Z世代が聴く名盤 番外編 最近流行ってる音楽2025
※この記事はとんでもない数のSpotifyリンクを埋め込んでおります。動作が重くならないようなるべく新しいスマホ・PC・タブレットで閲覧することを推奨します。
本シリーズはZ世代にあたる筆者(2003年生)が世代よりも上のアーティストが出した名盤を聴いて、感想を書いていくただそれだけのシリーズである。
これまで40枚の名盤(+番外編)を取り扱ってきたが、43回目となる今回は趣向を変えた番外編をお届けしてみる。
基本情報
かつて自分はこんな記事を書いたことがある。
タイトルの通り、当時流行ってた音楽を片っ端から聴いて感想を述べるただそれだけの記事である。「Z世代が聴く名盤」なんてイマドキの若者の意見っぽいタイトルのシリーズを書いているクセにイマドキの音楽にはさっぱりついていけていない自分にとっては時代の中心を学べる良い企画で、何年か経ったら第2回をやりたいと前々から思っていた。
それから2年が経過し、そろそろもう一回やっても良い頃合だろうと思って前回と同じようにSpotifyの日本人気曲Top50を覗いてみたところ、2~3年前のヒット曲がまだランキング上に居座ってたり、J-POPなのかK-POPなのか分からないグローバルな横文字グループが前回以上にランキングを占領していたりして、なかなか記事にするのが難しそうな様相を呈していた。
そこで今回はもう一つ自分が流行の指標としているステータス、紅白歌合戦の出場アーティストを調べて片っ端から聴いて行こうと思う。紅白に出てる人だけが今年を代表しているわけではないが、個人的に人選がその年の象徴として的外れと思ったこともないので、出場者・落選者まとめて全員何曲か聴いていく。
前置き
この記事を書いている時点で紅白に出場すると発表されているのは紅組20組、白組17組の計37組。そのうち初出場は10組で、さらに8組が紅組ということで今年は女性グループ激戦の年だったことが伺える。
最近は…というか自分が物心つく前にはもう紅白はオワコンだ衰退したとか叫ばれてきているが、何だかんだこうして出場者が発表されればそれなりに話題にはなるし、そういう声も一種の風物詩みたいになっている。
今年も「あの人がいない」とか「なんであのグループが出れてこのグループは出れないの?」等の声が各所から聞こえてきて悲喜こもごもといった感じだがそういうのは一旦置いといて、早速行ってみよう。
ちなみに聴く曲は(なるべく)今年の曲で、かつSpotifyの再生数が高めの曲を選ぶようにしているので、実際にその曲が今年の彼ら彼女らを代表している曲なのかは知りません。「今年のこの人達はこれでしょ!」みたいな意見があったら追加で聴くのでコメントお願いします。
感想
初出場の人たち
アイナ・ジ・エンド
数年前解散したアイドルグループ・BiSHのエースだったダンサー兼シンガーソングライター(Wikipedia調べ)。こういう経歴を辿る人物は大半がグループ時代を超えられないものだが、彼女はそうならない少数派の道を行った。
「革命道中」はアニメ「ダンダダン」のOP曲。忙しなくて圧が強いビートが爽快なアップテンポ曲。メロディーは正直そこまでキャッチーじゃないけど随所でダンダンダダダンとアニメタイトルを連呼するタイアップ職人っぷりには現代のヒットアニソンらしい貫録を感じた。
「Frail」は去年に公開された映画「変な家」の主題歌。ホラー映画の主題歌らしい怪しげな曲調に惹かれる物がある。一時期サビの部分がショート動画で死ぬほど使われてたので、今年「アイナ・ジ・エンドの曲がバズってる」と聞いた時はこの曲のことを言ってるのかと思った。
幾田りら
YOASOBIのボーカル・ikuraとして知られているシンガーソングライター。どうしてもYOASOBIの印象が強くなってしまう所だが、ソロ歌手としての実績も着実に積み重ねており、その筋によれば納得の初出場となった模様。
「百花繚乱」はアニメ「薬屋のひとりごと」のOPテーマ。昔彼女のソロ曲を試しに聴いてみた時はいかにもソロシンガーっぽい聴かせる系のバラードが流れてきた記憶があるが、この曲は装飾マシマシでメロディも転調しまくりの現代のアニソンらしい複雑な一曲。路線としてはこっちの方が好きだけどYOASOBIとの差別化が…
「恋風」は恋愛リアリティ番組「今日、好きになりました」の主題歌。先の「百花繚乱」とは打って変わってアコギ主体で薄味アレンジのラブソング。モロにテラスハウスっぽい感じの曲で、タイアップを確認する前からそれ系の番組でかかってたんだろうなぁと分かる。
aespa
韓国からの刺客。少女時代の直の後輩と説明すれば伝わるだろうか。勢いは去年の方があったようで「なぜ今年?」という声がK-POPコミュニティ中を飛び交ったり、3年前に中国人メンバーが起こした激ヤバ炎上がこれを機に再燃したりと界隈は混迷を極めている所だが、まぁ何はともあれ初出場。
「Whiplash」はそんな勢いがあった頃の去年の曲。四つ打ちのリズムで淡々とじわじわと盛り上がっていくクールなダンスナンバー。ある意味で現代版「Mr. TAXI」とも言えるかもしれない。
「Dirty Work」は今年の曲。ブルゾンちえみのBGMとして有名な同名の楽曲とは無関係だが両方ともなんとなく音色が似てる。ダウナーでイカツいどう聴いても洋楽な一曲で、これに比べると「Whiplash」はまだノリやすい部類だったことを思い知る。K-POPへの抵抗感は今年色々あってだいぶ薄まったけど、こういう世界志向全開な奴はまだまだ慣れない。
CANDY TUNE
対してこちらは日本からの刺客。去年~今年辺りにかけて突如として世間に食い込んできた謎の新顔ブランド・KAWAII LABの新人グループ。去年発表した楽曲がTikTokを中心に大バズを見せ、その勢いのまま初出場となった。
「倍倍FIGHT!」は彼女ら最大の代表曲。元々は去年の春ごろに出たシングルだったが、発売から丸1年経った今年の春ごろに突如TikTokを中心に大爆発。ほぼこれ1曲だけの力で紅白初出場まで行ってしまった。流行の中心が全く分からない自分ですら認識していたのでその勢いは計り知れない。フル尺は大学のゼミ生の皆でカラオケに行った時に後輩全員が歌い出した後に自分も同級生もろとも歌わされたときに初めて聴いたけど、TikTok発のヒット曲にありがちな2分台の短尺ではなくしっかり4分ある曲だったのが意外だった。
「レベチかわいい!」はしっかりと今年の曲の中で一番再生数があった曲。普通にアイドルらしいキラキラしたポップナンバー。流石に「倍倍FIGHT!」ほどぶっ飛んだ曲ではないが、この曲も結構早口でまくし立てる節があって咀嚼に時間がかかる。
ちゃんみな
ラッパー。昔から日本のヒップホップ界では抜きん出た知名度を持っていたようだが、今年プロデュースしたアイドルグループが大躍進を遂げた事や、NHKが放送する日本版グラミー賞「MUSIC AWARDS JAPAN」でも圧倒的なパフォーマンスを見せた事から貴重なヒップホップ勢の初出場となった。
「SAD SONG」はそんな彼女の代表曲(多分)。元々は2019年発売のアルバムの収録曲だったのが、今年THE FIRST TAKEでこの曲を歌唱したことが話題を呼んで一躍脚光を浴びた模様。ラップは一切含まれず、ロック色が強めに出ているアップテンポなバラード。自分はそうでもなかったけど好きな人は本当に刺さるタイプの曲だと思う。
「NG」は「MUSIC AWARDS JAPAN」のオープニングで登場したゴリゴリのヒップホップナンバー。YMOの名曲「RYDEEN」とのマッシュアップで色々な曲が流れる中の一つとして登場した曲で、個人的にはこれをきっかけにちゃんみなの存在を知った。やたら自信過剰な歌詞はヒップホップでいう所の「フロウ」という表現方法なんだと思うけど「お前の脳は無意味」とか随所で突然聴く側を人格否定してくる部分はダメ元で原曲を聴いてみたけどやっぱり好きになれない。
HANA
そのちゃんみながプロデュースするアイドルグループも同時に初出場。近年は初出場を果たす新人でも数年以上のキャリアを積んでいる事が珍しくなくなってきている中、彼女らは今年4月デビューした正真正銘の新人となる。
「ROSE」はそんな彼女らのデビュー曲。一発目にして早速の大ブレイクを果たし完全に波に乗ったわけだが、曲自体はラップを導入し、チキチキ言う刺々しいビートが特徴的なダンスナンバー。これ系で来られるともう自分はK-POP組の曲と区別がつかなくなる。ごめん
「Blue Jeans」はしっとりとした聴かせるナンバー。こういうバラード調の大人しい曲でも平気で表題曲に切れるし、ちゃんとヒットもするというのが非K-POPアイドル達の強みだと思う。少なくとも「ROSE」よりはよっぽどこっちの方が印象に強く残る。こういうのを連発されてもしんどいけど。
ハンバート ハンバート
実の夫婦からなる活動28年目のデュオグループ。2005年頃に「おなじ話」でプチブレイクしてから知る人ぞ知るグループとしてひっそりと活動していたところ、ここに来てまさかの紅白初出場となった。
「笑ったり転んだり」は今年の朝ドラ主題歌。今や少数派となってしまったギターベースドラムをちゃんと生演奏で使ってくれる曲。派手な曲を持ち歌にしたアーティスト達が群雄割拠する今年の紅白で、のんびりしたこの曲を携えてポツンとこの2人がいるという構図も相まって妙にホッとする。
「おなじ話」はそんな彼らの代表曲。ハンバートハンバートというバンドはくるりのトリビュート盤や音楽ナタリーのニュースの見出しでたまに名前を見かけたくらいでちゃんと聴いた事はなかったが、これを聴いた感じ本当に何十年も変わらずにこの路線でやってきた事がよく伝わる。
FRUITS ZIPPER
KAWAII LABのエース。去年時点でブレイクは果たしており、前回の紅白に落選した際はファン達の間でまぁまぁな阿鼻叫喚が見られたが、今年はさらに勢いを増したらしく、満を持しての紅白初出場となった。
「わたしの一番かわいいところ」はそんな彼女らの代表曲。KAWAII LABの曲で流行った中では一番大人しい印象。個人的にFRUITS ZIPPERといえばnoteで記事を書き始めた超初期に失踪した兄がメンバーのファンで、捜索の手がかりを求めてグループを推しているという謎コンセプトのアカウントがフォローしてきた事案を思い出す。あれからグループは無事に売れたけど、お兄さんは見つかったのかな。
「はちゃめちゃわちゃライフ!」は今年の曲で一番ヒットしてる(っぽい)曲。頭文字Dっぽいシンセの音色といい、速いテンポといい明らかに「倍倍FIGHT!」を意識しており、二番煎じ感がハンパない。もし「わたしの一番(以下略」に加えてもう何曲かメドレーでやるなら、これやるより「NEW KAWAII」とかをやってくれた方が絶対良い。
&TEAM
韓国からの刺客その2。BTSを抱える事務所・HYBEにより集められた日本人7名・韓国人2名・台湾人1名からなる、言うなれば男版NiziUみたいなもん。日本を拠点にしていながら韓国でもそこそこ人気という話を風の噂で聞いたが、今年紅白に出られたのはその実力が買われてのことなのか…?
「Go in Blind (月狼)」は歪んだギターをフィーチャーしたこれまたイカツい一曲。前回の「最近流行ってる曲」でもこんな感じの曲聴いたような…って感覚になった。自分が曲を聴いた事がある男性K-POPグループは東方神起、BTS、Stray Kidsくらいで詳しくないというのもあるけど、なんか、まず元々の声質がStray Kidsと似てない?
