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【ショート】旅は憂いもの辛いもの|火を吹く尻|中国・上海|

旅は憂いもの辛いもの

旅はとにかく苦しく辛い事が多いものである。
という意味のことわざ。


中国に関しては
旅は憂いもの辛い(からい)もの。

だいぶ前の話になりますが上海で食べた麻婆豆腐が
身体中の汗腺を全て刺激するほど辛かった。

辛さが味覚超越してくる。
唐辛子・山椒・花椒たちが
味蕾を的確に潰してくる。

恐怖を感じるほど辛かった。
申し訳ないが文化を疑うほど辛かった。
タイのトムヤムクンや韓国のトッポッキなんぞ
比にならんほど辛かった。

唇が赤みを帯びほんのりと腫れ
頬を紅潮させ、少し𝑺𝒆𝒙𝒚になった私。いや僕。

思わず近くにいた店員さんに当時はまだまだ拙かった英語で聞いてしまった。


Excuse me. Umm...
Do you really like this?
it's freaking spicy.
(恐ろしく辛いねんけど君はこれ好きなん?)

笑顔で言われた。

YES.
(好きやで)

Wow, that's cool.
(すげぇな)

Right?
(せやろ?)


会話終了。


翌日飛行機に乗って帰国だと言うのに
飛行機搭乗日の朝、ホテルのトイレから
動けずにいた私。

唸るぜ胃腸。燃えるぜ尻。滲む脂汗。
迫るタイムリミット。神に祈る無宗教の私。

心細い。泣きそう。ちょっと泣いた。

くっそ。なんだよ。なんでだよ。
中国人の尻はどうなってんだ。
鋼で作られてんじゃねぇか。
悔しい。日本男児たるものが
この程度で音を上げてしまうとは。

このままトイレの神様と戯れていたら
確実に飛行機に間に合わない。
出るしかない。出るしかない。
出すもん出して出るしかない。


ああっ…!なんて情けない歩き方なんだ…!
やめて。見ないで。

言えるわけない。

「昨日、麻婆豆腐を食べたが辛さ耐性が無くて
腹を下し、尻が火を吹いている」

恥ずかしくてそんなこと言えるわけがない。

悔しい。


旅先でお腹を壊すと言うのはよく聞くが
私の「これ」は恐らく正規ルートの壊し方
では無かったでしょう。


せっかくなら致し方なく
水道水をがぶ飲みした挙句に腹を壊したかった。
あるいはインド・ネパールあたりで
氷入りの水を飲んで腹を壊す洗礼を受けたかった。





キャパオーバーの辛さをした食べ物を食べると
翌日、尻が激痛を伴いながら烈火のごとく
燃えるということを教えてくれた。


そんな上海旅。

またいつか詳しくお話させていただければ。

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