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【逸話3 】Little Town LEGACY 【未来への希望】



~外壁通気口に築かれた悪徳ブラック企業軍の秘密基地~



近年、目と鼻の先の島国の空で……

ではなく、

つい最近。




暗い崩壊の支配が続く島国(リトルタウン)。

人々は平穏な日常を望みながら暮らしていた。

しかし、愛知セクターのある住宅で異変が発生する。

外壁換気システムが謎の飛行体によって占拠され、

内部には大量の枝や枯草による秘密基地が建設されていた。

換気機能は徐々に低下し、住民たちの平和な暮らしにも影響が及び始める。

この危機を救うため、

なんでも屋独立軍の中年職人、

【プリンス・ブルーワーカー】が立ち上がる。

彼の背後には、伝説の職人、遊技・ブルーワーカーの意志、

そして偉大なる師たちの教えがあった――。



「気付いたら、こんなになっていて……」

依頼人さんの言葉を聞きながら、僕はパーカーのフードを外し外壁を見上げた。

一見すると普通の換気フード。

だけど、匠の魂は嘘をつかない。

内部から感じる違和感。

そして、隙間から見える枝。

完全に秘密基地だ。

「どうした、プリンス。」

懐かしい声が聞こえた。

振り向くと、そこには穏やかな笑みを浮かべた板金・ヤッさんの姿があった。

「ヤッさん…。」

『焦るな。まず状況を見るんだ。』

『お前の父、遊技も若い頃は無茶ばかりしていた。だが、困っている人を放っておけない男だった。』

僕は小さく頷いた。

「父さんなら、どうするだろう…。」

慎重に内部を確認する。

すると――

「いた。」

そこには小さな命があった。

新しい命を育てるために、一生懸命作られた巣。

ここは敵の要塞ではなく、

彼らにとって大切な故郷だった。

「困ったな…」

その時だった。

遠い島国の彼方から、静かな声が響く。

『急ぐでない。』

『見えておるか、プリンス。』

『彼らにも守るべき家族がある。』

「タマシー・八百万…」

『力任せではなく、時を待つのじゃ。』

『焦りは人生へと繋がる。』

『経験こそ最大の教師じゃ。』

僕は工具箱を静かに閉じた。

「そうか。」

「今じゃない。」

「もう少し待とう。」



数日後。

悪徳ブラック企業軍たちが、新たな島国へと旅立ったことを確認した。

「ヤッさん。」

「今ですね。」

『そうだ、プリンス。』

『匠の魂を信じるんだ。』

僕は慎重に秘密基地を撤去した。

大量の枝や枯草。

長い時間をかけて築き上げられた彼らの住処。

一つひとつ感謝を込めながら取り除いていく。

そして換気システム内部を清掃。

さらに、二度と秘密基地が建設されないよう特殊防衛メッシュシールドを展開した。

作戦完了。

依頼人さんは安心したように笑った。

「これで安心して暮らせます。」

その笑顔を見て、僕も嬉しくなった。

空を見上げる。

きっと彼らも新しい島国で元気に暮らしているだろう。

敵にも家族がある。

人にも守りたい暮らしがある。

その両方を傷つけない道を探す。

すると空に、ヤッさんが静かに微笑んだ。

「プリンス。」

「お前には、お前の道がある。」

「お前の父は伝説の職人だった。」

「だが、お前はお前だ。」

『そうじゃ。』

八百万も優しく頷く。

『比べる必要などない。』

『自分の匠の魂を信じるのじゃ。』

八百万が最後に小さくつぶやく。

『……まだ終わってはおらぬ。』

『プリンスよ、本当は……。』

その瞬間、風が強く吹き、声は途切れた。

「え……?」

僕が空を見上げた時には、八百万の姿はもうなかった。

その時の僕には意味が分からなかった――。

僕は工具箱を握り直した。

島国のどこかで、今日も誰かが困っている。

だから僕は旅を続ける。

未来への希望と共に。

【The Legacy of Craftsmanship Lives On.】

―Little Town LEGACY  逸話3 未来への希望 完 ―



【エンドロール後】

~この物語に込めた本当の想い~

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



登場人物には実際の人生を重ねています。

プリンス・ブルーワーカーは現在の私。

工具箱を片手に、困っている人の元へ向かう「なんでも屋プリンス」です。

そして、伝説の職人として登場する遊技・ブルーワーカーは、私の父を重ねています。

作中に登場した板金・ヤッさん。

この物語の中で、

板金・ヤッさんは、父の師匠であり、私自身も実際に教えていただいた大切な師匠を重ねています。

だから、作中で、ヤッさんがプリンスに語りかける言葉の中には、実際に教えていただいた言葉や、その背中から学んだことも込められています。

そして、タマシー・八百万は特定の誰かではありません。

失敗や経験。

お客様から教わった事。

先人たちの知恵。

人生そのもの。

積み重ねてきた年月そのもの。

そんな「人生の師匠」を表しています。

だから私は、今でも困った時には、

「ヤッさんならどうするだろう。」

「八百万なら何を教えてくれるだろう。」

そんなことを考えながら、工具箱を持って現場へ向かっています。


父から子へ。

師匠から弟子へ。

技術と想いが受け継がれていく。

そんな実際の人生を重ねながら描いている、もう一つの実録でもあります。

皆さんの人生にも、

きっと「ヤッさん」のような存在や、

「タマシー・八百万」のような経験があるのではないでしょうか。

私もまた、多くの方に支えられながら、人生という希望に向かって次の現場へ向かいます。

島国のどこかで困っている誰かのために。

そして、父や師匠から受け継いだ想いを、次の世代へ繋いでいくために。
【The Legacy of Craftsmanship Lives On.】

― Little Town LEGACY 【逸話3 未来への希望】
【父から子へ、師匠から弟子へ、技術と想いが受け継がれていく物語】完 ―

【予告編】

Little Town LEGACY 逸話4

未来の誕生

Coming Soon…

なんでも屋プリンス

プリンス・ブルーワーカーより

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