「Deer Hunter」は近年の代表曲(たぶん)。篭った音色でブチブチと途切れるシンセの和音が心地よいクールなナンバーで「Go in Blind」と比べれば断然こっちの方が好き。「CASE 143」しか聴いた事ないStray Kidsに似ているなんて全く思わないし、&TEAM独自の魅力をここに見た。間奏のコーラスでまた別の曲が頭をよぎったけど…
M!LK
俳優の佐野勇斗をメンバーに擁する、結成12年目の男性アイドルグループ。メンバー1人だけが世に知られ、肝心のグループ自体はなかなか世間に認知されていなかったが、今年ついにTikTokでバズる曲を生み出すことに成功、一気に紅白初出場までこぎつけた。
「イイじゃん」はそんな彼らを紅白へ連れて行った大バズり曲。クイズ番組でちょっとだけ流れてた低い声で「イイジャン…ビジュイイジャン…」と呟いているパートしか聴いた事がなかったので、再生ボタンを押して爽やかなアイドルポップスが流れてきたときは曲を間違えたかと思った。というかそのイイジャンパートと爽やかパートの切り替えがあまりにも唐突すぎる。楽曲というよりメドレーの類。本当に何の前触れもなく豹変するからな…
「テレパシー」はそんな「イイじゃん」に続いて発表された正統派アイドルポップス。おそらく打ち込みで再現されたブラスサウンドを導入した賑やかなアップテンポ曲で、なんというか男版KAWAII LABみたいな歌詞+Official髭男dismみたいなメロディ&アレンジという印象。
帰ってきた人たち
岩崎宏美
上記の2曲や「ロマンス」などの代表曲を持つ実力派女性歌手。「タッチ」を歌う岩崎良美は実の妹。今年出場を決めたのはデビュー50周年だったからだと思われる。つまり最近流行ってる曲でも何でもない
「シンデレラ・ハネムーン」はそんな彼女の代表曲の一つ。調べた所、最近アバンギャルディなるダンスチームがこの曲を踊って話題になったらしい。曲自体はまぁ当然現代からかけ離れた往年の歌謡ポップス。「シンデレラ」「ハネムーン」と題名には「欧州」の要素しか入ってないのに、なんなんだこのオリエンタル感は。欧州じゃなくて中東にハネムーンしに行きそう。
「聖母たちのララバイ」も同じく代表曲。タイトルの「聖母」はマドンナと読むらしい。サスペンスドラマのED曲として人気を博したようで、衝撃的な展開を迎えたドラマを優しく締めくくってくれるエンドロールにふさわしい気高いバラード。基本スローな曲は好きじゃないけどこの曲は何か聴ける。
Perfume
「ポリリズム」「チョコレイト・ディスコ」などで知られる言わずと知れた3人組アイドルグループ。今年の大みそかをもって「コールドスリープ」=活動休止することが発表されているので、おそらくこの紅白が公の場で見られる最後の姿になると思われる。
「巡ループ」はそんな彼女らの活動休止前最後となるアルバムの最後の曲。ロボットボイスを多用したエレクトロサウンドという斬新な曲調でJ-POP界を塗り替えた彼女らが最後の最後に加工を取った生の歌声で80年代テクノ風の曲を歌うという時代の一巡を感じるこの演出には不覚にもグッと来た。
「パーフェクトスター・パーフェクトスタイル」は彼女らの初期の代表曲。この時点でスタイルは完成されており、この曲をグループの最高傑作として挙げる人もよく見た印象。ブレイク前の曲で、一般にはあまり知られてないというのもあってか紅白で歌われたことは一度もないけど、今年の代表曲が「巡ループ」なだけに、そういうサプライズを期待してしまう。
LiSA
アニソン界で15年以上活躍し続けるその道のレジェンド。世間的には「鬼滅の刃」の主題歌で一気に知名度を上げ、鬼滅の主題歌を降板した途端に紅白に出てこなくなった人だが、今年「鬼滅の刃」の新しい映画で主題歌を担当し、その勢いのままに紅白にも復帰した。
「残酷な夜に輝け」はその新しい鬼滅映画の主題歌。彼女が歌った鬼滅曲の代表格である「紅蓮華」と「炎」のちょうど間をとったような曲調で、重いギターと曲全体の疾走感は「紅蓮華」っぽいが、流麗なストリングスと荘厳な雰囲気は「炎」っぽいという趣。ちょっと「残響散歌」も感じる。
「ReawakeR」は鬼滅とは無関係のアニソン。男性K-POPグループ・Stray Kidsのメンバーをラップに迎えた効果か、Spotifyでは「残酷な夜に輝け」を再生数で3.5倍くらい上回っている。曲自体はいわゆるEDM(多分)で終始頭が縦に揺れる一曲。Stray Kidsは「CASE 143」以外知らないけど、少なくともこんな本格派っぽいラッパーがいた覚えはない。あの曲のどこにこんな低音ボイスが紛れていたのか。
ORANGE RANGE
2003~05年にかけて一世を風靡した沖縄出身の5人組バンド。ここ数年間は沖縄に帰ったりビクターに所属してのんびり音楽活動をしていたのが、今年全盛期に所属していたソニーに復帰、代表曲「イケナイ太陽」をリバイバルヒットさせ、令和7年の紅白に全力の平成で殴り込みをかけてきた。
「イケナイ太陽」は前述の通り今年突如リバイバルヒットした彼らの代表曲。元々全盛期に作られていた曲という事もあってか、じわじわ勢いが落ち着いてきていた当時の彼らが出した曲の中では頭一つ飛び抜けたヒット曲になっていた印象。この曲は2007年発売だが、ORANGE RANGEは2006年を最後に紅白から遠ざかっている。18年越しの紅白披露となるか。
「マジで世界変えちゃう5秒前」は今年の彼らが出した一曲。全盛期中にも地味に定期的にやってたアニソンである。「イケナイ太陽」に次いで後期の代表曲として有名な「おしゃれ番長」を思わせるテクノ調の楽曲で、流石にあの頃ほどのインパクトはないけど勢いは衰えていないことがよく分かる。
King & Prince
帰ってきたジャニーズ。元々5人だったのが色々あって2人になったのが記憶に新しいが、何気に2人になってからは初の出場となる。
「HEART」は今年一番の人気曲。キンプリのイメージはドラマ主題歌で君はシンデレラガール♪とビックリするぐらいベタな甘いラブソングを歌ってた頃のままで止まっている(その後も名前はちょいちょい見たけど、サブスクに居なかったので接点がなかった)のだが、この曲はその「シンデレラガール」と同系統のラブソング。どっちも恋愛ドラマの主題歌なので路線が被るのはまぁ仕方ないのかな。
「What We Got ~奇跡はきみと~」はジャケ写をひと目見れば分かる通りディズニーとのコラボ曲。最近の紅白はやたらディズニーソングを出演者に歌わせたがるので、紅白では「HEART」じゃなくてこっちを歌う気がする。曲自体はディズニーらしい陽気で華やかなブラスポップ。自分の好みからはまた離れた所にいる曲だけどタイアップとしてはこの上ない曲だと思う。
久保田利伸
何故だ。日本のR&Bやブラックミュージックを語る上では外せないこれまた伝説級の男性歌手だが…今年何かヒットを出した訳ではないしデビューからキリのいい年でもない(1986年デビュー)し、今回選出理由が一番謎な御人。
「LA・LA・LA LOVE SONG」は彼の最大の代表曲。J-POP自体が全盛期を迎えていた1990年代らしいキャッチーさと彼の強みであるR&Bのグルーヴを兼ね備えた最強のポップナンバー(小並感)だが、前回出場した紅白で歌ったのはこの曲ではない。この曲の5年前にアリソン・ウィリアムズという女性R&Bシンガーと「Forever Love」という曲をデュエットしたのが唯一の出場である。なのでどの代表曲を歌っても絶対紅白では初披露という形になる。
「LOVE RAIN ~恋の雨~」はその「LA・LA・LA LOVE SONG」と同じくドラマ主題歌として人気に火が点いた代表曲。「LA・LA・LA LOVE SONG」に比べると音は軽めだけどメロディセンスは負けず劣らず。
堺正章
「マチャアキ」の愛称でお馴染みの大御所俳優及びタレント。元々キャリアの始まりはザ・スパイダースというGSバンドでボーカルを務めていたところから来ているし、ソロでも何曲かヒットを持つれっきとしたミュージシャンではある。今年はスパイダースがデビュー60周年ということで選出された?
「さらば恋人」はソロでの彼の代表曲。今年は「放送100年 紅白特別企画」と題された特別枠での出場となるので、この曲をやる理由はどこにもない。とりあえずこの曲はめっちゃ「Pet Sounds」っぽくて、歌謡曲ともGSともつかないジャンル分けに困る曲。何て表現すれば良いんだ。
「プンスカピン!」は今年の曲。記者会見ではこの曲でコラボしたRockon Social Clubと共演すると発表されているので、この曲をやるのは確定か。曲はGSと同時期に流行っていた(多分)サーフロックっぽい作風。まずバンドの生演奏を基調とした曲自体が最近の紅白では貴重で、完全なネタ曲ながらここまでの初めて聴いた曲の中では比較的馴染みやすかった。
サカナクション
今回自分の周りで唯一歓迎されている出場者。テクノとロックを融合させたような音楽性が特徴の5人組バンドで、最近はメディアから遠ざかって紅白にも2013年に一度出たっきりだったが、今年12年ぶりの出場を決めた。
「怪獣」はそんな彼らの新曲。ボーカルの山口一郎氏が鬱病を患ったことで2年近く活動を停止していた彼らの再起となる非常に熱い一曲で久しぶりに新しい代表曲が出来たなという感覚がある。フル尺発売前にタイアップ先のアニメのOP映像で聴いた時はピンと来なかったけど、フル尺の発売が近づくにつれ期待が高まっていき、いざ発売される頃には2025年でNo.1の曲くらいにまで思うようになった。来年以降出るであろうまだ見ぬ新曲も楽しみ。
「新宝島」は今年発売10周年を迎えた彼ら最大の代表曲。明らかに「ドリフ大爆笑」のパロディなPVとテクノ歌謡リスペクトなアレンジが主にネットの世界の人々のツボにハマり、一種のネットミームと化すことで存在感を示し続けてきた。近年は山口一郎氏本人が生配信でこの曲をかけながら謎の合いの手を入れるというネタ要素も加わり、まだまだ飽きる気配はない。
TUBE
サザンと並んで夏を代表するロックバンドが真冬の大みそかに帰ってきた。おそらくデビュー40周年に合わせた選出と思われる。
「あー夏休み」はそんな彼らの代表曲。それまでやったことがなかった歌謡風味の三枚目な作風がウケて、本人達も予想外な大ヒットを記録した模様。言われてみれば、もう一つの代表曲「シーズン・イン・ザ・サン」はシティポップっぽい爽やか一辺倒の真面目な曲だったのに対し、この曲はラテン+歌謡+エセ関西弁とおちゃらけた作風で明確に違う。どっちが上とか下とかは思わないし、実はどっちも紅白で披露されたことはないので、いっそ両方やって来年の夏を半年ほど先取りして彩ってほしい。
「ファミリー・サマー・バケーション」は新曲。なんと今年紅白初出場のFRUITS ZIPPERとのコラボ曲である。異色なコラボになったが、曲自体はTUBEの4人によるバンドサウンドをベースにしたオシャレなポップスで両者の色が無理なく混ざり合っている。サビで繰り返される「めっちゃめっちゃかわいい夏休み」って何?という謎は残るが…
布施明
若い世代には星野源のモノマネか鬼レンチャンの「くるっくー」の元の曲を歌ってる人として知られているかもしれない超大御所男性シンガー。2009年に紅白勇退を宣言したはずだが、デビュー60周年に合わせて帰ってきた。
「君は薔薇より美しい」は彼の代表曲。前に一度感想を書いた事があるが、その時と印象はあんまり変わらない(長い記事の結構終盤の方に出てくる)。Spotifyで調べたところこの曲には自分の知らないもう一つのバージョン(上のリンクのうち2つ目の方)があり、そちらはテンポアップされて音色も80年代全開な時代を感じるものになっている。まぁ元の奴の方が好きかな…
AKB48(12/3 追加発表)
秋元康プロデュース・超大所帯系女性アイドルグループ。いつの間にか46達に追いつかれ追い越され、コロナで握手券が封じられて以降売上も急落し、紅白にも2020年に落選してそのまま沈んでいたのだが、この度結成20周年を記念して、OGメンバー8人を迎え平成の懐メロ枠として大復活を遂げた。
「ヘビーローテーション」は彼女らの代表曲。ロック調でアイドルと聞いて連想するイメージを地で行く元気いっぱいなアップテンポナンバー。当時は悪名高い握手券商法のせいで世の音楽好き達からボロクソに叩かれており、そのイメージに引っ張られて曲までもが低品質だと思い込んでしまっていた節があるが、こうして聴き返すとあそこまで知名度を広げた曲なだけあってポップスとしてはよく出来ている。少なくとも裏で音楽を作っていた大人達はちゃんと真摯に自分の仕事と向き合っていたんだと分かった。
「恋するフォーチュンクッキー」はそれ以上の代表曲。今ではもう珍しくもなんともないが当時はまだ少なかった往年のディスコっぽい曲調で、現代人に対しての親しみやすさは「ヘビーローテーション」以上に思える。今回はこの曲でセンターを務めた指原莉乃氏もOGとして出場するようだが、そうなると今回は紅白出場を期待されてた=LOVEは紅白に出れなくて、=LOVEのプロデューサーが単独で紅白に出るという構図になるのか…
RADWIMPS (12/5 追加発表)
ついこないだまでトリビュート盤の内容が音楽界隈を賑わせていた邦ロック界の重鎮。今年朝ドラ主題歌を担当していたにも関わらず出演者リストには名前が載っていなかったが、後日無事に出場が発表された。
「賜物」はその朝ドラ主題歌。良くも悪くもRADWIMPSらしい情報密度の高い歌詞を早口でまくし立てるリズミカルな一曲。第一印象は微妙だけど、毎朝繰り返し聴くので徐々に馴染んでくるのは朝ドラタイアップの強みだ。ドラマでかかってない急にテンポダウンする箇所は馴染んでないのでやっぱちょっとまだ慣れが必要だけど…
「命題」は現在の最新シングル。ここに来てストレートなロックナンバー。最近ボーカルとの確執を理由にギターが脱退したのが記憶に新しく、一部のファンから「彼にギターを弾いてほしかった」「彼のプレイスタイルを表面だけ似せた感じがする」との声がチラホラとみられたが、正直そんなに彼らの曲に詳しくない自分には、「シュプレヒコール」「会心の一撃」みたいな盛り上がるがどことなく後ろ暗い邦ロックを久しぶりにやったんだなとしか思わず、元ギタリストの不在は感じられなかった。
SixTONES (12/6 追加発表)
帰ってきたジャニーズその2。デビュー6周年の歴史を感じられるスペシャルメドレーをとある場所からの生中継で披露するとのこと。
「Imitation Rain」はX JAPANのYOSHIKI提供のデビュー曲。デビュー曲にしては異様に熟れているシリアスなバラード。世界に標準を合わせてダンスナンバーばっかりになる前のK-POPアイドルがこういう情緒的なバラードをよく歌ってたのを思い出した。サビで「紅に染まるまで」とか言い出すのは作者渾身の小ネタか?
