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「え、結婚式まであと24時間もないのに、ブーケもグローブもコルセットも届いてないんですか!??」

春になると思い出すことがあります。それは、強くなり始めた沖縄の日差しの中で挙げた結婚式のこと。


2014年3月22日。もう10年以上も前ですが、私は春の沖縄で結婚式を挙げました。

日差しも海も風も穏やかで、春の沖縄ウエディングめちゃおすすめ

当時まだできたばかりの、眼の前に海が広がるチャペルでの結婚式。柔らかくて暖かい日差しと、穏やかで透き通った海を背に送り合う誓いの言葉。純白のウエディングドレスの裾をたくしあげながら、裸足で浜辺を歩いて撮影。大切な人たちに見守られながら、大好きな色のカラードレスを着て開催したパーティ。

今思い出しても、最高に幸せだったし楽しかった。それは間違いない。

でも、「幸せだったなぁ」「楽しかったなぁ」よりも先に、「人生で一番胃が痛い一日だったなぁ」って思う。なぜなら、

結婚式当日に、用意していたブーケも花冠もグローブもコルセットも届かなかったから!!!!!!


あの日のことを思い出すと、今でもめっっっっっちゃくちゃ胃がキリキリする。胃薬なしでは語れない。

結婚式48時間前

普段、私はあんまり自分の“勘”を信じていません。でも、その日は1日中、なぜかものすっっっっごい胸がざわざわしていました。

私と夫は、普段は埼玉県に住んでいます。私の地元の沖縄で結婚式を挙げるために、結婚式の約1週間前に私はまとまった有給をとり、一足先に沖縄の実家にin。

結婚式はすごくすごく楽しみで、自分なりにこだわって準備をしてきました。

結婚式が終わった後もインテリアとして飾れるように、素敵なお花屋さんでフェイクフラワーの花冠とブーケ、トス用のブーケをオーダーメイドで作ってもらって。ドレスを綺麗に着るために、自分の身体に合わせて補正してもらったコルセットも準備した。

グローブは、「幸せの数珠繋ぎだよ」と言って、先に結婚した友人が譲ってくれた大切なもの。芳名帳だって、「サムシングブルーでかわいいデザインだったから」と友達がプレゼントしてくれたものだった。二次会で着るドレスやタキシードだって、いろんなお店を回って、やっと見つけた私と夫のお気に入りの一着だった。

そういう、ひとつひとつ思いが詰まったものたちをスーツケースに詰め込んで、1週間前に埼玉から沖縄の実家宛に送ったんです。

関東から沖縄は、だいたい2日で荷物が届く。かかっても、3、4日くらい。ましてや1週間もあれば、ねぇ。

なのに、なぜか胸がざわざわする。ニュースでは、首都高の火災による事故渋滞とか、消費税増税(当時は5%→8%になる直前でした)前の駆け込み需要で、物流が大混乱してるって言ってる。

そして、荷物を預けてから4日目。結婚式まではあと2日のこの日も、とうとう荷物は届かなかった。

不安になって、配送業者に電話しようにも、すでに夜も深い時間。問い合わせ窓口はクローズしていました。でも、気になりだしたらもう止まらない。

スマホで「結婚式 荷物 届かない」って何度も何度も検索して。海外挙式でドレスが届かなかった人の体験談は1、2件出てきたけど、国内の話はほとんどない。もちろん、結婚式で荷物が届かなかったときの対処法なんて、どこにも書いてない。調べれば調べるほど、不安は増すばかり。結局その夜はほとんど眠れませんでした。

結婚式24時間前

そして迎えた結婚式前日。ほぼ眠れてなくてうっすら気持ち悪いのに、頭は不気味なくらい冴えている。そして、問い合わせ時間開始と同時に、宅配業者に電話をかけました。

荷物番号を伝えて、「明日結婚式なんですが、今日中に届きますか?」と聞いたところ……。

「現時点でまだ沖縄へ出発できておらず、本日中……いや……明日のお届けも難しいかと……」

多分、もう予想はしていたのよ。ここ数日、ニュースでも毎日のように事故や消費税値上げの影響で、日本各地で配達が大幅に遅延しているって言ってたし。でも、実際にそう言われたらもうパニックでしかない。

つまり、私のこだわりの詰まった、あのブーケも、花冠も、コルセットも。友達から譲り受けた大切な芳名帳やグローブも。二次会のために用意した衣装も。ぜんぶ届かないってこと?

