[LVAD合併症] ドライブライン感染ってなに?補助人工心臓の感染トラブル予防とその向き合い方
ドライブライン感染とは?
「先生に“感染に気をつけてね”って言われるけど、何をどう気をつけたらいいの?」
そんな風に思ったこと、ありませんか?
ドライブライン感染(driveline infection)は、植込み型補助人工心臓(VAD)を使っている方にとって、決して他人事ではない合併症のひとつです。
HeartMate3などの補助人工心臓は、心臓を助けるポンプ(本体)と体の外にある電源装置などを、ケーブル(ドライブライン)でつなげています。このケーブルは体の中から外へ出ているため、そこがどうしても感染の入り口になりやすいんです。
重症化すると、ポンプ自体の感染や、命に関わる敗血症につながることもあるため、早めの対応が大切です。
今回はそのドライブライン感染に関してお伝えしたいと思います。
1. ドライブライン感染ってどれくらい起きるの?
「ちゃんと管理してても感染って起こるの?」
そんな疑問を持つのはもっともです。2024年までの日本での解析によると、
2年間で感染が起きなかった人はおよそ70%
5年間だと60%ほど

つまり、時間が経つほど感染リスクはほぼ一定です。ですが最初の半年間はグラフの傾きも急であり、やや感染が起こりやすい時期であることがわかります。
「移植までは気が抜けない」
というのが、正直なところなんです。
2. ドライブラインの特徴を知っておこう
「感染の原因って、やっぱりその“ドライブライン”なの?」
ドライブランの構造のせいだけではありませんが、大きな原因の一つです。だからこそ、その構造を少し知っておくと、日常のケアにも役立ちます。
HeartMate II(ひとつ前のモデル)とHeartMate3(今主流のモデル)を比べると:
HeartMate II(HMII)
柔らかい素材(シリコン+ポリウレタン+ポリエチレン)
細くてしなやか。動きに合わせて柔軟に曲がる
HeartMate3(HM3)
太くて硬い構造(シリコン+アラミド繊維+PTFEなど)
「硬いコード」みたいで、曲げたりねじったりするのが難しい
HeartMate3のドライブランは硬いのでかかかった力が伝わりやすい。
つまり
ドライブラインに力がかかった時に、皮膚貫通部(=ドライブライン出口部)に力かかりやすく、感染リスク↑ということなんです。
「なんで進化したはずなのに扱いにくいんだ…」
ここから先は
¥ 200
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?