「こっから」はSpotifyで一番再生されてる彼らの代表曲。当時は聴いてこそいなかったがオードリー若林と南海キャンディーズ山里の半生を描くドラマの主題歌として本編もろとも注目されていたのを見た覚えがある。野心的なラップを軸に進行するかなりカッコいいファンクナンバーで、これは確かに代表曲に上り詰めるだけの事はある勢いが感じられる。おみそれしました。
back number (12/11 追加発表)
ある意味こちらも邦ロック界の重鎮。今の邦ロックに間違いなく通じている恋愛模様を描いた歌詞と、普遍的でほぼJ-POPな曲調から人気を集めていた3人組バンドで紅白には朝ドラ主題歌を担当した3年前に一回出場したっきりだったが、ここに来てNHKウインタースポーツテーマ曲担当という謎の縁があり、紅白の場で新曲(と代表曲1曲)を披露することとなった。
「水平線」は披露が予告されている代表曲。コロナでインターハイが中止になって落ち込んでいた高校生達に向けて書き下ろされたバラードで、これが予想以上の反響を呼んで新しい代表曲になった。そういう経緯を踏まえてるからかもしれないが、聴き手に寄り添う優しさを感じられてこういうスローバラードが苦手な自分でもこの曲は結構好きだと感じる。当時のJ-POP市場はストリングスを使って盛り上げるかったるいバラードで飽和状態になっており、TikTok等の台頭で短い曲がトレンドになってきた事でやっとその手の曲調が減りはじめたぐらいの時期なんだけど、今振り返るとそんな状況下でこの曲は奇跡の名曲だったなと思う。
「どうしてもどうしても」はNHKウインタースポーツテーマソング。Mr.Childrenの「in the pocket」を彷彿とさせるポップナンバーで、スポーツタイアップにありがちな押せ押せと暑苦しく応援するタイプの曲ではない。選手目線の静かに、だが確かに燃えているという感じの前向きな歌詞で3分46秒と結構コンパクトにまとめた一曲に仕上がっており、普通に良い曲だなという印象から、聴く回数を重ねることでかなり良い曲だなという印象へとだんだん変わってくる。
星野源 (12/16 追記)
同じくカリスマ的人気を集める男性シンガーソングライター。10年連続出場という偉業をこなし、今年には6年ぶりとなるアルバムを発表したのだが、去年出場した際に選曲にいちゃもんをつけられ、当初とは違う曲を演奏する羽目になった事で嫌気がさしたのか不出場となった。記事公開から数日後、まさかの特別企画枠での出場を電撃発表した。マジか。
「Star」は今年発売のアルバムのリード曲…にしてはちょっと地味なR&B。一応雰囲気は明るいもののかなりこじんまりした方向性に回帰したようで「SUN」「恋」みたいな大衆性は最早消失している。しかもこの曲の場合、せっかくリード曲としてPVまで作ったのにアルバム発売後に別の収録曲のPVが次々と制作・公開されていくのでますます影が薄くなっているような…
「Mad Hope」はそんな発売後にPVが公開された楽曲の一つであり、Netflix配信のトーク番組「LIGHTHOUSE」のテーマ曲として先行公開されていた一曲。共演者のうちLouis Coleだけはギャグでしかない展開のPVで話題になった凄腕ドラマー兼作曲家として知ってたけど他は初知り。クレジットを見る限りLouis Coleはドラムと途中のボーカル、Sam Gendelはサックス、Sam Wilkesはベースを担当したようだ。初めて聴いた時はピンと来なかったけど、後日公開されたギャグでしかない展開のPVを見ているうちにだんだん曲自体にもハマってきて今では普通に好きな曲になっている。
「創造」は4年前のシングル。「スーパーマリオブラザーズ」35周年を記念して書き下ろされた曲で、40周年の節目に京都のニンテンドーミュージアムから演奏されると予告されている。マリオや任天堂に関するフレーズやSEがそこかしこに散りばめられたリスペクト溢れる忙しないポップス。今年の新アルバム「Gen」ではイントロを作り直し、サビを裏声歌唱から地声歌唱に切り替えたアルバムバージョンを新たに用意していたので、恐らく紅白でもそのアルバムバージョンを披露するものと思われる。個人的にはイントロはアルバム版が、ボーカルは裏声だったシングル版の方が好き。
玉置浩二 (12/19 追記)
ロックバンド・安全地帯のフロントマンにして日本一の歌唱力の持ち主でもある男性シンガー。去年は特別企画枠でオーケストラをバックに歌ったが、今年は出てこなかった。記事公開から数日後、特別企画枠で出場することが突如発表された。特別企画枠なので通常の白組が紅組より1組少ない状況は依然として変わらず。
「ファンファーレ」は今年の新曲。彼のような大御所歌手は円熟味が出せる落ち着いたバラードしか歌わないという偏見があったが、この曲は忙しない打ち込みと優雅なストリングスが交わった高潔なアップテンポナンバーで、良い意味で予想を裏切られる。そりゃSpotifyで200万再生も行くわ。
(12/19 追記)今年の紅白では本当にこの曲を披露することが確定した。世間的な知名度は分からないけど、初めて聴く人達をも引き込ませる力がある曲だと思うので結構楽しみ。
「メロディー」は彼の代表曲。非常に味わい深い名バラードで、個人的にも「これは日本一の名曲だ!」と聴き倒していたそして飽きた時期があった。数ある彼の代表曲の中でも筆頭格の曲だが、実は一度も紅白で歌われたことがない。次に出た時にでも歌ってくれると良いな。
松任谷由実 (12/22 追加発表)
現在のJ-POP界の礎を築いた御人。一時期連続して紅白の特別企画枠を占拠していたがここ2年はご無沙汰。今年はimaseとコラボ曲を出したりAIを活用したアルバムを発表したりと結構な動きがあったが紅白には出ていない。久々に特別企画枠で出場することが発表された。
「天までとどけ」はそんなアルバムのリード曲。年齢相応の落ち着きと円熟味を感じさせる穏やかな一曲。この曲のどこにAIが使われているのかと言うと、これまでのボーカルデータを学習させてボーカロイドのように打ち込みで歌わせられるようにした過程で活用されているようだ。つまり、この曲で聴けるユーミンのボーカルは本人ではなくAIを使って再現された物という事になる訳だが、パッと聴いてみただけではそんな風には全く聞こえないほど自然な仕上がり。3年前のAIに荒井由実時代の歌声を再現させて今の彼女とコラボした「Call me back」も凄かったけど、さらに磨きがかかっている。その「Call me back」で聴けた現在の本人の歌声は流石におばあちゃん感が否めない衰えたものになっていたのに対して、言われてみればこの曲はそれよりも若干若返った張りのある歌声になっている気もする。
(12/23 追記)今年の紅白ではこの曲が披露されるとのこと。音源ではAIの手を借りていたっぽいこの曲だが、当日披露する際は全編本人の生歌で聴かせてくれるのかが気になる。
「文通」はイマドキのシンガーソングライター・imaseとのコラボ曲。基本穏やかなボサノヴァ調だが、途中から入ってくる機械的なビート(アルバム版では最後までボサノヴァ調で通す)やアートワークからSFっぽいイメージも連想させる幻想的な一曲。これもボーカルにAIを使っているのだろうか。「Call me back」ではもっと苦しそうだった高音が綺麗に出ているので多分そうなんだろうけど…
米津玄師 (12/23 追加発表)
現代のJ-POPの最重要人物。ブレイク直後の2018年と、朝ドラ主題歌を担当した去年以外は出場していないので薄々そんな気はしていたが、史上最速で再生数1億回を叩き出したヒット曲を生み出し、あの宇多田ヒカルとコラボ曲を発表するなど大いに存在感を発揮した今年は紅白にはいなかった。白組枠で出場することが発表された。これによってようやく通常の紅組・白組の出場者数が均等になり、当日まで1週間に迫ったタイミング的にも後出しで出場がアナウンスされる人はこの人が最後になると思われる。
「IRIS OUT」は再生数1億を最速で達成したヒット曲。スウィングしまくるトリッキーなノリが特徴的な米津印の複雑怪奇ポップス。あまりの難解さに最初はついていけず、数か月かけてこの曲が流れている場面に偶然遭遇することを繰り返し、じっくり体を慣らしていくことでようやくこの曲が良い曲だと思えた。
「Plazma」は今年の頭に出たまた別のヒット曲。ガンダムの主題歌に起用され、歌詞のガンダムリスペクト具合が話題になったらしいがそういうのを知らない人からしても、この曲は忙しないドラムンベースに乗せてそこそこ熱いサビメロが乗っかるキャッチーな一曲としてそれなりに楽しめる。
矢沢永吉 (12/25 追加発表)
ご存じ日本が誇るロックのカリスマYAZAWAである。ソロデビュー50周年の節目という事で出場が噂されていたが、本番まであと5日という超ギリギリのタイミングになって満を持して特別枠での出場が発表された。
「真実」はその50周年を迎えて制作された珠玉のバラード。今回の紅白ではこの曲を披露することが既に発表されている。個人的にはYAZAWAの音楽は初めて聴いたが、曲自体はロック色の薄い聴かせるバラードになっており、サビとかよりもイントロの癖が強すぎるフェイクの方が印象に残ったのと、情念的で長くなりそうなアウトロのギターソロをフェードアウトでバッサリ切った潔さには好感が持てた。
「時間よ止まれ」は彼の最大の代表曲の一つ(らしい)。資生堂のCMソング用に書き下ろされ、ロック畑出身のミュージシャンではそれまでなかった規模の大ヒットを記録したらしい。タイアップに合わせたのか、当時のロックがそういう感じだったのかは分からないが所謂ロックとは結構かけ離れているリゾート感が強い一曲。個人的にはサポートミュージシャンとして当時YMOを結成する直前だった坂本龍一と高橋幸宏が参加しているのが目を引く。
松田聖子 (12/28 追加発表)
1980年代を代表する伝説級アイドル。本番3日前というタイミングで特別枠としてミセスを押しのけて大トリでの出場が突如発表された。
「青い珊瑚礁」は彼女の代表曲。当日は最後の最後にこの曲を披露することが発表されている。時代を超越した人懐っこさを持っているアイドル歌謡の権化たる爽やかなアップテンポラブソングで、あんまりラストっぽい感じはしないけど、これにより皆が知ってる曲で紅白を締める事になったのは良いと思う。
「瑠璃色の地球」は同じく彼女の代表曲。それまでの彼女の曲に比べて格段にスケールが大きくなった歌詞が特徴的な優しいバラードで、この曲を録音していた頃の本人は娘を妊娠していたとか、元々はアルバム曲の一つでしかなかったのに一般的な人気はシングル曲並みに根強いとか、逸話も調べると結構出てくる。娘さんの事を思い出させてしまうからなのか今回の紅白では披露されないようだが、放送100年、戦後80年という節目であり「つなぐ、つながる、大みそか。」というテーマを持っている今年の紅白にはこの曲の方が合っていたと思う。
いつもいる人たち
あいみょん
地味に貴重な普通のJ-POPを歌ってくれるシンガーソングライター。この頃名前を見かける機会が徐々に減ってきてはいるものの、今年もヒットを出す事には成功したようで7年連続出場の快挙を成し遂げた。
「スケッチ」は映画版ドラえもんの主題歌。「しるし」「HANABI」の頃のミスチルみたいな、ピアノとストリングスを起用したスローバラード。2000年代後半~2010年代前半には猫も杓子もこの手のバラードを連発してて食傷気味だった曲調だけど、時代が変わりこういうのが少数派に転じた今これを出されると不思議と安心感を覚える。
「ビーナスベルト」は彼女の最新曲。他に形容しようがない王道ど真ん中のポップス。ミスチルの「HANABI」からストリングスを抜いたような曲で、こういうのでいいんだよという安定感がある。流石に「マリーゴールド」程の強い曲ではないけど、その前後に出た「今夜このまま」「満月の夜なら」くらいのインパクトはあると思う。
ILLIT
韓国からの刺客その3。今年は韓国アイドルの淘汰が進み、出場できたのは男女合わせて3組だけ。K-POP系では比較的人気が高いと思われるTWICEもNiziUもいない中、唯一初出場じゃないK-POPアイドルとなった。
「Almond Chocolate」は日本プレデビュー曲。セカオワのNakajinが制作に参加したキュートな一曲でJ-POP寄りの親しみやすさを感じる。メロディもアレンジも演者も欠点のない高品質アイドルソングだが、唯一の明確な欠点が歌詞の酷さ。普段はそんなに歌詞を気にせずに聴く方だけど「推しは癒し 飽きず尊い」という歌い出しには🤨となった。セカオワつながりで作詞だけFukaseかSaoriにやり直してもらってほしい。
