定年後の収入は「WPP」の3本柱で行く
50歳を過ぎた勤め人の方なら、「定年後、どうやって暮らそうか」「年金だけでは足りないだろうし」などと考えたことがあるのではないでしょうか。そこで今回は、定年後の収入についての「WPP」という考え方をご紹介します。
オッパッピーではない「WPP」

WPPという用語を聞いたことはおありでしょうか? ピン芸人小島よしおさんの持ちネタではありません。WPPは、以下の3つの略です。
Work Longer(長く働く)
Private Pensions(私的年金)
Public Pensions(公的年金)
1番目の「Work Longer」は、60歳を過ぎても65歳を越えても、なんなら70歳過ぎでも働けるうちは働いて収入を得ようというもの。2番目の「Private Pensions」は個人年金や退職金、DC(確定拠出年金)など、公的年金をもらうまでのつなぎとして使える収入。3番目の「Public Pensions」は、そのまま公的年金です。
先発、中継ぎ、抑え

WPPの名付け親とされる方が、2023年4月の社会保障審議会(企業年金・個人年金部会)に提出した資料では、WPPの3本柱を野球のピッチャーになぞらえ、「先発、中継ぎ、抑え」と説明しています。
このWPPは、野球よりもフレキシブルに運用できます。Work Longerが先発で投げている同じマウンドで、中継ぎのPrivate Pensionsも同時に投球するということも可能だからです。
たとえば、定年後に継続雇用制度を利用したり契約社員として働くなどしながら、退職金を少しずつ取り崩していく……といったスタイルです。それぞれの事情に応じて、中継ぎと抑えが一緒に投げることもあるでしょうし、抑えが早い回から登板することもあるでしょう。
2026年7月時点では、定年を65歳未満と定めている企業には、65歳までの雇用確保措置義務があります。具体的には、以下のとおりです。
65歳までの定年の引き上げ
65歳までの継続雇用制度の導入
定年の廃止
先発Work Longerは、継続雇用がイヤでなければ、65歳までは登板できそうです。働き口と体力、やる気があれば、その先まで働ける人も多いでしょう。
中継ぎがポイントになる

公的年金(基礎年金、厚生年金)は65歳から受給できます。減額はありますが、場合によっては60歳から繰り上げ受給も可能ですし、受給を遅らせて割増をもらう繰り下げも可能です。公的年金は終身(生涯にわたってもらえる)なので、抑えPublic Pensionsもブルペンで肩を温めているといえるでしょう。
ポイントになるのが、中継ぎPrivate Pensionsです。退職金がない、DC制度がない会社に勤めているといった場合は、自分で用意する必要があります。貯蓄、NISAなどを利用した資産運用、生命保険会社の個人年金、iDeCo(個人型確定拠出年金)などが候補となるのではないでしょうか。
WPPの戦略は人それぞれ

一口にWPPと言っても、人によってその使い方はさまざまです。定年後の働き方は、会社勤めのフルタイムばかりとは限りません。週3日はアルバイトをして、その他の日には趣味に打ち込む……そんな定年後もアリですよね。余裕の度合によって、公的年金を受給する年齢も変わるでしょう。
中継ぎPrivate Pensionsの層の厚さが、先発をどう運用するか、抑えをどのあたりから投入するかといったことに影響します。どういうWPP戦略で定年後に備えるか、今日から考え始めても早過ぎることはないでしょう。
野球に興味のない方にはわかりにくい部分があったかもしれません。気になるところがありましたら、FPに相談してみてください(自分にはね返らないプロモーション)。
