みんなうなずいてくれた
資料は完成した。
僕がつまずいたところを、できる限りわかりやすくした。
言葉だけでは難しいものは図にした。
あとは届けて理解してもらうだけ。
でも、それが一番難しかった。
相手は教育委員会。
どこの誰ともわからない人間が突然電話をして、
「著作権について提案があります。」
と言ったところで、真剣に受け止めてもらえるだろうか?
それでも電話をした。
対応してくださった係員の方に事情を説明した。
当然そこで、
「わかりました。改善します。」
なんて即答できるはずも無い。
後日連絡をいただくことになった。
待った。
でも連絡はなかった。
もう一度電話をした。
前回の係員の上司にあたる方。
もう一度最初から説明した。
忙しいだろうに、それでも最後まで聞いてもらえた。
もし可能なら直接お会いして説明させていただけないかとお願いした。
その場で返事はなかった。
二十年来の付き合いの市会議員に相談した。
議員の力で変えようと思ったわけでは無い。
「批判したいわけではない。
責任を追及したいわけでもない。
ただ、改善したい。
子どもたちの権利を守りたい。
そのための話し合いをしたい。」
そう伝えると、市会議員は話を聞いてくださり、仲介と同席を引き受けてくださった。
こうして面談が決まった。
当日お会いしたのは、担当係員、係長、課長、そして市会議員。
持参した資料を使いながら、一時間ほどかけて説明した。
著作権のこと。
中一の女の子から聞いた、学校での出来事。
なぜ改善が必要だと考えたのか。
そして、新たな予算も人員も必要とせず、今の仕組みを大きく変えなくても実現できる提案であること。

※教育委員会へ提案した資料の一部です。全文は文末のPDFをご覧ください。
その場で結論が出ることはなかった。
組織には組織なりの面倒くさい手順がある。
面談が終わったあと、市会議員がぽつりと言った。
「みんな、うなずいてくださってましたよ。」
その言葉を聞いて、少し安心した。
きっと、「改善しなければいけない」という思いは伝わったんだろう。
今のところ、目に見えて何かが変わったという話は聞いていない。
もしかすると、僕の知らないところで少しずつ変わっているのかもしれない。
一人でも多くの児童・生徒の権利が守られるなら、それで十分だ。
面談の際に持参した資料は、個別案件が特定されないよう一部を一般化したうえで公開しておく。
もし教育の現場や学習の場で役立ててもらえるなら、
僕は面倒くさい権利を主張しない。
参考資料
「児童・生徒の権利って、具体的には何のこと?」
そう思われた方は、ぜひ参考資料にも目を通してみてください。
もしかすると、新たな気づきがあるかもしれません。
本資料の利用について
本資料は、児童・生徒の権利保護および教育の場における著作権理解の促進に役立てていただくことを目的として公開しています。
学校、教育委員会、絵画教室その他の教育活動や、それらに関連する会議・研究会・勉強会・研修等、この目的に沿った利用については、複製、配布、改変を含め自由にご利用いただいて構いません。出典表示も必要ありません。
また、この目的に沿った利用については、著作者人格権を行使しません。
上記の目的以外での利用をご希望の場合は、事前にお問い合わせください。
本資料が自由に活用・改善され、一人でも多くの児童・生徒の権利保護と著作権理解につながれば、作者としてこれ以上嬉しいことはありません。
【たぶん5年後に揉めそうだったので先に書いておきました。シリーズ】
第9話
みんなうなずいてくれた
(つづく)