「時よ止まれ」は日本デビュー曲。TikTok発のシンガーソングライター・紫今による提供で、往年のディスコナンバーを思わせるファンキーな編曲が良くも悪くもK-POPっぽくない一曲。日本向けに作られた曲なだけあって両方ともaespaの2曲に比べると圧倒的にとっつきやすい。
石川さゆり
この道52年、デビューが自分の親とほぼ同い年な演歌歌手。演歌界におけるスタンダード・ナンバー「天城越え」「津軽海峡・冬景色」の初出歌手で、2007年からこの2曲を交互に歌うのが恒例になっていたが、去年は2024年の元日に発生した能登半島地震を受け慣習を脱し「能登半島」を歌唱した。
「天城越え」はそんな2曲のうち個人的には聴いたことがなかった方。もし去年何事もなく終わっていたら、慣習に倣えばこの曲が歌われる筈だった。世間が考える「演歌」のイメージそのまんまなコッテコテの一曲。曲の随所で入ってくる三味線や鼓が良いアクセントになっている。
「津軽海峡・冬景色」は聴いた事があった方。「天城越え」のほうが編曲がド派手で盛り上がるけど、元々こっちだけ知ってて馴染みがあるというのを抜きにしてもこっちの方がしみじみ浸れるし、良い曲だと思える。紅白では結局どっちを歌うのか分からないけど、出来ればこっちを聴きたい。
坂本冬美
こちらもベテラン、演歌界の大御所で、出身地が近いので個人的に親近感を覚える女性演歌歌手。小1の頃に「いいちこ」のCMで流れてたビリー・バンバンのカバーの印象が個人的には強いが、他にも代表曲はいっぱいある。
「夜桜お七」はそんな数ある代表曲の中の一つ。発売当時(1994年)隆盛していたJ-POPを取り入れたような、演歌にしては速いリズムが一応若者である自分にも親しみやすい一曲。本当はもっとゆったりした曲で歌い上げるのが演歌の本流なんだろうけど、やっぱりどうしても普段聴いている音楽に近いものの方が魅力的に感じてしまうもんで…
「浪花魂」は今年の曲。テンポは「夜桜お七」と同じく速めだけど、全体的には演歌としか形容しようがない演歌。ここまで書いて思ったけど、今年はビリー・バンバンのお兄さんの方が亡くなったので、その追悼の意を込めて「また君に恋してる」を歌う可能性が一番高いかもしれない。
髙橋真梨子
1984、2013、2015‐17、2024年と超飛び飛びな出場頻度が気になる、御年76歳・紅組でぶっちぎり最年長となる女性歌手。これ以上書く事がない。
「for you…」はそんな彼女の代表曲。正直お名前と曲名だけ出されても失礼ながら全くピンと来なかったのだが、サビを聴いた途端「あぁ、この曲か!」となった。サビで「あなたが欲しい~、あなたが欲し~い~♪」と連呼するバラードと言ったら伝わる人には伝わるかな。
「桃色吐息」はブレイクのきっかけになった曲。あんまり詳しくないけど、中森明菜が歌ってそうな短調の妖しいシンセポップ。何か昭和アイドルの曲みたいなタイトルと歌詞だが、この曲が出た当時既に35歳だったというのが地味に凄い。
天童よしみ
「なめたらあかん」のCMソングでお馴染み、1997年から28年連続で出場を続けている女性演歌歌手。今年も安泰。
「あんたの花道」は、たぶん彼女最大の代表曲。2002年発売の曲で1970年デビューの彼女にとってはキャリアのだいぶ後半に出てきた一曲となるが、紅白では計5回も披露されるような曲なので、たぶん代表曲なんだと思う。曲自体は「典型的な演歌」以外の感想が見つからない所ではあるが、なんだかんだで紅白にはまだこういう曲が少しは必要だと思う。
「昭和ごころ」は今年の曲。今年が昭和100年目に当たるのを意識したのかは分からないが、これまで聴いた演歌の中でも特に昭和っぽさが強いテンポ遅めのこぶしが効いた一曲。亡くなった祖母が昔やってたスナックの店内を思い出した。祖母は天童よしみじゃなくて島津亜矢のファンだったけど…
乃木坂46
秋元康プロデュース、今や当たり前となった大所帯女性アイドルグループ。「AKB48の公式ライバル」というキャッチフレーズはどこへやら、AKB48が勝手に沈んだっきり浮かんでこないのを横目に、アイドルグループとして異例の11年連続出場を果たした。
「Same numbers」はスリリングなピアノと鋭いストリングスが空気を盛り立てるシリアスなナンバー。乃木坂46ミリしら勢にとってのTHE・乃木坂的な一曲だった。好印象だけどあんまりこれ以上コメントすることがない。
「ネーブルオレンジ」はより明るく開放的な一曲。楽器構成はさっきの曲とほぼ同じなはずだが、印象がまるで違うという所が興味深い。まぁこの曲も好印象だけどそこまでコメントすることはないかな。
MISIA
いつの間にか紅組大トリを任されるようになって久しい、異次元の歌唱力の持ち主にして日本にR&Bを持ち込んだ立役者たる女性シンガー。今年は出場10回目の大台に乗った。
「逢いたくていま」は彼女の代表曲の一つ。別に今年この曲に関連する何かがあったわけではないけど、数ある彼女の代表曲のうち何故かこの曲だけが紅白で披露されたことがないので、そろそろお鉢が回ってくるかなと思って選出した。なので別の曲が歌われる可能性の方が高そうだけど、もし本当に大トリで披露されてもしっかり映えそうな壮大なバラードだと思う。
「LOVE NEVER DIES」は今年発売のアルバムのタイトル曲。バラードとは真反対のダンサブルな曲で、一般的なイメージとはまた違うMISIAの一面が垣間見える。まぁやらないだろうけど、全ての人の予想を裏切ってこの曲で会場をブチ上げて紅白を締めくくったらめっちゃ面白い。
水森かおり
「ご当地ソングの女王」と呼ばれ、最近ではTV番組「千鳥の鬼レンチャン」での活躍も目立つ22年連続出場中の中堅女性演歌歌手。年々強くなっていく厳しい演歌への風当たりにも耐えながら、今年も何とか出場してくれた。
「大阪恋しずく」は今年の新曲。過去曲を歌わされた事も何回かあった彼女だが、まさか大阪万博があった年に「ご当地ソングの女王」に大阪が題材の曲を歌わせないなんて事はあり得ないと思うので、まぁ今年はこの曲で堅いだろう。曲はこの文章を書いてる間に3回ぐらいリピートしたけどあんまり覚えてない。
「鳥取砂丘」は去年歌われた代表曲。ゆったりしたテンポ、叙情的なギターと歌唱法、ローカルで湿っぽい歌詞…とここまで聴いてきた演歌のなかでもトップクラスに演歌のイメージど真ん中を行くあまりに濃ゆ~い一曲だが、7曲も演歌を聴いて耳が慣れたのかマイナスな印象は抱かなくなった。今年どっちを歌ってほしいかと言ったら「大阪恋しずく」の方だけど。
郷ひろみ
これまた大ベテラン、今年ついに70代に突入した新御三家アイドルの一角。2015年頃からおっくせんまんと別の過去曲を交互に歌わされるループに突入していたところ去年は2年連続でおっくせんまんを披露する羽目になった。今年はおっくせんまん回避となるか披露曲に注目が集まる所だ。
「2億4千万の瞳 -エキゾチック・ジャパン-」は、その「おっくせんまん」の正式名称。自分が知ってる数少ない彼の曲の中ではアーチーチーアーチーの奴(「GOLDFINGER '99」)に次いで好きな曲だが、流石に3年連続でやられると飽きがくるので、それやるくらいなら久々に紅白でアーチーチーアーチーしてほしい。
「最強無敵のDong Dong Dong!」は今年の新曲。昔のレースゲームのBGMみたいな打ち込みが駆け抜けるアップテンポナンバー。これほど簡素な伴奏でもある程度のカッコよさが担保できてしまう所にこの人の底力を感じる。この曲単体で披露する事はまずないだろうけど、例えばメドレーの中の一曲として披露するのは全然アリだと思った。
純烈
全国のスーパー銭湯を回り続け、全国のマダムを味方につけて紅白8回連続出場までたどり着いたバイタリティお化けの歌謡曲アイドルグループ。3人体制になってからは初の紅白出場となる。
「奇跡の恋の物語」は歌謡曲というより普通のJ-POPに近い爽やかな一曲。さっきまで聴いてた演歌に比べると相対的に超馴染みやすい曲調で、唯一の歌謡曲要素であるサビの分厚い追っかけコーラスもこの曲では良いスパイスになっている。調べたらこの曲は猿岩石の「白い雲のように」を作った藤井フミヤ・尚之兄弟による提供らしく、親しみやすさにも納得できる。
「二人だけの秘密」はモロに歌謡曲。「奇跡の恋の物語」との落差が凄い。別に嫌いな曲調ではないし、一曲くらいは紅白でこういう曲をやっても別に良いと思うけど、好んで聴くタイプの曲ではないかな…
Number_i
古巣が紅白出禁を食らっているなか、グループ脱退&即独立というカードを切り、去年まさかの脱法初出場を果たした3人組ボーイズグループ。今年はその古巣からよりによって脱退したグループが1組だけ出張で出場してくる事態となった。
「GOD_i」は彼らの今年一番のヒット曲。難解なヒップホップっぽい曲調で先ほどのKing & Princeの2曲とは何もかもが違う。こんなにマニアック(?)な曲が今年一のヒット曲になれる世の中にビックリだし、ここまで来ると君はシンデレラガール♪とか歌ってたアイドルの面影は最早消失している。
「INZM」は先述の「MUSIC AWARDS JAPAN」のOPで披露されたヒット曲。「GOD_i」と同じく尖ったヒップホップ調のイカツい曲だが、イナ、ズンマズマズンマズマズンマとタイトルを連呼するサビは好き嫌いとか関係なく問答無用で頭に残る。個人的には「MUSIC AWARDS JAPAN」で初めて聴いたけど、初見でもう覚えてしまったと同時になんかコムドットみたいになったな…と見た目の変わり様にも驚いた。
新浜レオン
ベテランばかりが闊歩する演歌歌手達の中で1996年生まれと断トツでお若い演歌界の貴公子。所属事務所のB ZONEはあのBeingの成れの果てであり、演歌界のニューカマーであると同時にZARDや倉木麻衣、大黒摩季の直属の後輩でもあるという濃ゆい肩書きの持ち主になる。
「Fun! Fun! Fun!」はそんなBeing伝統の「名探偵コナン」エンディング。全盛期から今に至るまで一貫して宣伝の為だけに枠を買い上げ、コナンとは無関係の楽曲をOP・EDにあてがう伝統が続いてきた訳だが、この曲も例に漏れずコナン1ミリも関係ない上に演歌でもないアイドル風味のポップス。まぁコナンのエンディングでコテコテの演歌をやられてもそれはそれで困るからこの曲を持ってくるのは至極真っ当な判断だと思うけど…曲そのものは自分がよく聴いてるような普遍的なJ-POPなので当然好印象。
「炎のkiss」はその「Fun! Fun! Fun!」と両A面で発売された新曲。ギターの利いた歌謡ポップスで、やはり演歌とは言いがたいけどさっきまで聴いてたマジモンの演歌よりこっちの方が馴染みやすいのも事実で、演歌界はこれを演歌歌手に歌わせないといけない難しい局面にいるんだなぁと思いを馳せるなどした。
Vaundy
2018~19年頃、突如J-POP界が覚醒しAKBジャニ坂道に代わって続々と新人ヒットメーカーが目の前に現れてきた時期に顔を出した男性シンガーソングライター。去年は2回目にしてまさかの過去曲披露(「踊り子」)となったが、今年は毎月新曲を発表すると宣言し、実際現在狂気の10か月連続リリースが続いているその精力的な活動が認められ(多分)、3度目の出場を果たした。
「走れSAKAMOTO」はそんな毎月連続リリースの先陣を切ったアニソン。「CHAINSAW BLOOD」「ホムンクルス」と同系統のライブ映えするロックで若干手癖で作ってる感はありながらも、勢いで気持ちよく聴けてしまう。
「僕にはどうしてわかるんだろう」はドラマ主題歌。珍しいメロディアスなミディアムナンバーだった事とタイアップの効果もあって、矢継ぎ早に発表された今年の新曲の中で頭一つ抜けて認知されている印象。こういう系の曲でヒットしたVaundyの曲には心当たりがないので、世間的には彼が新境地に辿り着いたみたいに見られるのかな、などと思った。個人的には紅白では「忘れる前に」を歌ってほしいけど知名度が厳しいし「走れSAKAMOTO」は唯一今年の曲で張り合える存在だけど、アニソンがきっかけで出場できた人がいっぱい居る中にアニソンを重ね掛けするのもアレだし、やっぱり今年はこの曲をやるのかなと予想する。また過去曲送りでない限りは…
BE:FIRST
AAAのラップ担当の人がプロデュースする男性アイドルグループ。夏ごろにちょっと笑えないスキャンダルがあり、該当メンバーが一人脱退する事件があったが、それをものともせず4回連続の出場を果たした。
