【レシピ覚書】ボルシチは渋谷ロゴスキーの思い出
10月も間も無く終わり。
すっかり秋になりましたね。
我が家の窓から見える木々もすっかり色づいて、アメリカ的にはホリデーシーズンが始まろうとしています。
高カロリーの祭典の始まりでもあります。ブルブル。
秋になると食卓に登る頻度が増えるもの、それはシチュー類です。
寒い日の夜、午後をかけて煮込んだ温かいシチューを食べるーー
「クレアおばさんのシチュー」的なCMを観て育った私にはそう刷り込まれているのですが、北米で育った夫にとってもやっぱり秋冬はシチューの季節らしい。
これからの季節、手を替え品を替えシチュー(または具沢山スープ)と鍋を行ったり来たりするわけですが、今シーズンの先鋒を務めたのはボルシチでありました。
ボルシチはウクライナをはじめとした東欧諸国で食されているシチュー(スープ)です。
一般的にボルシチというとウクライナ発祥のビーツが入った赤いシチューを想像しますが、Wikipediaを見ているとなんだか「白いボルシチ」「緑のボルシチ」「キャベツのボルシチ」なんていうのもあって、肉も牛肉だったり豚肉だったり。
もしかしたら「東欧的寄せ鍋」みたいなものなのだろうか。
だがしかし、渋谷ロゴスキーで育った私にはどうしたってビーツが入った赤いシチュー、あれがボルシチなのです。
私が初めてボルシチというものを食べたのは小学生の頃でした。
その頃祖父の会社が渋谷にあったので、両親に連れられて会社を訪れた後必ず立ち寄るのが渋谷ロゴスキーでした。内装や食器に使われている東洋的な模様・色合いが珍しく、異国に行ったような気分になったことを覚えています。
そこでいつも頼むのがボルシチ、ピロシキ、ロシアンティーのセット。
(確かセット売りだったような)
中でも特に好きだったのがロシアンティー。
薔薇の花びらが入った甘いジャムを落として飲む紅茶は乙女心ど真ん中に刺さり、「薔薇の花びらって食べれるんだ!」という驚きと共にお姫様になったような優雅さを感じたものでした。
今見ると本当のロシアンティーはスプーンで掬ったジャムを直接舐めながらお茶をいただくようですね。だがしかし私にとっては、器に入った綺麗なピンク色のジャムをうっとりと眺め、紅茶にひと匙入れて花弁が紅茶の中でくるくる舞う様子を楽しみ、そして甘い紅茶に嬉しくなる、というのがロゴスキーで教わったロシアンティーだったのです。
そういえば・・・ロシアンティーといえばサモワール・・・
わたくし長いことちょうどいいサモワールというものを探しているんですけど、これはまた別の機会に。
閑話休題。
そんなわけで、ロマンチックかつ優雅なロシアンティーに比べると、ピロシキとボルシチは幼い私にとって可もなく不可もなく。
・・・スラブ的なおおらかさと言いましょうか(スラブ文化大好きです)、
エルミタージュ美術館のようなロココ・古典主義的な煌びやかさがないというか。
そして今思い出すとピロシキはすごく美味しかったけどなんだかカレーパンのようだったし(何故か私の記憶では春雨が入っていた気もする…春雨!?)、ボルシチに至っては「トマト味が強いあっさりしたビーフシチュー」という認識でした。
でも、今になると思う、
「あっさりしたビーフシチュー」って大事。
シチューというものは推しなべて、こってりしていることが多いものです。
寒い日に食べることを想定しているからでしょうか、油脂も糖質もたっぷり、カロリーもたっぷり。
我が家のビーフシチューは行正り香さんのレシピを元にしており、とてもリッチなお味です。
牛肉に粉をはたいて焼き付けるせいか、とろみのあるこってりしたお味に仕上がります。夫と娘はこれが大大大大大好物で、大事に大事に何日もかけて食べてくれるわけですが(大好物だから「ぺろっと食べてしまう」わけではないというところが我が家の父娘)、寒い冬の日にいただきたくなるようなリッチさなので、月に何回も食べることはありません。
そう、毎日食べるには適さないのです。
こってりしたものが食べたいわけでもない、でも寒いからシチューを食べたい、あまり重くない牛肉のシチュー。そうなるとボルシチの出番です。
いろんなボルシチの作り方があるのでしょうが、我が家は至ってシンプル。
牛肉のポトフにトマトとビーツが入った感じ、と言えばわかりやすいでしょうか。茅乃舎の野菜だしを使うのが味の決め手だと思っています。
我が家のボルシチ
1. 以下の具材を全て電気圧力鍋(インスタントポット)に入れて、高圧で45分調理
・シチュー用牛肉(肩、モモなど) 900g
・茅乃舎の野菜だし 4パック
・ニンニク 4かけ
・水
2. 圧が抜けたら表面に浮いたり鍋の淵についたアクを綺麗に取り、野菜を入れ、低圧で20分調理
・セロリ 4本(10cm程度にぶつ切り)
・ニンジン 3本(乱切り)
・玉ねぎ 中2個(くし切り)
・キャベツ 半玉(芯をつけたままくし切り)
3. 圧が抜けたら、以下を入れて蓋を開けたままぐつぐつ20分ほど煮る
・ビーフストックペースト 小さじ山盛り2杯
・トマトピューレ 1.5カップ
・ビーツの水煮 5〜6個(水煮の汁も一緒に入れる)
・塩コショウ
4. サワークリームに刻んだ生のディル、ニンニクパウダー少々を入れたものを添えて、ガーリックブレッドと一緒にどうぞ。
4番のサワークリーム+ディルを入れることで、さっぱりとコッテリの調節が可能です。
先週の日曜に牛肉2kgで作ったボルシチは、これまた父娘が大事に大事にようやく水曜日に食べ終わりました。
洋食が続いているので、ハロウィンが終わったらさらにさっぱりとお鍋にしたいところです。
