ジャズキス#2「音楽と資本主義は反発する――起業で気付いたジレンマ」(ゲスト:濱田真秀 aka Jazz2.0)
公開取材企画「ジャズキス」第2回目。日本発のダンスプロリーグ・D.LEAGUEが盛り上がっているが、個人的に注目しているのは2分15秒のショーケースに使用される音楽だ。実はそのなかでジャズミュージシャンが多く活躍している。
24-25シーズンに劇的な完全優勝を果たした、CyberAgent Legitやdip BATTLESのソングライティングを務めた音楽制作チーム・Jazz2.0の中心人物である濱田真秀もそのひとり。
トランペッターでもある彼は19歳で起業し、堀江貴文氏をはじめ様々なビジネスマンたちと関わりながら日本のジャズを伝える活動も展開してきた。しかし、最終的に悟ったのは音楽と資本主義の相性の悪さだったという。
写真&取材:小池直也
場所:下北沢・No Room For Squares
D.LEAGUEでの音楽制作
――D.LEAGUE・24-25シーズンのチャンピオンシップでLegitが優勝した瞬間は何をされてました?
濱田真秀(以下、濱田):もちろん会場で観ました。携わった作品で優勝できたことは光栄かつ嬉しかったですね。ちょうど免許合宿に行った後だったので、その日が初ドライブデビューでした。あえて遠回りしながらレインボーブリッジを通り、泉天空の湯で一風呂もして現地に向かったのを覚えています。
――Jazz2.0はおひとりではなく、チームだと聞いてます。
濱田:所属ではなく業務委託という形のフリーランスチームですね。プロデューサーとしてジャズだけでなく、グラフィックデザイナーやカメラマンなど色々な人たちとプロジェクトを進めています。
――具体的な制作メンバーを教えてください。
濱田:メインの制作はベーシスト・若月カンタが行っています。10年以上の付き合いで、自分の芸術論を理解してくれる数少ない仲間のひとり。高い技術を持ちながらも自分の価値観や目指す音楽を的確に汲み取ってくれますね。そして作品づくりにおいては全幅の信頼を置きつつも、常にどうやったら良い作品になるか一緒に考えています。
――D.LEAGUEでの音楽制作にジャズの要素を入れようとしている部分もある?
濱田:もしかしたら無意識的に入っている曲もいくつかあるかもしれませんが、「必ずジャズの要素を使う」とは考えていません。というかD.LEAGUEの制作はそんなことを考えている時間の余裕がないくらい、すぐ作らないといけないので(笑)。
(上)CyberAgent Legitが完封勝利を収めた24-25シーズン・チャンピオンシップのファイナルの模様。レギュラーシーズンとチャンピオンシップのダブル1位というリーグ史上初の完全優勝を遂げた。
(中)イギリスの人気番組「ブリテンズ・ゴット・タレント」では最高評価のゴールデンブザーを獲得している。
(下)濱田はdip Battlesの楽曲制作も務めている。
――昨シーズンは2週間に1ラウンドが14回続きましたが、制作スケジュールはどうされていましたか。
濱田:1~2日でフルコーラスを完成させた後、レコーディングやミックス・マスタリングまで平均すると2週間以内に完成するようにスケジュールを立てます。修正が重なりそうなものに関しては立ち合いの機会を作り、時には終電後に打ち合わせたりと日程を全力で調整します。
――ダンサーとのコミュニケーションはどのように取っているのでしょう。
濱田:打ち合わせは基本LINE。どこに審査ポイントであるソロパフォーマンスやシンクロパフォーマンスのパートが入るのか、などの詳細は機密事項だと思うので普段はあまり触れないようにしてますね。今こうして話せるのもシーズンオフだから。それでも恐る恐る話してますけど(笑)。
あとは普段ミュージシャンが使わない「2×8(ツーエイト:4小節)」や「4×8(フォーエイト:8小節)」というダンサーの用語を理解する必要もあるかなと。


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