「夢中」は今年の彼らの代表曲。元々はシングルのC/W曲だったがドラマの主題歌に起用されたことで表題曲をSpotifyの再生数で4倍近く突き放す人気を獲得した。前回聴いた「Mainstream」はK-POPチックなクールな曲だったが、この曲は2010~15年頃のEXILEみたいなピースフルなラブソング。EXILEの中でも特にNESMITHとSHOKICHIに歌わせたら似合いそう。
「空」はNHK全国学校音楽コンクール 中学校の部(通称「Nコン」)課題曲。合唱コンクールの課題曲だっつってんのに思いっきりラップしてるのは気になる所だが、全体的には健全な応援バラードソング。NHK絡みのタイアップでもあるので紅白ではこれをやると思われるが、Nコン課題曲を担当した人は高確率で翌年の紅白に出られない謎の法則があり(調べた限りだとこの法則を破ったのはここ10年だと2015年のSEKAI NO OWARIのみ)、来年の紅白が今からちょっと心配。ただでさえ今調子良くないのに…
氷川きよし
死にゆく演歌界を救い、今もなお全国津々浦々のマダムたちを虜にしていると思われる若きレジェンド。今年はラジオ放送100年目にちなんだ特別企画に出演することが発表されている。
「Party of Monsters」は今年の新曲。「ゲゲゲの鬼太郎」の再放送企画のEDテーマとして小室哲哉が作詞作曲編曲全てを担当したサイバーでデジタルな一曲。制作者の豪華さもさることながら、曲自体も「ゲゲゲの鬼太郎」に徹底的に合わせた内容にしてたりしてタイアップの規模の割に気合の入り方が半端じゃない。何が彼らをそこまで突き動かしたのか。
「限界突破×サバイバー」は最近の代表曲。アニメ「ドラゴンボール超」のOP曲として発表され、演歌歌手としての限界を色々突破なされたのを今でも覚えているが、曲自体は最近ではなく昔ながらのアニソンを今風のアレンジで歌い上げたような感じ。アニメを見てないと理解できないっぽい単語が次々飛び出すので歌詞はよく分からないが、まぁ勢いで良い曲だと思えた。
福山雅治
いつの間にか白組大トリを任されるようになって久しい、イケメンの代名詞兼俳優兼シンガーソングライター。実はフジテレビのあれやこれやの騒動でついでに槍玉に挙げられ炎上もしていたのだが、元々下ネタ好きで知られていたからか、与えた実害がそんなになかったのか、選考への影響はほとんどなく今年も無事出場と相成った。
「クスノキ -500年の風に吹かれて-」は2014年発表の楽曲のリメイク。長崎出身の彼が8月9日の被爆を受けて尚立ち続ける樹齢500~600年のクスノキを題材に書き上げたバラードを、戦後80年の節目にリアレンジして再録したものとなる。非常に荘厳で希望に満ちた一曲に仕上がっており、戦後80年の紅白において外せない曲になっていると思う。
「万有引力」は現在の最新曲。最近はコナン主題歌を担当すれば歌い出しで「真実はいつも一つ」とか言い始め、甲子園のテーマ曲を依頼されればそのものズバリ「甲子園」という題名の曲を出してくるタイアップ職人っぷりが目立つ彼なので、これも彼が主演のドラマ「ガリレオ」関連の曲なのかなと勝手に思っていたが、実際のタイアップ先はニュース番組のテーマ曲。あと万有引力はニュートンしかも、番組を担当するアナウンサーがギターと木琴を得意としているという話からその2つを使った曲に仕上げてくる、なんて番組を見てない人には絶対に伝わらない形で番組と曲を紐づけているので、タイアップ先に寄せすぎて企画モノ臭が漂う他の曲達と違って普通のポップソングとしても全然聴ける。
(12/27 追記)
これだけにとどまらず、特別企画としてB'zの稲葉浩志を作詞およびゲストボーカルに迎えた「木星」を2人で披露することが昨日発表された。
「木星」は今年のクリスマスイヴに発表されたばかりのラブバラード。高音冴え渡る稲葉氏と低音が魅力の福山氏と得意分野が綺麗にパックリ割れた形のコラボとなったが、1番サビを福山氏がファルセット連発で歌った以外は基本的に高音部を稲葉氏が、低音部を福山氏が役割を分担して歌っている。曲はストリングスを起用した荘厳なバラードで、歌詞やメロディよりも2人の歌唱力に一番注目が行く。
Mrs. GREEN APPLE
5人組時代の不遇な扱いはどこへやら、フェーズ2に移行してから大衆人気的な意味で勢いが止まらない3人組バンドが3年連続出場を決めた。2026年からはフェーズ3への移行を発表している(何がどう変わるのかは不明)ので、現在のスタンスでは最後のステージになるとみられる。
「クスシキ」はアニメ「薬屋のひとりごと」OPテーマ。あまり厳密に調べていないのでよく分からないが、おそらくこの曲が彼らの今年一のヒット曲。去年の頭に発表された「ライラック」が未だにチャートに居座っているのでそのイメージが抜けず、この曲が今年の彼らで一番のヒット曲と言われてもあんまりピンと来ないけど、曲はアニソンらしいミステリアスさをわずかに添加した「いつものミセス」といった趣でヒット性は充分に感じられる。
「ダーリン」はNHK主催のイベント「18祭」テーマソング。このイベントで出てくる曲と言えばONE OK ROCKの「We are」みたいなシンガロング炸裂の壮大なスタジアムロックか、RADWIMPSの「正解」みたいな分厚い合唱が美しいバラードの2択なイメージだがこの曲は後者の路線。「僕のこと」や「Soranji」みたいな歌唱力が試される曲だが、18歳の男女がテーマソングを合唱するというイベントの前提を鑑みてか、裏声は使わず終始地声で通す程度には音程を低めに抑えてきている。それでもかなりキツいけど…
三山ひろし
いつも並んで表記されてたY内氏がまさかの落選となり、気付けば出場2回目の新人以外に同業者がいない(特別枠にもう一人いるけど)という崖っぷちに立たされてしまった貴重な男性演歌歌手。自身が歌う曲をバックに大勢の人がけん玉を連続で成功させる名物企画を携え、今年11回目の出場。
「酒灯り」は今年の新曲のうち人気がある方。まぁ本格的な演歌としか言いようがない演歌で、最早何のコメントも浮かばない。コロナ前は紅白よりもガキ使派だったし、最近紅白を見る時もそんなに集中して見てないしで実際けん玉チャレンジがどんな雰囲気の中行われるのかを知らないのだが、この曲をバックにチャレンジが行われるのはちょっとミスマッチな気がする。
「祇園闇桜」は今年の新曲のうち人気がない方。「酒灯り」は長調だったがこの曲は短調なのでより渋く、より暗い感じ。これならこの人が担当してる連続けん玉成功ギネスチャレンジだけ残して後ろで歌う役目は別の演歌歌手に譲ってほしいなと思ってしまう。この人じゃなきゃダメなの?
いなくなってしまった人たち
aiko
かつては10回連続出場を重ねていたのが急に梯子を外され落選し、その後はしばらく紅白とは縁遠い音楽活動をしていた女性シンガーソングライター。去年はコナンの主題歌が結構なヒットを収めて出場したが、今年はそういうヒットは特に出さなかったので出場していない。
「シネマ」は今年発売の両A面シングルの1曲目。「桜の時」みたいな3拍子ゆらめくラブソング。管弦が曲を覆う2000年代後半~2010年代前半辺りを思わせるアレンジも気になるけど、結局最終的にはaikoらしいトリッキーなメロディの曲だなぁという印象に落ち着いていく。
「カプセル」は両A面シングルの2曲目。ピアノ主体でロックっぽい味付けのバラード(多分)。冒頭のピアノだけの部分で直感的に槇原敬之の「Happy Ending」という曲を連想した。印象はとても良いけどシングルの単独A面にするには弱く、まさに両A面の2曲目くらいのポジションが一番似合う一曲。
イルカ
シンガーソングライターなのに最大の代表曲がカバー曲という不憫な立場にいるフォーク歌手。ブレイク期をとっくに過ぎた1992年になって何故か1回目の出場を果たしデビュー50周年を迎えた去年に2回目の出場を果たした。
「なごり雪」はそんな彼女の代表曲。原曲を聴いた事はないが、とりあえずこのカバーは元々他人の曲だと思えないほど様になっている印象で、やっぱこの曲良いなぁという気分にさせられた。アレンジも一級品で、特に2番のサビに入る直前のドラムの響きが無性に今の自分にハマる。
「サラダの国から来た娘」は彼女のオリジナル曲で一番人気っぽかった曲。素朴なフォークソングで、「なごり雪」にはない童謡っぽい優しげな空気が魅力的な所謂「隠れた名曲」。さすがに「なごり雪」より良い曲だとまでは言わないけど、もっと評価されてもいいのになとは思った。
HY
本来男性ボーカルのバンドなのにキーボード担当に歌わせたイレギュラーな女性ボーカル曲が一番売れて複雑な気持ちらしい沖縄出身の4人組バンド。昨年、実は全盛期中は紅白で歌ったことがなかった「366日」の再ブレイクによって3回目の出場を果たした。
「恋をして」は去年の彼らの代表曲。映画「366日」の主題歌で、彼女らの最大の代表曲「366日」のアンサーソングとして書き下ろされたバラード。「366日」が最大の代表曲となった事で本来キーボード担当の仲宗根泉氏がメインボーカルと勘違いされることがあったのが仲宗根氏本人は悔しかったらしく、その誤解を解くためか、この曲はメインボーカルの新里英之氏とのデュエット形式にしており、歌い出しも新里氏に任せている。
「366日 (Official Duet Ver.)」は彼女ら最大の代表曲のリメイク。タイトルから分かる通り仲宗根氏と新里氏のデュエット形式に改変してのリメイクとなる。女性目線の失恋ソングをわざわざデュエットしたのはおそらく前述のようにHYのボーカルは新里氏という意思の表れなんだと思うけど…それ以上のものはあまり見えてこず、デュエットになった事でこの曲の新しい魅力に気付かされる…とかそういうのはなかった。
櫻坂46
坂道系で乃木坂46に続くアイドルグループ。2022年落選→2023年復活出場というアイドルグループではまず見なかった軌道を見せ勢いさえ取り戻せば紅白に復帰することは不可能ではないことを我々に示してくれたが、その後普通に他の女性アイドルとの争いに敗れて姿を消した。
「Make or break」は今年の新曲の一つ。欅坂(櫻坂)っぽさとそこはかとないK-POPっぽさを足して2.3くらいで割ったような薄味クールな一曲。なのでいわゆる櫻坂(欅坂)のイメージとはひと味違う感じの曲だが、48・46伝統のユニゾン歌唱は健在なので、そこで安心感を覚える。
「Unhappy birthday構文」は同じく今年の新曲の一つ。ノーコメントで。
椎名林檎
最近やけに紅白との癒着が見られたカリスマ女性シンガーソングライター。今回出場すればちょうど10回目の出場だったはずだが、ここに来て辞退したのかなんなのか分からないが不出場という運びとなった。
「芒に月」は今年の新曲。タイトルは「すすきにつき」と読む。東京事変で一緒だった伊澤一葉氏のバンドの曲を歌詞・タイトルともに改変したカバー曲であるそう。ビッグバンドのジャジーな演奏を基調として相変わらず椎名林檎ワールド全開の展開を見せる楽曲。最近の曲は飛ばされないために短くなっているという風潮もどこ吹く風で、今時珍しい6分台の曲でもある。
「白日のもと」は彼女の最新曲。初期によくやってた重ためのロックをもう一回やってみた原点回帰路線の一曲。こういうロック系の曲を今の椎名林檎が作ったという驚きもあるが、それ以上に驚いたのが歌声の変わらなさ。「ここでキスして」辺りの頃の没音源をそのまま出したと言われても違和感がない。曲そのものよりもその事実の方がインパクトだった。
Superfly
同じく全盛期を過ぎてからの出場が続いていたソロユニット。今年はカバーアルバム「Amazing」がそこそこ話題になったものの、発売がそれだけでは認めてもらえなかったのか、急にいなくなった。
「人として」はそんなカバーアルバムのリード曲。4人組ロックバンド・SUPER BEAVERの代表曲のカバーとなる。SUPER BEAVERは名前くらいしか知らず、この曲も初めて聴いたんだけど、概ねイメージ通りの自己啓発ソング。原曲がどんなアレンジなのかは知らないけど、とりあえずこのSuperfly版はどストレートなストバラ(ストリングスバラード)に仕上げられており、曲のメッセージ性を引き立たせることを最優先にしたような印象。
「僕のこと」はMrs. GREEN APPLEのカバー。こちらはキーもアレンジも原曲そのままになっている。ミセスの男性離れした音程の高さは一般的にも有名だが、歌唱力に定評のあるSuperflyがミセスの曲を原曲キーで歌ったらどうなるのか?という問いへの答えがここにある。サビ頭の高音はまだ声域に余裕がありそうな柔らかい歌い方をしているものの、それ以外の箇所では声を張り上げたり裏声を使う場面も少なくなく、改めてミセスの曲の高さとSuperflyの歌唱力の凄まじさを実感する結果となった。
tuki.
