【展覧会レポ】福田美術館「京都の巨匠・木島櫻谷 画三昧の生涯」
【#284、約3,800文字、写真約50枚】
京都・嵐山にある福田美術館に初めて行き「京都の巨匠・木島櫻谷 画三昧の生涯」を鑑賞しました。その感想・レビューを書きます。
※ 本展覧会はすでに終了しています。
▶︎ 結論
京都観光にピッタリな美術館でした!それは主に、1)京都・嵐山に敬意を払った建築、2)木島櫻谷を含む、京都画壇を中心にコレクションされた”わかりやすい”作品群、3)鑑賞者フレンドリーを意識したさまざまな取り組みがあったためです。もちろん、関西在住の人にとってもオススメ!
おすすめ度:★★★☆☆
会話できる度:★★☆☆☆
混み具合:★★☆☆☆
展覧会名:京都の巨匠・木島櫻谷 画三昧の生涯
場所:福田美術館
会期:2025年4月26日(土)~ 2025年 7月6日(日)
休館日:ほぼ無休
開館時間:10:00〜17:00
住所:京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3-16
アクセス:嵯峨嵐山駅から徒歩で約12分
入場料(一般):1,500円(嵯峨嵐山文華館 共通券:2,300円)
事前予約:ー
展覧所要時間:約1時間
撮影:すべて可能
巡回:ー
URL:こちら
▶︎ 訪問のきっかけ
sanchiさんによる福田美術館の投稿を見て、ずっと気になっていました。
特に、記憶に残ったのが、竹本理子副館長による美術鑑紹介の動画です。流暢な英語で自ら話している様子が、外国人フレンドリーな姿勢を体現しており、大変印象に残りました。
また、建築にもこだわりが感じられたことに加え、近年に開催された展覧会の意欲的な姿勢のタイトル「京都の嵐山に舞い降りた奇跡!! 伊藤若冲の激レアな巻物が世界初公開されるってマジ?!」が強く印象に残っていたため「次、京都に行ったら福田美術館に行かねば!」と思っていました。

▶︎ アクセス

福田美術館へは、嵯峨嵐山駅から徒歩で約12分。大堰川(桂川)をめざして歩けば、到着できます。

嵯峨嵐山駅へは京都駅から約20分(乗り換えなし)で行けるため、旅行者には大変便利です。



▶︎ 福田美術館とは?

✔️ アイフル創業者による美術館
福田美術館は、2019年にオープン。コンセプトは「100年続く美術館」です。福田吉孝が収集した作品を展示しています。

福田吉孝は、京都出身の実業家であり、アイフル(東証プライム市場:8515)の創業者です。館長の川畑光佐は、福田吉孝の長女です(学芸員資格を保有)。副館長は、竹本理子が務めています。
「地元の皆様のおかげで事業を続けてこられたという感謝の気持ちがあるんです。株式上場で得た利益をどのように社会に還元すべきか、両親が考えていたとき、たまたま嵐山の土地のお話を頂戴した。それが2003年頃。同時期に絵画を120点ほど買わないかというお話が来て……。偶然が重なり『これは嵐山で美術館を開きなさいということだな』と感じたようです」
ちなみに「館長の挨拶」は日本語HPには掲載されていない一方、なぜか、英語HPには掲載されています。

美術館設立と同時に作品の収集を開始。京都画壇を中心とする約1,800点を収蔵しています。美術に詳しくない人が見ても、感動を覚える作品を中心に選んでいるそうです。
「父からは『お客様のことを第一に考えなさい』と何度も言われました。そこで美術に詳しくない方にも愉しんでいただけるよう、きれいなもの、大きいもの、わかりやすいものを集めました。キャッチコピー的なフレーズを盛り込むなど解説も工夫しています」
展覧会のタイトルやポスタービジュアルなども含めて、上記の考え方を強く感じました。

✔️ 設計はポーラ美術館と同じ人
建築設計は安田幸一が担当。過去にポーラ美術館の設計も担当しています。
▼ ポーラ美術館での展覧会の感想

建築は、京町屋の要素を取り入れた和モダンをイメージ。大堰川の横にある立地として、全く違和感のない設計だと思いました。
✔️ 酷暑の朝活にピッタリ
面白い取り組みとして「朝活チケット」があります。開館前の9時半から10時の間に入館できます。近年の夏は異常に暑いため、朝活する人のニーズにピッタリです。福田美術館は、オープンしてまだ5年目。今後の更なる発展に期待です!