「なんとかなりませんか!?」と食い下がりました。でも、「申し訳ありませんが……」と平謝りされるばかり。

電話を切った後、しばらく呆然と立ちすくんでいました。やばいのは分かるけど、どうしたらいいのかわからない。頭ももう働かない。

そんな絶望の真っ只中、夫が沖縄に到着。私は結婚式準備のために、有給を使って先に沖縄入りしてたんだけど、夫は仕事の都合で結婚式前日の朝に沖縄に到着する予定でした。

空港に着いた夫からの「着いたよ」という連絡に、「どうしよう、ドレスも、コルセットも、お花も届かないんだって!!!」と泣きつきました。

結婚式前日のこの日は、もともとは午前中にブライダルエステ、午後に式場でヘアメイクリハーサルをして。夕方には実家に戻って、家族と夕飯を食べて、ゆっくりお風呂につかって。寝る前には、夫とこれまでを振り返りながら、披露宴で読む両親への手紙を書いて、日付が変わる前には寝る……なんて花嫁らしい計画を立てていました。

でも、もうそんな状況じゃない。ブーケも無ェ!グローブも無ェ!コルセットも二次会の衣装も無ェ!!!!!!!
そんなのエステやリハなんてしている場合じゃないじゃない???キャンセルしなきゃいけないんだけど、どうしよう!!!!何から手を付ければいいんだろう!???ってパニクる私を見て、夫が一言。

「一旦落ち着くためにも、せっかく予約してるんだからまずはエステ行ってきな」

……いやいやいや!あなた、状況わかってる!!!!!!????????って思ったけど、夫に半ば強引に送り出されて、心ここにあらずでエステサロンへ向かいました。

結婚式20時間前。まさかの救世主、現る

エステなんて気分じゃない……って思いながらサロンに入ると、担当の方が私の顔面蒼白&死んだ魚のような目を見て、「大丈夫ですか?何かありましたか?」と声をかけてくれました。

堰を切ったように状況を説明したら、

「わかりました。あなたがエステを受けてる間に、手の空いてるスタッフで、足りないものを今日中に買えたりレンタルできたりするお店がないか探しておきます!だから、安心してエステを受けてくださいね」

と言ってくれたんです。今思い出しても泣いちゃう。

その言葉に安心して、エステ中はもう爆睡でした。疲労と寝不足とストレスで、自分が想像している以上に限界だったのかも。

そしてエステが終わった2時間後。まだウトウトしている私に、スタッフさんたちが「コルセット、ここに電話したらあなたのサイズの在庫があるって!すぐ向かって!」とか、「ウェディング用のグッズや二次会用の衣装なら、ここが種類多いかも!」とか、すごい情報収集して待っていていくれて……!

まず、ウエディングドレスを着るためには、絶対に欠かせないコルセットを買いに、教えてもらったお店に向かいました。お店の人も、私のために時間を空けてくれていて、「大変だったね、でも大丈夫だからね」って、採寸からお直しまで超特急でやってくれて。すでにその日何回目の涙かもうわからない。人の温かさやばい。身にしみすぎてやばい。とにかく、エステに行ってよかった。「式の前日はやっぱりエステ行くっしょ!」って予約した1ヶ月前の私ナイスすぎるし、こんなトラブルの中見送ってくれた夫もありがとうすぎた。

それと同時進行で、式場のプランナーさんにも電話で泣きつきました。「すみません、荷物が届かなくて、私が自分で用意するって言ったブーケやグローブが用意できてなくて……」って。

打ち合わせ中、あんなに「こだわりたいから自分で用意します!」って言ったのに、結局用意できなかった。しかも、結婚式の前日の朝にそんな連絡してるなんて、やばすぎる。正直、「今から用意するのは無理」「自分でなんとかしてください」と言われても、しょうがないよな……と思ってました。でもプランナーさんは、優しかった。いや、優しいどころじゃなかった。

「ブーケもグローブもなんとかします!もちろん、憧れていたっておっしゃっていた花冠も!ヘアメイクのリハーサルも、いろいろ落ち着いてからで大丈夫です。どんなに夜遅くなってからでも大丈夫なので、リハもしっかりして、明日に備えましょう!調整は任せてください!!!!」って言ってくれて。もう、本当に何度目の涙かわからない。

家族と、夫と、プランナーさんと。みんなで駆け抜けた前日

私と夫がコルセットやら何やらで駆けずり回っている間、母は「足りないものはお母さんが買ってくるからリストアップして!」と言ってくれて、結婚式で必要な白いハンカチとか、新しい芳名帳とか、細々したものを走り回って集めてくれました。

二次会用のドレスも、父が車であちこちお店に連れて行ってくれたから、無事に気に入ったものが購入できました。ただ、なんとか私のドレスは見つかったけど、夫の二次会用の衣装がどうしても見つからない。男性用のフォーマルかつ適度に華やかさのある衣装って、まじでどこで売ってんの???困り果てて、ダメ元でプランナーさんに相談したところ、「披露宴で使うベストやネクタイを、よかったら二次会でも使ってください!」と言っていただけて……。

夫も、両親も、エステの方も、プランナーさんも、お店の方も。本当に親身になってくれた。普段埼玉県に住んでる私には、沖縄のどこに何があるかなんて全然わからないから、本当に助かりました。

結局、全部のものがなんとか揃った頃には、夜の9時を過ぎていました。そこから式場に駆け込んで、6時間以上遅れでヘアメイクリハーサル開始。ヘアメイクさんも、「大変でしたね~」と言いながら、こんなに夜遅い時間にも関わらず嫌な顔ひとつせず付き合ってくれて。

そしてヘアメイクのリハーサル中。プランナーさんがそっと「これ、よかったら使ってください」って、綺麗な便箋をくれたんです。「きっとご両親へのお手紙、書く時間なかったんじゃないかと思って……余計なお世話かもしれませんが」ってさ。

もう、こんなの泣かない方が無理じゃない????????????