2020瑛人→2021まふまふ→2023すとぷりの系譜としてSNSヘビーユーザーの小中高生を狙って選出された(独自研究)現役JKシンガーソングライター。(16)になってからも頑張ってはいたようだが、どうしても(15)を超えることは出来なかったようで今回は落選となった。
「騙シ愛」は(16)時代一発目の新曲。ドラマ主題歌に起用された効果なのか最終的に2025年の彼女の曲で最大のヒット曲になったようだ。tuki.の楽曲は初めて聴いたけど、思ってたよりハスキーな声質の持ち主だったことがまず意外。曲自体は打ち込みっぽいバンドサウンドに乗せて短調の分かりやすいメロディが流れる平均的な令和J-POP。曲の色んな要素をグラフに表したら綺麗な六角形になりそう。全体的に良い曲なのは間違いないけど、突出して「ここが良い!」となる要素は見当たらないのでコメントが難しい。
「最低界隈」は彼女の今年のNo.2ヒット曲(多分)。Adoの「踊」とかmeiyoの「なにやってもうまくいかない」みたいな打ち込み主体のダンスナンバー。口調を崩した辛辣な歌詞といい、アクセントの為に変な効果音を入れてくるアレンジといい、これもまた一つの令和J-POPのテンプレといった感じで、これら2曲を聴いた事で彼女に対しては売れるJ-POPの特徴を勉強して形にする優等生的なイメージがついた。
TWICE
韓国からの刺客その4。K-POP界で日本人を入れて一番最初にブレイクしたパイオニア的なグループだが、最近は流石に他のK-POPグループに道を譲る時が迫ってきているのか、結成10周年の今年はいなくなった。
「THIS IS FOR」は韓国で発売されたアルバムのタイトル曲。最近のK-POPグループらしい全英語詞でリズム重視のグローバルな一曲だが、ボーカルのパワフルさに反して、バックの音数は少なめに抑えられ全体的に薄味な編曲になっており、ゴリゴリの洋楽みたいな曲に比べると大分聴きやすかった。
「TAKEDOWN」はメンバー3人のユニット曲。Netflix配信のアニメ「K-Pop Demon Hunters」のために用意された曲で、このアニメが世界でバズったらしく、当時売り出し中だったアルバムに急遽この曲を追加して再発する事になったという影響を及ぼしていた模様。曲そのものはまさしくゴリゴリの洋楽みたいなK-POPなのだが、メロディーの繰り返しなどで無意識に印象に残る箇所が多かったのか、不思議と悪くないと思った。
西野カナ
着うた時代から世の乙女達の共感を呼ぶラブソングを歌い続け、賛否両論はあれど強い存在感を放ち続けた女性シンガーソングライター。5年間の活動休止期間を経て去年復帰した際は一気に再評価が進み、復帰一発目の楽曲で久しぶりの紅白出場を果たしたが、今年はそこまでの勢いは保てなかった。
「With You」は今年一発目の新曲。テラスハウスでかかってそうな曲調に、かつてと遜色ないラブラブな歌詞を乗せた相変わらずブレないストレートなラブソング。ただ、あまり声を張り上げない曲調のせいか、積み重ねた時間のせいか、全体的に随分と落ち着いたように感じられる。
「マジカルスターシャインメイクアップ☆」はそんな「With You」に続いて発表された最新曲。タイトルの弾けっぷりがまず何よりも大きなインパクトだが、肝心の曲自体はK-POPっぽい涼し気な打ち込みナンバーで一定以上に盛り上がらない印象でそんなに弾けてない。やっぱり年を重ねた事で順当に落ち着いてきたのか…?
ME:I
日韓からの刺客。吉本興業と韓国の芸能事務所が手を組んで結成した11人組女性アイドルグループ。去年勢いよくデビューして紅白に初出場したまではよかったものの、今年に入ってメンバーの故障や契約違反が相次ぎ7人体制で活動を行う事態となったのが響いたか今回は落選となった。
「MUSE」は今年の新曲。エレクトロ・スウィングという奴か、ジャジーでトリッキーなトラックと予測不可能な動き方をするメロディが特徴的な攻めの一曲。シングルの表題曲にしては攻めすぎと思ったけど、そのくらい強気な方が案外印象に残るのかもしれない?
「THIS IS ME:I」は今年発売のアルバムのリード曲。自分達のグループ名をタイトルに冠し、代表曲のタイトルも歌詞に散りばめられた見紛うことなき彼女らのテーマソング。メンバー全員純日本人なのに日本語の発音がK-POP特有のそれになっているので聞き間違いやすいが、歌詞に韓国語はひとつも含まれておらず、全編日本語+英語で構成されている。全体的に良い感じの曲だと思うけど、めちゃくちゃ変わった曲だった「MUSE」の後に聴くと、えらくフツーな曲に感じてしまうのがちょっとよろしくない。
緑黄色社会
何気に貴重だった普通のJ-POPをやってくれる人達。今年はアルバムと新曲数曲を発表したが、Nコン課題曲を担当すると高確率で翌年紅白に落選する謎のジンクスに彼女らも嵌り(2023髭男、2021リトグリ、2016miwa、2015EXILE、2013ゆず、2012YUIなどが該当)、今回は落選。
「PLAYER 1」は今年発売のアルバムのリード曲。これまでよりロック色が強まった尖った曲で、「Mela!」「キャラクター」と同じくメンバー全員が分業して制作されたということで相当な気合いが感じられる。正直その2曲ほどの勢いはないけど、彼女らのイメージになかった力強い曲調に挑戦してしっかり新境地を切り開いていった所には好感が持てる。
「illusion」はアルバム発売後一発目となった新曲。アカペラサークルかと思うような男性メンバーのトゥルトゥル言うコーラスがサビよりも印象的なテンポ速めのポップス。これまた彼女らのイメージになかった新鮮な曲で、やっぱり昔の曲みたいに一発で覚えられるわけではないけど、頭の中には「トゥルトゥルコーラスの曲」として記録される程度のインパクトはある。
LE SSERAFIM
韓国からの刺客その5。元AKBメンバーを擁しK-POP界隈では高い知名度と評価を得ていたが、世間がK-POPに興味なさすぎてほとんどの一般人は紅白初出場がきっかけで名前を知るという珍事件を起こした。その後も界隈では紅白連続出場にふさわしいと評価される活躍をしていたらしいが、ひとまず3連続出場で記録はストップした。
「the NOISE」は「ZOZOTOWN」20周年記念ソング。タイトルから分かる通りYOASOBIの「夜に駆ける」を再構成したシティポップ風のミディアムナンバーで、具体的には「夜に駆ける」の一部フレーズと新規のメロディ・歌詞を混ぜ合わせて出来た曲となる。元々こういう名曲を乗っ取って自分の曲にするという手法が好きじゃないし案の定良い曲とは思えなかった。まずファッション通販の20周年をお祝いするというのに何故希死念慮をテーマにした楽曲を使わせたのか、何故原曲と真逆な希望あるラブソングに改変したのか、担当者はこんなのを本気でタイアップ先にふさわしいお洒落でカッコいい曲だと思ったのか、一から十まで理解に苦しむ。これを歌わされた彼女らの内心を知りたい。自分なら仕事として割り切るしかないと思う。
「SPAGHETTI」は韓国で発表された最新曲。ラップ担当の客演としてあのBTSからメンバーを召喚した効果もあり順当なヒットを見せた模様。楽曲はクールな洋楽サウンド以外の感想が出てこず、その手のサウンドに疎い自分にコメントできる事は何もない。曲の良し悪しすら判別できない。
Omoinotake
Official髭男dismと同郷の音楽性も結構似てる3ピースバンドで、昨年ドラマ主題歌がバズったことで一気に紅白初出場までこぎつけたが、そこに続ける新曲がなかなか出てこなかったようだ。
「ひとりごと」は恐らく彼らの今年一番のヒット曲。アニメ「薬屋のひとりごと」主題歌に起用されたことでヒットに至ったようだ。感情込めまくりの王道バラードで悪くないと思うけど…ちょっとあまりにも髭男すぎないか。曲調がド王道なので印象が被るのはある程度仕方ないと思うけど、この裏声を織り交ぜた歌唱法は寄せに行ってないか!?自分が気にしすぎなのか?
「フェイクショー」はその次に人気っぽかった今年の曲。ドラマの主題歌に起用されたミステリアスなブラスポップ。これも髭男っぽさがないとは言い切れないけど「ひとりごと」程ではない。タイトルから想像するほど妖しげなアレンジではないが、それなりにスリリングな曲に仕上がっている。
Creepy Nuts
2人組ヒップホップユニット。去年はその年を代表するレベルの一曲を生み出し満場一致で紅白初出場に至った。本来その前から紅白出場できる程度の存在感はあった上、今年も活動はしっかりしていたようなのだがあまりにも去年が凄すぎて落選となった。
「Mirage」はアニメ「よふかしのうた」オープニング。スパニッシュと呼ぶのかラテンと呼ぶのかよく分からないけど、とにかく洋でも邦でもあんまりイメージになかったリズムがセクシーな一曲。まさか日本のミュージシャンがこんな異国情緒たっぷりな曲を出してくると思ってなかったので、不意を突かれたと同時にここまでで初めて聴いたどの曲よりも記憶に残った。
「オトノケ」は去年秋に発表されたアニソン。前回出場時に歌った「Bling-Bang-Bang-Born」に続く勢いでヒットしていた曲なので、もし今年あまり活躍できなくてもこの曲で出場できると思っていたのだが…曲自体は3分間にこれでもかとリリックと展開が詰め込まれた洪水のような一曲。ヒット曲とはいえ自分が耳にする機会は多くなかったはずだが、少ない機会で脳内にガンガン侵入し、いつの間にか覚えている曲になったのが恐ろしい。
GLAY
90年代後半にミスチルに代わって一世を風靡したモンスターバンドの一つ。全盛期に3回連続出場した後、去年デビュー30周年の節目に久しぶりに出場した。今年はベストを発売した以外は12月に新曲を出す予定があるのみで、活動らしい活動は見られないため当然不出場。
「Winter, again」は全盛期でも筆頭格のヒット曲。GLAYはEXILEとコラボした「SCREAM」しか聴いた事なくて壮大なバラードが売りのバンドだったという情報しか知らないんだけど、この曲はそのイメージからはやや離れた王道90年代J-ROCK。曲調的には自分の好みにどストライクだし、大ヒット曲と呼ばれるだけの風格も感じられるけど、どうしてかあまり自分の頭には残ってこない。もしこの時学生だったらGLAYよりラルク派だっただろうなと思った(昔ベスト聴いた時にピンときた曲が複数あったから)。
「BELOVED」はアコギ主体のメロディアスなミディアムナンバー。壮大なバラードとはやっぱりかけ離れているけど、スケールの大きさは感じられるラブソング。こちらはJ-POPらしい覚えやすさと親しみやすさがある非常に強いメロディが何よりも魅力的で、こういうキャッチーなメロディが他にもボンボン出てきていたとすればバンドがあそこまで巨大な存在になったのも納得できる。やっぱ当時GLAY派だったかも
こっちのけんと
自称「緑のマルチアーティスト」、俳優・菅田将暉の実弟としても知られるシンガーソングライター。今年も新曲をバズらせることに成功し、連続出場してもおかしくはなかったのだが、Creepy Nutsと同じく去年がすごすぎたせいか落選した。
「けっかおーらい」は今年の彼の代表曲。元々「僕のヒーローアカデミア」というアニメの外伝作の主題歌として発表された曲のようだが、個人的にはそれ以上にショート動画で死ぬほどサビが使われていた曲という印象の方が圧倒的に強い。言われてみればなんとなくヒロアカのイメージに合いそうなアメコミっぽいド派手なサウンドが特徴的な曲だ。「はいよろこんで」の次に来る曲を作るとなると、自分には想像もできないプレッシャーに襲われただろうけど、これを聴く限り彼は充分頑張ったと思う。
「それもいいね」はNHKの新教育番組(ハッチポッチステーションとかクインテットとかフックブックローとかの後継)「The Wakey Show」のテーマ曲。番組では出演者が歌った音源が使われているようだが、今回はこっちのけんと本人によるセルフカバー版を聴いてみた。子供番組らしく明るい行進曲っぽい曲調で自分らしくいる事を肯定してくれるひたすらに前向きな一曲で、もしも自分がα世代(2011-25年生まれ)あるいはβ世代(2026-40年生まれ)だったら間違いなく幼少期の大切な曲の一つになってただろうな。
THE ALFEE
70年代から活動する古参ロックトリオ。80年代のブレイクによる初出場からデビュー50周年に伴う41年ぶりの出場を果たし、紅白史上最長のブランクが話題になったが、今年は特に何もなかったので不出場。
「星空のディスタンス」は去年の紅白で歌われた代表曲。紅白初出場の翌年に発表され、ヒットの規模的にも本来は2連続で出場してこの曲を歌うのがセオリーだったはずだが、結局紅白でこの曲が歌われるまで40年もかかったという…楽曲は歌謡色の強いロックナンバーで当時のトレンドをひしひしと感じられる仕上がり。
「HEART OF RAINBOW」は新曲。ロボットアニメか何かの主題歌みたいなシンセブラスと熱血なギターが力強い一曲。この名曲っぷりでタイアップが何もないのも驚きだが、もっと驚いたのが52年も続けてて未だに毎年新曲を発表していること。全盛期をとっくに過ぎたはず(失礼)の彼らがどうして今でもたまにネット上でファンを見かけるくらいの人気を維持できているのか不思議に思っていたが、その理由の一端を垣間見たかもしれない。
JO1
日韓からの刺客その2。先ほどのME:Iと同じ事務所で彼女らに先立って3連続で出場中だったものの、今年の中ごろからメンバーが相次いで不祥事で活動休止に入り、11人から9人に減ってしまったのが響いたか落選となった。
「BE CLASSIC」はベートーヴェンの「運命」をサンプリングした本格的なヒップホップ。確かにCLASSICとタイトルにあるけどまさかそのクラシックだとは思わないじゃん。K-POPっぽい威圧的なラップやクールなボーカルは普段ならむしろ苦手な要素だが、後ろで馴染み深いフレーズが全編に渡って繰り返されるのでどうしたって印象は残るし、面白い試みだなと思った。