▶︎ 「京都の巨匠・木島櫻谷 画三昧の生涯」感想

木島櫻谷(1877−1938)は、近世の伝統を受け継ぎながら徹底した写生を礎に独自の画境を切り開いた巨匠です。この度、福田美術館と嵯峨嵐山文華館では2021年の「木島櫻谷展」から約3年半の時を経て、満を持して回顧展を開催します。

✔️ ギャラリー1

木島櫻谷は京都・山上室町生まれ。浅井忠と交流もありました。文展で6回連続上位入賞、帝展で審査員も果たした京都を代表する画家です。1938年に電車にぶつかって亡くなりました。


アニメと実写の融合みたいで、遊び心がある

キャプションには、目を引くキャッチコピーが記載されています。一見、敷居が高そうな作品も、身近に感じられる効果があります。

当日、嵐山にいる人の半分以上が外国人でした。福田美術館にも外国人もチラホラ。館内のキャプションには、しっかり英語が併記されていました。例えば「家康奇智」は「The Extraordinary Wisdom of Ieyasu」!英語のタイトルを見ても面白し、勉強になります。

木島櫻谷の作品は、写真のように写実的であるものの、オリジナリティも感じます。なかには、人間もいれば、かわいい動物もいます。



美しいグラデーションに目を奪われる

木島櫻谷もこんな姿勢、こんな道具で絵を描いていたのかな?

キュレーターにドラクエ好きがいる?


この展覧会で一番好きな作品。
怖そうだけど、どこかかわいい虎。
顔が蟹っぽい

✔️ ギャラリー2

水野美術館(長野)も蔵をイメージした設計
木島櫻谷は、京都市動物園で動物を写生していたそうです。1900年当時でも、動物園には、ライオンやトラもいたようです。

木島櫻谷の弟・木島桃村の作品(23歳で夭折)




和むキャッチコピーですが、そういう目で作品を見ちゃうのが難点

「おつかれさま」感がある

木島櫻谷の作品から、メッセージ性をあまり感じませんでした。しかし、京都らしい「はんなり」「ほんわか」した雰囲気を感じました。木島櫻谷も、そのような性格だったんだろうな、と想像しました。東京人だと、このようなニュアンスの絵は描きづらいかも。
題材に動物が多いため、心が自然と和みます。現代アートのように「メッセージ」「問い」がなくても、「感じる」気持ち良さを実感した展覧会でした。

大胆な構図が面白い

風格がある

なお、展示室は自動ドアで仕切られていました。空調の音が聞こえるほど、室内は非常に静かだったため、カメラのシャッター音を出すのも躊躇しました(電子シャッターを使用したため、写真にフリッカーが発生)。館内では耳栓も配っていました(初めて見た取り組み)。
静かな館内は鑑賞しやすいと感じた一方、自動ドアの開閉音がうるさかったことが気になりました。技術革新が進んだ現代なら、音がしない自動ドアだってありそうな気がしますが。静かにするための自動ドアがうるさいとは、本末転倒です…😅
✔️ パノラマギャラリー

パノラマギャラリーには、団扇の作品を展示していました。扇子を掛け軸に貼る作品は何度も見たことがありました。しかし、団扇は初めて見ました。



使い終わった団扇を作品に再利用するのはサステナブルです。団扇が展示されていると、見ていて涼しい気持ちになるのが不思議でした。

✔️ ミュージアムカフェ

館内には「パンとエスプレッソと福田美術館」が同居しています。カフェからは、涼やかな池、道ゆく人々、たおやかな大堰川が見えて最高!2時間でも3時間でも読書をしながら過ごせそうでした。




なお、11時半の時点で、驚いたことに食事系がすべて売り切れ。やる気なさすぎやん。パンがないなら「パンとエスプレッソと福田美術館」に改名してください😨


✔️ 第2会場へ!

福田美術館と嵯峨嵐山文華館に資本関係はありません。しかし、嵯峨嵐山文華館の理事長は、福田吉孝が勤めているそうです。そのような縁があり、2館合同で同じタイトルの展覧会を実施しているようです。
▶︎ まとめ

いかがだったでしょうか?オープン5年目の比較的新しい福田美術館。京都・嵐山にマッチした建築の外観や内観に加え、京都らしい作品群は、コンセプトがはっきり感じられたため、気持ちよく鑑賞できました。京都を代表する画家・木島櫻谷の作品を見て和むこともできました。京都観光にはピッタリな美術館です!
いいなと思ったら応援しよう!
Thank you for your support!