メニューはたった3品だけ!!
夕焼けだんだんから続く谷中銀座商店街は、
今なお昔からの町の風景を残していてとても趣きがある。
なんでも谷根千エリアは、江戸時代の地図でも歩けるそうだ。
道がほとんど変わってないらしい。

この昔ながらの風情が、外国人に人気の観光スポットになっている。
よくドラマや映画にも使われるから日本人も含めて、
思った以上に観光客が多い。
この谷中商店街から曲がった路地に
こだわりのうまい町中華のお店がある。
このあたりでは有名なお店だ。
何がこだわりかと言えば、
もやしそば、チャーハン、焼き餃子の3メニューしかないのだ。
いや、一応、ライスとザーサイもあるんだけども、
グランドメニューとしてはこの3つのみ。
あとは飲み物(特に酒類)だけ。

なかなか思い切っているのだ。
もやしそばだけ。ラーメンすらない。
チャーハンも1種。半チャーハンすらない。
半チャーハン? なんだそれ。
チャーハンはチャーハンだろ、という強気な戦略。
その強気な戦略の割には、めちゃくちゃ家庭的な店内。
まさに家族経営なのだろう。

コロナ禍くらいまでは、たくさんのメニューを揃えていたらしいが、
お店の方が高齢化していることと、そもそものコロナの影響で
一時期は休業していたそうなのだが、
メニューを絞ることで営業を再開できている。
メニューを絞るって発想、実はかなり効率的なのだ。
1つは、旨さを追求できること。
仕込みも3メニュー+ザーサイくらいなので、
それだけに手がかけられる。
だから一つ一つが丁寧に作られていて旨いのだ。
しかも調理の回転効率も良い。
2つめは、原価率が抑えられること。
スープ、麺、米、豚肉、ナルト、卵、もやし、ニラ、ニンニク、餃子の皮。
これだけの食材で全ての料理が賄える。
無駄な食品がないから、ロスがほぼない。
わざわざ、もやしそばだけにしているのも、こだわりに思えつつ、
実は最小原価で作れるラーメンだからという計算の上だと思う。
その結果、高齢な家族経営でも成り立つことになっている。
昼から16時までの営業だけで、
家族三人に十分な稼ぎを生み出しているということだ。
お店の名前は「一心亭」

カウンター5席とテーブル席2つ(一つは座敷タイプ)だけ。
ちょうどカウンターのお客さんと入れ違いだったのですぐ座れたが、
いつも満席だ。
昼からビールを呑んでいる人が多い。
メニューがシンプルなので、このお店では全然迷わない。
チャーハン+焼き餃子 一心亭@千駄木・日暮里

チャーハンはしっとりタイプ。
ただ、べちゃべちゃした感じではなく、米粒もしっかり立っている。
焼豚と卵とナルトに塩胡椒というシンプルながら、
これがめちゃくちゃ旨い。
そぎ落としの美学。
店主が長年培った腕を感じられる一皿。

そして餃子。
餡は、ニラがたっぷり。
で、ニンニクのパンチが堪らない旨さ。
これはビール呑みたくなってしまう。
そこを我慢して、チャーハンと合わせる。
いいなー、コレ。
餃子ライスにしても旨そうだ。
後からやってきて僕の隣に座った70歳すぎの細身の年配女性が
生ビールともやしそば、餃子、チャーハンの全部を頼んでいた。
…そんなに食べれるの?
心配しながらも、その食欲にちょっと憧れも抱いた。
僕もその年齢の頃になってもそんな感じで食べていたいな、と。
いやー、美味しかった、ごちそうさまでした!
まだまだお店続けてください!