「Handz In My Pocket」はここまでのアイドルの曲で何気にあまり遭遇してこなかった四つ打ちのダンスナンバー。このリズムは大好物だけど、みんなクールに決めてて近寄りがたいというのは他の韓国系アイドルの曲で抱いた印象と同じ。
Da-iCE
NOT韓国、NOTジャニーズの男性アイドルグループ。ヒットに恵まれず10年近く不遇の時を過ごしていたのが2020年代に入り大躍進、去年結成14年目にして念願の紅白初出場を果たしたが今年はあっさり居なくなってしまった。
「ノンフィクションズ」は今年の「熱闘甲子園」テーマ曲。メンバー全員が30代ということもあって、当事者目線で高校球児たちを鼓舞するのではなく選手達よりも年上の立場からエールを贈るような形の応援歌となっている。ブラス…というかこの曲の場合は吹奏楽をフィーチャーした超ハイテンポのポップスで、あまりの速さと音程の高さからリアルに野球応援で演奏しようもんなら死人が出ると思われる。知らんけど。
「CITRUS」は彼らの代表曲。ドラマ主題歌に起用され、レコード大賞にも輝いた文句のつけようがないヒット曲で、なんならSpotifyでは前回の紅白で歌われた「I wonder」より再生数が高い始末。紅白ではその年あまりヒットを出せなくてもまだ紅白で歌ってないヒット曲を歌う事で出場記録を延ばす事例がよく見受けられるが、彼らの場合はそのパターンにうってつけなこの曲を歌う機会すら貰えなかったのが可哀想。曲自体はグルーヴィーなロックバラードで、サビの突き刺すような高音がハイライト。
TOMORROW X TOGETHER
韓国からの刺客その6。BTSの直の後輩で、前々から界隈では名が知られていたようだが、紅白に連続出場できるほどのパワーはなかった模様。
「Love Language」は今年唯一?のシングル曲。装飾少な目でヒップホップ色もないシンプルなポップス。ぼんやり聴いてるうちに終わってしまう。
「Beautiful Strangers」は新アルバムのリード曲。16ビートでザ・K-POP (洋楽?)って感じの涼し気なポップス。シンセの音色は割と好き。
B'z
前回出た中で一番の大物と言っても過言ではない大御所ロックデュオ。去年は朝ドラの主題歌を担当した縁で初出場し、中継で主題歌を演奏した直後にサプライズでステージに降臨し、代表曲を2曲ほど追加で演奏したのは前回のハイライトの一つに数えられている。今年は特に縁もないので居ない。
「鞭」は今年頭に出た新曲。ほぼ全編に渡って居座るワウワウうねるギターが気になるが、全体的にはこれぞB'zって感じのロックナンバー。B'zの曲で自分が知っているのは「ultra soul」とこのベスト盤の曲だけだが、それらで聴けたボーカルに比べるとやや穏やかな歌い方になったなとも思った。
「FMP」は今年発売のアルバムのリード曲。アサヒスーパードライのCM曲で、タイトルは「Follow My Passion」の略らしい。そんな謳い文句通り「鞭」以上にエネルギッシュでハイテンポなロックナンバーだが、やっぱり若い頃ほどの無茶はせず、今の自分が余裕をもって出来る範囲でパワフルさを発揮している印象。お二人とも60代なんだからまぁそりゃそうだよな。
藤井風
近年カリスマ的な人気を集めている男性シンガーソングライター。今年9月には3年ぶりのアルバムを発表し各所で絶賛された他、テレビにはめったに出ないのにNHKの番組には割と積極的だったのもあって出場が有力視されていたが、最初の発表には名を連ねていなかった。
「真っ白」は結果的に今年唯一となった日本語の新曲。アコギ主体の穏やかな一曲で「いろはす」のCMソングに書き下ろされただけのことはある非常に澄み切ったJ-POP。当時自分は「花」以来久しぶりに良い感じの藤井風の曲が来た!と思った。今後彼がどんなキャリアを築くのかは分からないけどこういう親しみやすい曲を作ることも忘れないでほしいなと切に願う。
「Hachikō」は今年発売のアルバムのリード曲。全英語詞となったアルバムから最初に発表された曲で、全英語詞といった傍から日本語で繰り返される「どこへ行こう ハチ公」という音声のループが強烈な印象を残す洋楽風味の一曲となる。藤井風が紅白に出る時はいつも最初に出てくるリストには名を連ねず、後日発表される形をとってきたので今年もその形で出場するだろうと自分は読んでいる。この曲は難解だから、出るならもっとメロディアスな「Love Like This」か、日本語歌詞の「真っ白」を歌ってほしい。
南こうせつ
往年のフォークシンガー。去年はとくに節目の年でもなく(1970年デビュー)選出理由は全くの謎だったが、当日は同じフォークシンガーでありデビュー50周年だったイルカと共演し、胸に北朝鮮拉致事件の被害者の救済を求める意を表するブルーリボンを付けて出場したのが話題になったとか。
「神田川」はそんな去年の紅白で披露した代表曲。正確には彼が率いていたかぐや姫というグループの代表曲で、昔の恋人との青春を振り返るフォークソングなのだが、はっきり言ってめっちゃ辛気臭い。間奏のバイオリンや、随所に入り込むマンダリンが物悲しさを増幅させて痛々しさすら覚える。
「僕の胸でおやすみ」はかぐや姫の出世作。今回聴いたのは今年の秋に藤井フミヤとのコラボでセルフカバーした音源。こっちは現在進行形で主人公が恋人と交際を続けてはいる様子なのでまだ「神田川」よりも明るく穏やかなフォークソングになっている。余談だが、この音源を聴いててどっちが藤井フミヤでどっちが南こうせつか判別できなかったので、両者の歌声にはクセがないことがこれで分かる。
山内惠介
10年連続出場からまさかのリストラとなった男性演歌歌手。ここ最近は三山ひろしと並んで貴重な若手演歌歌手として年々雑になっていく扱いにも耐えながら何とか出場していたのだが、デビュー25周年を目前にして突如梯子を外されるあんまりな事態に。どうしてこうなった。
「闇にご用心」は今年の新曲。まさかの椎名林檎提供で、オケをそのまんま流用してセルフカバーされても違和感なさそうなジャジーな歌謡ポップス。演歌と呼べるかは微妙とはいえ話題性は抜群だったと思うのだが、林檎の力をもってしても紅白出場が叶わなかったとなるといよいよ演歌の未来も暗い気がしてくるな…
「北の断崖」はCDになった今年の新曲。「きたのきりぎし」と読むらしい。こっちは超正統派の演歌で、それ以上のコメントは出てこない。界隈の様子を見た感じ今の演歌界で一番売れているのは彼らしく、余計に今回の落選が不可解に思われているようだ。演歌歌手の枠を減らすにしても、削るべきはこの人じゃなかったと自分も思う。三山さん削った方がよっぽど納得でき
そういえばいない人たち
AiScReam
「ラブライブ」シリーズの声優による派生ユニット。デビュー曲が予想外の大バズりを呼び、ほぼ1年中に渡ってのブームを起こしたため某メディアが紅白内定との報を出し話題になったが、蓋を開ければ普通にいなかった。
「愛♡スクリ~ム!」はそんな規格外の大バズりを見せたデビュー曲。例の「チョコミントよりもあ・な・た」の部分は実は2番のAメロに過ぎず、曲の全容はラムーのテーマ曲みたいな爽やかなアイドルポップス。注目を浴びたのは台詞パートだけで曲全体まで聴きに行った人はそんな多くないと思っているので正式な出場者として出てこられると違和感があるけど、特別企画でワンフレーズだけ歌いに出てくるという形での出場はアリだと思う。
「ICE LIMIT」はC/W曲。今のところこのユニットの持ち歌はこの2曲だけとなっている。表題曲とは打って変わって平井大みたいなチルで涼しげな曲。これをJ-POPやK-POPのアイドルが普通に歌っても多分何の印象にも残らず忘れていくだけだと思うけど、このユニットにはまず日常で出会う事のないマジでアニメキャラみたいな声質の持ち主がいるので、そういう声色の人がこんな曲調に挑戦しているというギャップでそこそこ印象に残る。
Ado
日本一有名な歌い手。今年は自身初のベストアルバムを発売したり、世界20カ国以上を回る大規模なワールドツアーを敢行したり、今までにも劣らない精力的な活動を行っていたが、2年連続で紅白には出てこなかった。
「エルフ」は今年一発目となった新曲。彼女の類稀なる歌唱力を存分に見せつけるシリアスなバラード。作曲者はてをにはというボカロPだが、この曲はドラマ主題歌ということで、いつもとは違うターゲット層に合わせたのかボカロっぽさは皆無。「ファイナルファンタジー」や「キングダムハーツ」みたいな主題歌があるタイプのゲームで使われてそうな感じはある。
「MAGIC」は現時点での最新曲。あのアニメ「CAT'S EYE」リメイク版のOP曲として発表されたスウィングするフューチャーファンク。米津玄師の「IRIS OUT」と印象が丸被りしている(時期的にどっちかがパクったとかはあり得ない)。「IRIS OUT」は前述通り良さを理解するまでに結構な時間がかかった曲だから、多分これも数か月かけて繰り返し聴けばいつかは良さが分かるようになるタイプの曲だと思う。
=LOVE
指原莉乃プロデュースの10人組女性アイドルグループ。今年は新曲がTikTokでバズったらしく、アイドル界隈ではKAWAII LAB勢に並んで出場が有力視されていたそうだが、今年は無念の落選となった。
「とくべチュ、して」はそのバズった新曲。正直彼女らの新曲がバズってるという話は聞いたことがなかったのだが、サビだけはどこかで耳にしていたのかうっすら聴き覚えがあった。曲はまぁ普遍的でキャッチーな可愛らしいアップテンポナンバー。彼女らの曲は「青春"サブリミナル"」と「この空がトリガー」の2曲しか覚えてないけど、それに続く存在感はあったと思う。
「超特急逃走中」は「とくべチュ、して」のC/W曲。表題曲に付随してこの曲もTikTokでバズってたらしいけど、こっちはTikTokの外を出てこなかったようで全く聴き覚えがない。曲の人気の基準が「バイヤー高橋が曲を逆翻訳したか」「千鳥の鬼レンチャンで楽曲が取り上げられたか」「Spotifyの再生数ランキングに入ったか」の3つしかない自分としては、紅白出場まで行くにはもう一声ほしい。彼女らは多分もっと上に行ける。
宇多田ヒカル
言わずと知れたカリスマ女性シンガーソングライター。今年は米津玄師とのコラボ曲が大きな話題を呼んだが、元々お互いそんなにテレビに出てこないのもあって、大方予想通りの不出場となった。
「Mine or Yours」は今年唯一の新曲。近年の彼女らしい静謐で高尚な玄人好みのスローナンバー。あの宇多田ヒカルが書いた曲だから何かしらすごい所はあるんだろうし、評論家はやっぱり今回も絶賛の嵐だけど、教養のない自分にとってはあまりに質素すぎてどうにも良さが見つけられない。
「JANE DOE」は米津玄師とのコラボ曲。制作は作詞作曲編曲まで全部米津サイドで完結しており、ゲストボーカルで参加した以上の関与はない模様。曲の方は何かアーティスティックな小難しいバラードで、どっちかというと宇多田側が書いた曲と言われた方がしっくりくる路線。
XG
日本人7名からなる女性アイドルグループ。J-POPでもK-POPでもないX-POPとやらをモットーとして、韓国を拠点にグローバル志向の活動を進めている最中で、日本人で初めてコーチェラ(アメリカの大手音楽フェス)のセカンドヘッドライナー(出演アーティストの一覧で2行目に載せられる)を務めるなど一定の結果も出していたが、紅白には名を連ねていない。
「IS THIS LOVE」は去年のミニアルバム収録曲。今年の春シングルカットされ、アルバム中で恐らく最多の再生数を叩き出している。軽快なビートにメロディアスな歌を乗せて2分半で駆け抜ける身軽な一曲で、確かにJ-POPとは全く異なる曲調の一曲。ただ自分はこの曲調だったらX-POPじゃなくて普通に洋楽、もしくはポップスと呼ぶかな…
「SHOOTING STAR」は(多分)彼女らの代表曲。ヒップホップを取り入れたより洋楽っぽい一曲。「IS THIS LOVE」はメロディ重視で、ここまで聴いてきたK-POPともちょっと毛色が違う曲だと思えたけど、この曲はキャリアの初期という事もあってかそういう独自性はまだ獲得していない印象で普通にK-POPっぽい曲だと思った。
CUTIE STREET
KAWAII LABの人たち。今回初出場の2組にも負けない規模で曲をバズらせたにも関わらず落選。いくら勢いがあるとはいえ流石に新興勢力に3つも枠は割けなかったようで、年功序列で一番若い(2024年デビュー)彼女らが犠牲になったと読んでいる。
「かわいいだけじゃだめですか?」はそんな大バズりを呼んだ代表曲。自称するだけあって、終始可愛く振る舞い続ける軽快なアップテンポナンバー。聴いてると口角が引き攣ってくるのは節電の為に暖房を切った14℃の部屋にいるせいか、曲の歌詞を見て何とも言えない微妙な気持ちになったせいか。
「ひたむきシンデレラ!」はそれに続いて人気だった曲。元々は「かわいいだけじゃだめですか?」のC/W曲だったようだ。一回聴いただけである程度覚えてしまう驚異的な人懐っこさを持ったメロディがC/W曲と思えない王道片思いラブソング。ハードルが下がってたというのもあるかもしれないが、まさかこんな所でここまでタイプなメロディの曲に出会うとは…
超ときめき♡宣伝部
ももクロの後輩。数年前からじわじわと人気は獲得していたようで、去年~今年辺りには楽曲をバズらせる事にも成功したが出場にはあと一歩及ばず、「ももいろ歌合戦」があるからいいだろとばかりに選外となった。
「超最強」は今年バズった(らしい)曲。一般人からはKAWAII LAB.との区別がつかないと言われがちだが、実際そんな感じの超王道アイドルポップス。強いて違いを挙げるなら、こっちの方が伴奏の音数が少ない&ファンキーなことくらいか。
