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【詩】赤信号を渡るとき

雨上がりの駅
未だに拙い手遊び歌を
辛うじて弾き
惨めで階段を下る

後ろから追いかけてくるのは
ポニーテールジャージ姿の
高校生が奏でる
流暢なクラッシック 

「私は何やってんだろ?」
歩いてきた道を振り返り
渡りきった横断歩道

先を歩く黒人男性を
支える2本の松葉杖は
歩道に触れる度に
ペザンテのリズムを響かせる

不自然に内を向いた
左足のつま先は
「法の名が変わったとて
苦境は減りはしないのに」と
無言で虚しさを告げて

精一杯働いたとて
奈落に突き落とす
良識ぶったご都合主義の正義で
埋め尽くされたルールに
楔と首輪を嵌められても
表通りをパレードする
利権に走った
軍人の虚構と老害の嘘に
信頼を寄せたまま

不当な真実の不安には
耳を傾けまいとし続け
何もかもを奪い尽くして
無力にしていく
私たちの傲慢で正直な「普通」



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