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【プロジェクト・ヘイル・メアリー】理系も文系も楽しめるSFってすごくない?

「火星の人」で一躍SF界の有名人となったアンディ・ウィアーの最新作が大当たりだったので、気合を入れて紹介していきます!

読書好きの間ではすでに話題になっている作品なので、既読の人も多いかもしれません。現在ハリウッド映画化が進行中で、主演はライアン・ゴズリングが勤めることが発表されています。(2026年3月20日公開!)

Twitterではあらすじも帯も読まずに本文を読むべし!というのが合言葉になっていて、私もそれが1番いいと思います。未読の人はこのnoteを読んでいる場合ではありません。先に「プロジェクト・へイル・メアリー」を読むのです!

ここからは物語の内容に触れていきます。しつこいようですが、前知識ゼロで読んだ方がおもしろい作品なので、少しのネタバレも避けたい人はここでページを閉じて先に本をを読んでください!

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冒頭から何が起きているのか全くわからない不思議なシーンが続きますが、アメリカのSF映画が好きな人なら主人公よりも早く状況をうっすら察するはず。そう、宇宙が舞台です。

未知の生物のせいで少しずつ太陽が翳っていき、地球はまもなく滅びてしまう。そんな状況を回避するため、人類はすべての叡智を注ぎ込みます。

まずは未知の生物が何者なのか解明するところから。生物学方面の知識に自信がない私では、この未知の生物、何やらよくわからんがすごいエネルギーを持った生き物らしいということしかわかりませんでしたが、その程度の理解でも問題なく物語は楽しめました。

生物好きならきっともっと深いところで楽しめるんだろうけど...。ひとまず「何やらよくわからんがすごいエネルギーを持った生き物がキーになっているよ」という知識だけゲットして読み進めていきます。

この未知の生き物、地球的にはめちゃくちゃ困る存在なんですが、とんでもないエネルギーを持っているので燃料としてはすごく優秀なんです。そこで人間はこの生き物を燃料にして宇宙へ繰り出します。ハイパワー燃料を手に入れたことで、人間がまだ見たことのない宇宙のその先まで行けるようになったというわけ。ワクワクしますね!

「プロジェクト・へイル・メアリー」のおもしろいところは、SFだからといって何でもOKなわけじゃなくて、人間にはできることとできないことがあって、科学にも限界があるというのが前提なこと。その状況で地球を救うために何ができるのかを必死で考える人類はすごい。この辺りも物理や工学の知識がある人はもっと楽しめると思います。私は、なんかよくわからんけどすごいことをしてるんだなという理解で読み進めました。アンディ・ウィアーは文系にも優しいSF作家なので、その程度の理解でも十分おもしろいんです。

そしてこの未知の生物、地球だけではなくあちこちの星に同じような影響を及ぼしていることがわかりました。そんな中で唯一影響を受けていない星があります。「タウ・セチ」と呼ばれるその星に地球を救うヒントがあるはずだ!と考えた人類は、「タウ・セチ」に選ばれし人間たちを送り込むことにしました。

人間がこの「タウ・セチ」までたどり着くのは、それはもう大変なことなんですが、とにかく行きます。

そしてまだ誰も見たことのない宇宙空間で初めての異星人と遭遇するんです!私がこの本で1番好きなのは中盤から終盤にかけての異星人との交流シーン。

どこかの星に住んでいる異星人を発見するのではなく、同じように宇宙船に乗っている異星人とバッティングするというのが運命的で素敵です。

しかもこの異星人も、地球と同じような危機に晒されている祖国を救うために選抜されてきた人(?)たちなんですね。それはもう絆生まれちゃう。

しかし異星人との交流は容易くはありません。言葉が通じないのはもちろん、質量の単位も物事の知覚の仕方も全く違います。それを少しずつ擦り合わせていってコミュニケーションが取れるようになっていく過程には感動しました。

化学的な知識があればこの辺りももっと楽しめたのかもしれないけど、とりあえず色々単位が違うようだということはわかったのでOKです。

この異星人とのコミュニケーションを見ていると、人類の代表として宇宙に行くべきなのはやっぱり科学知識に精通した人であるべきなんだなと思いました。私がここにいたとしてもなんの役にも立ちません。おそらく相手の伝えたいことが1ミリもわからず、即戦争に発展してしまうでしょう。

そして言葉がわかるようになっていくと異星人に対しても愛着が湧いてきます。かわいいんだまたこれが。しかし、地球からはるか遠い星に住む種族。いつかは別れが来るのかなと思うと、最後まで読み終わる前からさみしくなってしまいました。

そしてSFなので、少しいいことがあったかと思えばとんでもないピンチに襲われます。でもストーリー的には最初が1番悪い状態なので、わりと何が起こっても希望を持って読み進められました。

「火星の人」の主人公もそうだったけど、気が狂いそうなくらい不安な状況でもどこかポジティブな登場人物たちのおかげで、シリアスなシーンも気持ちよく読めるんですよね。

何より終わり方がすごい。こんなSFは見たことがありません。でも個人的にはとても好みです。物語が終わった後を色々と考える楽しさがあるなと思いました。

これは映画化も期待できます。映像化された時に、物語上のオリジナル要素たちがどんなビジュアルになるのか今から興味津々。日本でもすぐに上映されるといいんですが...。

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アンディ・ウィアーのデビュー作「火星の人」の感想文もよかったら覗いていってください。


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