「最上級にかわいいの!」は去年バズった(らしい)曲。管弦をフィーチャーした華やかなアレンジが特徴的な明るい失恋ソング。こういうアレンジはKAWAII LAB.では聞かなかったので、良い差別化になっていると思う。これが彼女らのメインの路線なのかは知らないけど。
BABYMETAL
15年走り続けても未だに後続がやって来ない、唯一無二のコンセプトを誇るメタル・アイドルユニット。日本よりは海外での存在感の方が強く、紅白も2020年に一度出たっきり。今年はアルバムがアメリカのビルボードで第9位を記録したり、2万人を動員するロンドン公演が完売したりとグローバルな活躍を見せたが紅白には出てこなかった。
「RATATATA」は今年発売のアルバムの収録曲。ドイツのメタルコアバンドとコラボしたEDMにメタルを混ぜたみたいな曲調で、歌詞もほとんど英語のグローバルな曲。自分が普段聴いている音楽とは全く別の世界にいるような曲だが、一応ロック要素が含まれ、本当に一瞬だけど日本語で歌う固まったバースがあるという事でK-POP系の音楽よりはわずかに取っ掛かりがある。
「ギミチョコ!!」は彼女らの代表曲。メタル+アイドルノリというこれはこれで馴染みない音楽には変わりない組み合わせで、メタリックな長い間奏→ぶりっ子アイドル的な掛け声→やけにキャッチーなサビという流れを繰り返すシンプルな構成の曲。馴染みはないけどついていけなくはないという点では「RATATATA」と共通している。
嵐
なんだかんだで国民的アイドルだった5人組グループ。来年の春頃に解散を発表しており、テレビに向けた最後の晴れ舞台として紅白出場が期待されていたのだが、まぁそんなことはなかった。
「A・RA・SHI」はそんな彼らのデビュー曲にして最大の代表曲。当時世間にも広まりはじめていたヒップホップ要素を散りばめたダンサブルな一曲。一度聴いたらしばらく頭から離れないキャッチーさで、ラストシングルの「カイト」に抜かれるまで一番売れたシングルだったという事実も驚異的で象徴的だ。
「Love so sweet」は彼らをさらなるブレイクに導いたヒット曲。歯の浮くような甘い歌詞と覚えやすいポップなメロディ、これを当時ブレイク寸前のイケメン達が歌っているんだからヒットしない訳がない。この記事で自分が多用している「王道アイドルポップス」という概念はこれと「One Love」が元祖と言っても過言ではない。そんな曲。
Official髭男dism
現代のJ-POPを語る上で欠かせないバンドの一つ。今年はスタジアムツアーやアリーナのこけら落とし公演などライブに力を入れた一年だった一方で、新曲は8月に出した1曲のみ(その後執筆中にもう1曲出た)。そのせいかは定かではないが2年連続で不出場となった。
「らしさ」はそんな貴重な新曲。恒例のアニソンタイアップで、何気に髭男では遭遇した事がなかったドラムンベース風の疾走感あるロックナンバー。こういうビートの曲はここまででも何曲か出会ってきたし、去年より前にも米津玄師の「KICK BACK」とかあったけどそれらに比べるとビートの響きが柔らかく、サウンドよりもこの叙情的なメロディを聴かせようとする意志を感じた。この点からは、彼らが出てきた当時同時期にブレイクしたKing Gnuと並べて「昔で言うGLAYとラルク」と評され、かつ髭男はメロディ重視でポップ寄りのGLAY側として扱われた出来事を思い出す。
「Sanitizer」はつい一週間前(執筆時点)に突如リリースされた新曲。なんと「Stand By You」以来8年ぶりのノンタイアップシングルだという。内省的なR&Bっぽいスローナンバーで、多分趣味性が強く出た曲なのかなと思う。しかし8年ぶりか…自分が小さかった頃はタイアップのない新曲を出すのはまだギリギリ珍しくなかったけど、気付けば米津玄師もMrs. GREEN APPLEもあいみょんも皆ノンタイアップの新曲を数年間出していない。世はまさに大タイアップ時代だ。音楽が単体で注目を浴びることの難しさを痛感する。
King Gnu
そんな髭男と同時期に出てきて比べられることも多かったこちらのバンドも今年の紅白には居ない。元々そんなにテレビが好きじゃなさそうな風貌で、紅白もブレイク時の2019年とNHKサッカーテーマを担当した2022年にしか出場していないので、予想通りっちゃ予想通りか。
「TWILIGHT!!!」は今年の劇場版コナン主題歌。概ね近年の彼らのイメージ通りとなるちょっと難しいJ-POP。映画コナンタイアップなど意にも介していない平常運転っぷりだ。ボーカル2人とも全編ロボボイス加工されており「白日」「飛行艇」の頃みたいに声を張るサビメロがある訳でもない完全にサウンド重視の曲で、パッと聴き昔よりマニアックな方に行った感じがするが、途中でコナンのアイキャッチで定番のドアが閉まるSEが使われており、なんだかんだでタイアップ職人としての顔が覗くしちゃんと耳に残る箇所を作るポップな一面も捨てていない事が分かる。
「SO BAD」は現時点での最新曲。USJの恒例となるハロウィンイベント「ゾンビ・デ・ダンス」のテーマ曲として書き下ろされたホラーチックかつシネマティックな一曲。楽曲全体を通して連呼される「最悪で最高」というフレーズがほぼこの曲の全てであり、最後の最後で登場するサビよりもこのフレーズの方が圧倒的に頭に残る。それ以外にも曲調が変わったりボーカルが交代したり色々ギミックはあるけど結局「最悪で最高」しか覚えてない。
コブクロ
25年選手のフォークデュオ。今年は何と言っても大阪万博のテーマソングを担当しており、12年ぶりの紅白出場でこの曲を披露してくれるのを個人的に楽しみにしていたのだが、出演者リストに名前は載っていなかった。
「この地球の続きを」はそんな2025年大阪万博のテーマソング。発表当時はあのストリングス依存症で5~6分台の長尺当たり前のこってり濃厚バラード量産者だったコブクロが万博の効果か3分台に収まるストリングス不使用のポップスを書いてきたというだけで軽く衝撃だったが、それに加えて自分が3回ほど万博に行ってきたことにより、その思い出とともにこの曲にも一気に愛着が湧いてきた。最後まで批判も結構目立ってたから紅白で取り上げるには難しい所もあるんだろうけど、万博をそれなりに楽しめた身としては、2025年を象徴するステージに2人とミャクミャク様が一緒に出場する光景は是非見たい。今も希望はまだ捨ててないし、大いに期待している。
「THIS IS MY HOMETOWN」は今年制作されたミニアルバムのリード曲。アルバムのコンセプトは大阪万博に全乗っかり合わせて大阪をテーマにした楽曲を集めた作品という事になるが、この曲は故郷への思いを歌うレゲエ調の暖かな一曲。舞台は大阪に限られずどんな場所にも想定が可能で、聴き手各々の故郷を重ねられる構造。インパクトは強くないし、この記事を出す頃にはもう忘れてるだろうけど、なんか、率直に良い曲だなと思える。
サザンオールスターズ
J-POP界を代表する大御所ロックバンド。今年は10年ぶりとなるアルバムを発売し、その収録曲の中にはNHK放送100年プロジェクトのテーマソングも含まれる。フロントマンの桑田佳祐が近年紅白出演に積極的である事からも出場が有力視されていたのだが、今年は居ないようだった。
「桜、ひらり」はその新アルバムの先行配信曲。サザンというより桑田氏のソロっぽいってかライナーノーツによると桑田氏と原氏以外は演奏してないっぽい作風の自然体なミディアムナンバー。流石に勢いは落ちてきているがそれでもなお現役のJ-POPミュージシャン達と張り合えるメロディメイカーっぷりを存分に発揮しており、安心感のあるポップスにしみじみと浸れる。そういえば万博のパビリオンの一つに出口付近でこの曲がかかっている奴があって、その場で聴いた時は今ここで座って聴いてる時の3倍は感動した。
「神様からの贈り物」はNHK放送100年プロジェクトのテーマソング。「桜、ひらり」よりアップテンポでより王道なポップミュージック。個人的には帰省中の実家で深夜に何気なく付けたTVでこの曲がかかってたのを見て「また桑田さんが良い曲書いてる」と思った印象が強い。タイアップ的にも今年はこの曲で出てくれると思ってたんだけどなぁ…
Snow Man
ジャニーズ改めSTARTOの筆頭格アイドル(らしい)。事務所ごと紅白出禁を食らってから2年が経過し、その間代わりに実施していたYouTubeの年越し生配信が紅白出場よりもファンに好評なことに気付いたらしく、出禁が解除された今回も復帰はしなかった。
「カリスマックス」は今年バズった曲。Spotifyの人気曲Top50に入っているから間違いない。平メロは基本Creepy Nutsを意識したような早口ラップで構成されているが、ユーロビートやオーケストラヒットみたいなちょいダサ要素も盛り込む事で親しみやすさも忘れない令和最新版(?)のJ-POPアイドルポップス。カリスマ性は感じられないけど好き嫌い関係なく問答無用で頭に残ってくるインパクト全振りの飛び道具のような曲だ。なんだかんだでこういうの嫌いじゃない。
「SERIOUS」は夏ごろに発表された新曲。バズり路線へ全力投球していた「カリスマックス」よりはもう少し聴かせる方向性で、まさしくここ数年の名前は知ってるけど曲は全く知らないジャニーズ系グループが歌ってそうなクールに決めたダンスナンバー。こんなにも自分の偏見にドンピシャで当てはまる曲調で来られるとは。
timelesz
またの名をSexy Zone。一気に5人の新メンバーを加え再出発し、いきなり過去最高レベルの勢いをつけたらしいが、彼らも紅白復帰には至らず、結局旧ジャニ系ではKing & Princeだけピンポイントで出場してNumber_iと共演させるという一番気まずい采配に。まぁ直接交流はしないだろうけど…
(12/6 追記)SixTONESが追加で出場するとの発表が届いた。まぁ彼らはNHKホールじゃない別の場所から中継で出るらしいけど…
「Rock this Party」は改名後一発目となった再デビュー曲。後ろでずーっとジャカジャカ鳴ってるファンキーなギターのせいでリゾートビーチの光景が目に浮かんでくる夏っぽい爽やかポップス。個人的には刺さらなかったけど再デビュー曲としては非常に勢いがあって良いんじゃなかろうか。
RIP SLYME
平成中期のJ-POPを彩った5人組ヒップホップユニット。最近はメンバーの不仲で実質解散状態だったのが、デビュー25周年を記念して来年3月までの期間限定で奇跡の再結成を果たす。実は紅白には一度も出場したことがなくこれを機にまさかの初出場なるかと思っていたが、そうはいかなかった。
「どON」は再結成とともに発表された9年ぶりの新曲。自分が彼らに対して何となく持っていたイメージそのまんまのパーティーチューン。良い意味で変わらないノリが楽しく、ラップの中で次々矢継ぎ早に登場する新旧ヒットチューンや往年のギャグ・CMフレーズの引用が耳を引く。
「熱帯夜」は彼らの後期の代表曲。今年は発売当時この曲のPVを完コピした平成の高校生たちの動画が「あの頃を思い出す動画」としてじわじわ再注目を浴びており、そこに社会人になった彼らによる再現動画が上がったことで動画もろとも曲自体の人気も一気に再燃、一躍「時の人」ならぬ「時の曲」となった。元々この曲はエロティックなニュアンスを多分に含んでおり(公式チャンネルがYouTubeに上げてるPVは年齢制限を食らっている)、そういう過ぎ去りし平成の日々…みたいなセンチメンタルな話題で出てくるような曲じゃなかったはずだが、世の中何がリバイバルするか分かった物じゃない。
TikTokで一山当てた勢&歌い手・VTuber勢
最近の紅白には毎回一枠は設けられていた一曲だけ飛び抜けてバズったTikTok発のインディーアーティスト勢や、毎年来るか来るかと言われ続けているVTuber勢だが今年はどっちもなかった。
今年のTikTok勢は去年までと比べるとやや小粒な印象でアプリの外を出ないというか、TikTokやってない勢にまで波及するようなヒットが現れなかった感じがする。可能性があるとしたら上に挙げたAKASAKIの「Bunny Girl」は曲自体は聴く機会がなかったけど「夜の始まりさ bunny girl」という歌詞の一節はネットミームとしてあちこちで見かけたのでもしかしたらいけたかもしれない。というかそれ以外でヒットは観測できてないので今年を逃したらもう無理な気がする。
VTuberに関しては、去年「ビビデバ」というヒット曲をもってしても出場が叶わなかったので今年は仕方ないのかなと。近年の紅白によくある「去年にブレイクした人を何故か今年になって出場させる」パターンも期待していたのだがそれもなかった。
ということでここまで84組のミュージシャンたちの音楽を聴いてきた。当初は1週間でさらっと書き上げるつもりだったのに、気づけば完成まで1か月もかかってしまった。これをきっかけにいくつか新しい好きな曲が発掘できたのでそんなに悔いはない。
そしてこうやって出た人に加えて出てない人の音楽も一緒に聴くと、「不満もなくはないけど、まぁオッケー」くらいの満足度だった出場者の顔ぶれが激しく物足りなく感じてくる。
今年久々に出場を決めたサカナクションのボーカル・山口一郎氏は生配信で「紅白はこっちから『出たい』と意思表示しないと出られない」という旨を話していた。どう考えても出られたはずの人達がいないのは、もしかしたらそういうことなのかもしれない。
そんな訳で、最後は自分が「今年の紅白、こんな感じなら良かったのに」と思っている理想の紅白セットリストを貼っ付けて締め括りたいと思います。少しばかり早いですが皆さんもよいお年を。
一番好きな曲 (総合):真っ白
一番好きな曲 (初聴):HEART OF RAINBOW
