保育園に送り出したら基本出社をして、育児担当の方が18:00に帰宅。その後ごはん、お風呂、寝かしつけをしたあと、遅い時は深夜までまた働く。お互い1日12〜16時間くらい働いている。

私が起業するまでは、ほとんど私が育児を担当していたが、起業してから1年後心身ともに限界を感じるタイミングもあり夫婦で話し合い。幸い理解のある夫は心を入れ替え、特にここ数年は夫の育児参加が明らかに増えてきた。朝の準備、保育園の送り迎え、夜の対応。前と比べたら、すごく分担できているはず。

・・・と、頭では理解している。
それでも、ふとした瞬間に「あれ、私の負担多くない?」というモヤモヤが胸に湧く。同時に、「いやいや、最近の夫はめちゃくちゃやってくれているのに、こんなふうに感じるのは申し訳ないかも」とも思う。
この感情が自分でも処理しきれず、不毛な「やってる/やってない」論争を脱出したくて、データを取ってみることにした。

すべての予定が詰まったカレンダーをAIに読み込ませてみた

黄色が妻、グレーが夫のスケジュール

直近3年間 (2023年5月〜2026年5月)の、夫婦それぞれのGoogleカレンダーを全部読み込ませて、判定ルールを置いて集計した。

・計上時間帯は7:00〜21:00 (こどもの起床時間帯, 1日14時間)
・妻カレンダーに「ワンオペ」「育児」と書かれている時間 → 妻ワンオペ
・夫が会議・収録・放送・仕事のブロックを入れていて、妻に予定がない時間 → 妻ワンオペ
・日中予定が入っている場合は両者仕事中扱い にして、
 ワンオペにはカウントしない (両親とも仕事のときは保育園にいるため)
・妻が会食・出張など夜に外出していて夫に予定がない時間 → 夫ワンオペ
・妻が泊まりがけ出張等で物理的に家にいない日
 → 平日昼は保育園扱いにして、それ以外を夫ワンオペ全計上
・妻/夫のカレンダーに「休み」と書かれている日 → 家族時間

「夫が仕事中だが妻にも予定がある時間」をワンオペにカウントしない、という点はかなりフェアにしたつもり。リアルな数字が知りたかった。

結果。すごい。

「最近すごく分担できているはず」という私の体感は、ある意味では正しかった。直近1年は前の2年と比べて、妻ワンオペが23%減少し、家族で過ごす時間は倍増していた。夫の頑張りは確実に成果として出ている。
それでも、年間800時間超。3年で2,877時間。

こんなに数字が正確に出るともはや気持ちがいい。
こんなに「やってもらっている」感覚があるのに、
私が5.7倍も育児しているという衝撃。
3年前に比べれば、かなり時間は減少している。
家族時間が2倍に!
夫の休みが増えた証拠であり、とてもいいこと!
夫の仕事柄、木曜日は空けられることが多い。それもわかるのか。

数字よりも大きな気づき

数字も衝撃だったけれど、私が本当にハッとしたのは、自分のバイアスに気づいていなかったこと。

  • 私は、育児をしていないと「夫にやってもらっている」と感じる。

  • 夫は、育児をしていると「自分がやっている」と感じる。

そもそも自分で言うのもなんなのだが、私は一般的にみて「ぶっ飛んでいる」部類に入るとよく言われる。こどもふたり育てながら一番忙しい時に起業もして、数億円のエクイティ調達をしてガンガン働く。一般的な常識やルールは気に留めないし、我が道をいくタイプ。

こんな私でさえ、自分が育児をするのは「普通」、夫が育児をすれば「やってもらっている」になる。

これは、どちらかが悪いということではなく、性別バイアスなのかもと思わざるを得ない。社会には今でも「お父さんが子どもの面倒を見るのは、えらい・素敵」という空気がある。お母さんが同じことをしても「当然・普通」として処理される。そのバイアスが、社会だけじゃなく、自分自身の中にもしっかりあることに正直びっくりしてしまった。

育児をデータで語ることの大切さ

そもそもデータを取った目的は、夫を責めることでも育児時間で勝つことでもない。自分の中にある「なんとなくのモヤモヤ」をどう扱えばいいかわからなくて、客観的な指標が欲しかった。結果として、感情がいくつか整理できた。

ひとつめ。
私の体感は間違っていなかった。 年間800時間、4時間以上のワンオペが80日以上。自分の疲労や分担へのモヤモヤの原因が明確になる良い機会になる。

ふたつめ。
夫の貢献は確実に増えている。 直近1年は前の2年から大きく改善している。彼の努力は具体的に数字として表れている。これは、ちゃんと「ありがとう」と思いたい。

みっつめ。
私のバイアスも見える化できた。 「やってもらっている」と感じてしまう私の感覚は、完全なるアンコンシャスバイアス。今後は、夫の育児を「やってもらっている」じゃなく「一緒にやっている」と捉え直したい。

よっつめ。
夫のバイアスも、データで共有できた。 「自分はやっている」感覚と実態のズレを、責めるんじゃなく数字でフラットに共有できる。これは大きい。

さいごに

これは特殊な感覚かもしれないが、経営者である私は、家庭も事業部のうちのひとつだと捉えている。ここ数年は夫を「部下」から「共同経営者」にランクアップさせるための試行錯誤を、地味にずっと続けてきた。

そのうちの施策(笑)ひとつが、 家事・育児をデータで語ること

感情のままぶつけても、相手にも正義がある。だから、議論がただの平行線になってしまう。でも数字を一緒に見れば、議論が驚くほど落ち着く。「私が大変と感じているのも事実」「あなたが頑張ってくれているのも事実」、その両方が同じ数字に表れる。だから、お互いの事実をちゃんと認めたうえで、次の話ができる。今回のスケジュールの可視化は思った以上の「事実」としていい議論材料になりそう。

正直、数字を出したからといって、今日明日で私の負担がものすごく減るかというと、そんなに簡単な話じゃないけれど。

それでも今回、お互いが「びっくりした」という現実を受け止めて、家庭をもう一段、進歩させていけたら嬉しい。📝

いいなと思ったら応援しよう!