【WSJが警告🚨】プライベートクレジットは本当に金融危機を招くのか
あのウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)から朝のコーヒーを吹き出しそうになるような見出しの記事が出てきました。
「保険会社が抱えるリスク、2008年の金融危機(リーマンショック)前より大きい」
…いやいや、ちょっと待ってください。
「リーマンショック前よりヤバい」なんて言われたら、とりあえずタンス預金の準備でもしないといけないのでしょうか。
この記事は、保険会社の格付け機関である「A.M.ベスト」のレポートに基づいているのですが、金融界隈では「ついにこの時限爆弾にスポットライトが当たったか」と話題沸騰中です。
でも、本当に私たちは「リーマンショック・シーズン2」の初演を迎えようとしているのでしょうか?今回は、このニュースの裏側にある「プライベートクレジット」の正体と、私たちの生活にどう影響するのかを解き明かしていきたいと思います。
そもそも「プライベートクレジット」って何?
「プライベートクレジット」という言葉、最近よく耳にしますが、これは簡単にいうと「銀行を通さない投資ファンドなどによる企業への直接融資」のことです。
リーマンショック以降、銀行は「もう危ない橋は渡りません!」と規制でガチガチに縛られ、少しでもリスクのある企業にはお金を貸し渋るようになりました。
そこで「銀行が貸さないなら俺たちが貸すぜ!」と颯爽と(高い金利を手土産に)登場したのが、プライベートクレジットのファンドたちです。
生命保険会社や年金基金は、長引く低金利のせいで「国債だけじゃ約束した利回りが稼げないぃぃぃ🫠」と頭を抱えていました。そこに高利回りのプライベートクレジットが現れたわけですから、まさに砂漠で見つけたオアシス。彼らはこぞって資金を投入し、今や米国の生保・年金マネーのうち、なんと約1兆ドル(約150兆円)もの巨額の資金がこの分野に流れ込んでいます。
真面目な優等生が、ちょっとワルで羽振りのいい先輩についていき、ハイリスクな夜の街で遊び呆けている……そんな構図を想像していただければ、当たらずとも遠からずです。
なぜ「リーマン前よりヤバい」と言われているのか?
では、なぜA.M.ベストは「2008年前よりリスクが大きい」と警告しているのでしょうか。彼らが指摘している「ヤバさ」のポイントは、主に以下の2つです。
1. 究極のブラックボックス化(秘密の格付け)
実は、この巨額の投資のうち4,000億ドル以上が「秘密の格付け」で運用されています。通常、企業の借金はS&Pやムーディーズといった機関が「この会社はAランク」「ここはCランク」と公開しますが、プライベートクレジットの世界では、発行体と投資家だけが知る「裏メニュー」のような格付けが存在します。外からは中身が全く見えない「闇鍋状態」になっているのです。
2. 投資ファンドによる保険会社の「私物化」
最近のトレンドとして、プライベート・エクイティ(PE)ファンドが保険会社を丸ごと買収するケースが増えています。
ファンドからすれば「保険会社を買えば、契約者から毎月集まる莫大な保険料(キャッシュ)を、自分たちのハイリスクな融資案件に回し放題じゃん!」というわけです。
堅実であるべきおじいちゃん(保険会社)の財布を、イケイケのベンチャー社長(PEファンド)が握っている状態。A.M.ベストの担当者が「最悪の事態が高まっている」と冷や汗をかくのも無理はありません。
じゃあ、明日世界が終わるの?(リーマンショックとの決定的な違い)
ここまで読むと「やっぱりヤバいじゃないか!」と思うかもしれませんが、深呼吸してください。すぐに金融システム全体が崩壊するような事態にはなりません。
なぜなら、2008年のリーマンショックと今回とでは、「リスクの性質」が全く異なるからです。
リーマンショックの引き金となったのは「レバレッジ(借金による投資の掛け持ち)」と「流動性の枯渇」でした。
みんなが疑心暗鬼になり、銀行間で一晩お金を貸すことすら拒否し合ったため、心臓発作のように突然システムが止まりました。
しかし今回は、主役が「保険会社」です。
保険のお金というのは「何十年も先に支払う約束のお金(長期負債)」です。銀行のように「明日、預金者が一斉にお金を引き出しに来る(取り付け騒ぎ)」という事態にはなりにくい構造を持っています。
例えるなら、リーマンショックが「急性心筋梗塞」だとしたら、現在のプライベートクレジットのリスクは、じわじわと血管を詰まらせる「高コレステロール血症」のようなものです。明日の朝、いきなり倒れるわけではありません。
実際、S&Pグローバルなどの別の機関は「確かにリスクは増えてるけど、今のところはちゃんと管理できてるよ」と、比較的冷静な見方を示しています。
真の恐怖は「静かなる局地戦」
だからといって「なーんだ大丈夫じゃん( ᐛ )」と安心するのは早計です。WSJの報道の通り、見えないリスクがマグマのように蓄積しているのは紛れもない事実だからです。
今後、もし深刻な不景気(リセッション)が訪れ、高い金利を払えなくなった中堅・中小企業が次々と倒産したらどうなるでしょう?
市場で取引されていないため、プライベートクレジットの価格はすぐには暴落しませんが、ファンドの帳簿の中でじわじわと腐っていきます。そしてある日突然、「ハイリスクな運用にのめり込んでいた一部の保険会社が行き詰まり、約束していた年金や保険金が支払えなくなる」という事態が起こる可能性があります。
金融システム全体は無事でも、「ハズレの保険会社」を選んでしまった契約者だけが、静かに、しかし確実にババを引かされるのです。
まとめ:私たちにできること
「リーマンショックの再来だ!」とパニックになり、すべての資産を現金化して庭に埋める必要はありません。しかし、投資家や保険の契約者としては、これまで以上に「自己防衛」が必要なフェーズに入ったと言えます。
• 「相場より不自然に利回りが高い年金商品」には裏があるかもしれないと疑うこと。
• 自分の加入している保険会社が、どこかのアグレッシブな投資ファンドの傘下に入っていないかチェックすること。
「タダより高いものはない」と言いますが、現代の金融市場においては「リスクが見えない高利回りほど怖いものはない」のかもしれません。
WSJの警告は決して狼少年の戯言ではなく、私たちに向けた「今のうちに健康診断を受けておけよ」という強烈なメッセージとして受け止めるべきでしょう👨⚕️
さて私も健康診断があるので本稿はこの辺で。
では。(`・ω・´)
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