リハをしながら手紙を書かせてもらって、リハ後に簡単に明日の打ち合わせをして。自宅に戻った頃には、とっくに日付が回っていました。こんな時間まで付き合ってくれた、すべての人たちの存在が本当にありがたすぎる……。

ブーケもグローブも花冠もコルセットも、全部揃った結婚式当日

もう、結婚式前日は人生で一番胃が痛い日だったけど、同時に、人生で一番人の温かさに触れた一日でもありました。私、こんなにたくさんの人に支えられて生きているんだなって実感できたというか。

そして迎えた結婚式当日。プランナーさんが用意してくれたブーケと花冠とグローブ。

花冠も、ブーケも、1日で用意してくれたものとは思えない綺麗さ……

エステの人が教えてくれたお店で買ったコルセット。父と探し回って見つけた二次会用のドレス。母が買ってきてくれた細々したものたち。式場が貸してくれた夫の二次会用小物。

昨日の朝はあんなに絶望していたのに。
奇跡的に、全部揃った。

式自体は、もう、本当に楽しくて、幸せで。私と夫にとって大切な人たちが、祝福してくれる。笑っている。「この人とこの人が仲良くなったらいいな」なんて思ってた人たちが、楽しそうに話してる。それを見てるだけで、胸がいっぱいになりました。

式場前の海ではしゃぐ友人たち

……ただですね。

やっぱり前日の無理がたたったのか、式の途中からなんか熱っぽい。披露宴くらいからは、記憶もちょっと曖昧。

この辺とか、正直もうあんまり覚えてない。花冠きれいだね!!

なんとか二次会まで乗り切ったけど、終わってホテルに戻った瞬間、力が抜けて多分倒れて。

気づいたら、ベッドの上でした。夫がホテルのフロントで体温計を借りてきてくれて測ったら……38.5℃。

ええええええええええ!?!?!?

予定では、参列してくれた友達みんなで同じホテルに泊まって、朝までお酒片手に語り明かす予定だったのに……! まさかの発熱で、私だけ強制終了しました……。

ただ、ぐっすり寝たおかげか、翌朝には熱はすっかり下がっていました。朝食に行ったら、「昨日は大丈夫だった?」「ふたりがみんな一緒のホテルを用意してくれたから、朝までめちゃくちゃ盛り上がったよ!」「ななの高校の友達と、大学の友達が超仲良くなってたよ!」って、みんなが口々に報告してくれて。

もちろん私も参加したかった!!!!でも、「ああ、なんか、私がいなくても、私の大切な人たちが繋がって、楽しい時間を過ごしてくれたんだな」って思えて。それが、すごく嬉しかった。

トラブルだらけで、最後は熱まで出して。正直、結婚式当日の記憶は部分的に飛んでるんだけど。でも、この結婚式のおかげで、「私って、こんなにたくさんの人に愛されて生きてきたんだ」って、改めて実感できたというか。

あの時助けてくれたエステの方、プランナーさん、ヘアメイクさん。駆けずり回ってくれた両親。冷静に支えてくれた夫。担当してくれたお店の方々。そして、お祝いにかけつけてくれた友人たち。

大変だったけど、みんなのおかげで最高of最高な結婚式になりました。

あの日の胃の痛みと、人の温かさは、これからも毎年春が来る度に思い出すと思います。きっと、死ぬまでずっと。

宿泊したホテルから見下ろした春の沖縄の海

(後日談)
結局荷物が届いたのは、式の翌日でした。こだわって準備したものが届かなかったのは残念だった〜〜〜。でも、「じゃあ、沖縄だけじゃなく都内でも二次会したらいいんじゃない!?」って話になって、式で使えなかった物たちをフル活用して二次会ver2.をすることに。沖縄で挙げた結婚式では、限られた人数しか呼べなかったけど、普段住んでる関東なら会いたい人を存分に呼べる〜!!!!少人数でしっぽりする会も、大人数でわーきゃーする会も両方できて、結果的にめちゃくちゃよかった〜〜〜!!!

大勢とワーキャーした二次会
事前に準備してたフェイクフラワーの花冠もやっぱりかわいい


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