もし明日SNSが消えてもいいように、zineを作った
先日、人生で初めてzineを作り、念願だった出版(zineという形で)の夢が叶いました。
これまでWebで文章を書いてきた私が、今回どうしてzineを作ろうと思ったのか?
このnoteでは、私が初めて作ったzineのこと、その過程、作ってみた後の心境の変化などを書いてみました。
zineに興味がある方、自分の本を作ってみたい方、デジタルではない表現がしたい方に届いたら嬉しいです!
もしも明日SNSが世界から消えたら?
もしも明日SNSが世界から消えて、投稿していた写真や動画、文章が一生見れなくなったら、どうしよう?
私のzine作りのスタートはこの思いからでした。
Instagramやnoteのアカウントを記録用として使っている人は多いと思います。
しかし、それらの媒体は中央集権型SNSといい、特定の企業がサーバーやデータの管理を行っています。
そのため、企業がサービスを停止したり、データの取り扱いを変更したりした場合、データが一斉に消えるリスクが少なからずあるのです。
すでに、Twitter(X)で遡れる投稿に制限がかかったという話も…。
「人生の大切な思い出が、デジタルデバイス上でしか記録されていないなんて、なんだか虚しい・・・」
そんな時に、「zine」というものを知りました。
zineとは、雑誌(magazine)の略称で、個人が自主的に制作・発行する小冊子のことです。
zine作りのきっかけ
私が初めてzineというものに出会ったのは、大阪の北加賀屋で開催された「KITAKAGAYA FLEA 2024 Autumn & ASIA BOOK MARKET」でした。
そこで、私が初めて出会ったzineがこちら。

北欧旅行の日記をzineにされていて、世の中にこんな面白いもの(内容や表現方法も含めて)があるのだ!と感動したことを覚えています。
zineは、出版社などを通さず発行するため、ジャンルを問わず、個人の視点や主張を自由に表現できるのが特徴。
もともと大学生の頃から「いつか自分の本を出したい!」と考えていた私にとって、zineは夢を形にする1つの表現方法だと思えました。
「大好きな旅の思い出をzineにしたい!」
そう思ったのが2024年11月、そこからzine制作の構想が始まりました。
zineとの出会いは人との出会い
zineを作るにあたって、特別な準備は必要ないと思いますが、私はせっかく作るのであれば、自分が愛着を持てる拘り抜いた1冊にしたい!と思い、いろんな方のzineを見るようにしました。
zineってどこにあるの?と思う方も多いと思いますが、街にある大型書店さんでは扱っていない事がほとんどです。
個人でされている書店さんや、zineフェス、文学フリマいったイベントで見つける事ができます。
特にzineフェスや文学フリマといったイベントでは、zineの作り手さん(著者)から直接購入ができるため、そこでコミュニケーションが生まれる事も、とても面白い点だと思っています。
このようにして、気づいたら自宅に沢山のzineコレクションができていました。

zineスクールとの出会い

zineを集めるようになるうちに、兵庫・尼崎で「zineスクール」をされているDIY BOOKSの平田さんという方を知りました。
「自分のいいねはzineにしよう」
これは平田さんの言葉でありますが、とても共感を受けたので、以下で少し説明させてください。
今は「ネット上の情報の数が地球上の砂粒の数を超えた」と言われるくらい、情報過多な時代です。
発信をしている企業も個人も数年前よりも増え、自分の投稿やアカウントを発見してもらう難易度がどんどん高まっています。
そのため、見つけてもらおう(バスろう)と、企業も個人も目を引くような広告や投稿を次々と作ります。
マーケティングはうまくいくけれども、そのようにして埋め尽くされていたSNSに私は少し違和感を感じていました。
その結果、受け手は一体自分が何に興味があって、心動かされているのか分からない…
流れている動画や投稿を見ていて、気づいたら1時間たってしまっていた…
私もたまにやってしまいますが、なんとも言えない気持ちになり、誰かに自分の興味を操られているような感覚に陥ってしまうことがあります。
だからこそ、「自分のいいねはzineにしよう」という平田さんの考えに、とても共感しました。
zineにすることで、自分の好きなヒト・モノ・コトが今までよりも、より明確に分かる。
そして、本当に伝えたい人に、より深く届けることができる。
この話を聞いて、これまでの発信に対しどこかモヤモヤしていたところに光がさし、zine作りへの熱意がさらに高まりました。
ZINEつくりの過程
ここからは、私が実際にどのようにしてzineを作成していったのかお伝えします。
ちなみに、私はzineスクールに行きながら、最初の1冊を作りました。
大まかな流れは以下の通りです。
①zineのテーマを決める
私の場合、ウィーン・パリ1人旅のことをzineにすると、旅の前から決めていました。
そのため、旅前の段階でテーマをある程度決めて、旅中も旅ノートに記録を残していました。
帰ってきた後は、旅を振り返る形でZINEの企画を考えました。
具体的には、真っ白なA4用紙に、イメージ(表紙、タイトル、サブタイトル、帯)などをまとめました。

②zineにいれる写真を選定
私の1冊目は、ファッション雑誌のようなzineにしたいと思っていたため、写真選定はとても重要で時間のかかる作業でした。
具体的には、カメラホルダーからまずは良いと思った写真をお気に入り登録→カテゴリーごとにフォルダ分け→適当にコラージュして印刷しました。
印刷をしたのは、次のつかみ本を作るためです。
③つかみ本を作る

つかみ本を作る作業が、ZINE制作において結構重要ではないかなと思います。
なぜなら、実際に本にした時のイメージにグッと近づけるからです。
本物と同じサイズ・枚数の紙を用意して、本になるようにホッチキスで止めます。(私は、A5サイズ、ページ数は32ページにしました。)
そして、真っ白なつかみ本に、②で印刷した写真を置いたり、デザインや文字を直接書き込んだりします。
下書きなので、完璧にする必要はないし、どんどん思い描いたイメージを書き込んでいきました。
④canvaでデザイン制作

つかみ本である程度の配置、デザインを決まったら、実際にCanvaを使って入稿デザインを作っていきました。
私は、スマホでCanva上に写真をアップロードし、PCを使って文字入れをしたり、細かいデザインをしたりしました。
写真の挿入や切り抜き作業は、スマホからの方がやりやすかったです。
また、無料だと使える機能に制限がかかるため、1ヶ月だけ有料のプロに切り替えました。
この工程でこだわり過ぎてしまうと、1年たってもZINEが完成しないと思うので、ある程度の締め切りと設けておくことが大切だと思います。
⑤試し印刷

印刷会社に出す前に、試し印刷をしました。
Canvaで制作したファイルをPDF化して、コンビニのプリンターで印刷をしてみました。
実際にデザインや文字の大きさを確認することができ、ある程度の色の発色(これは印刷会社によって異なるのであくまで参考程度)も確認することができます。
私はこの段階で、思ったよりも文字が大きく余白が少ないことに気づいたので、少し修正をしました。
⑥入稿
最後に、印刷会社に入稿をします。
私は今回、プリントパックを利用させてもらいました。

価格は、納期や紙の種類、ページ数、白黒かカラーか、部数、印刷方法などによって変わってきます。
プリントパックは、かなり良心的価格かと思います。

ZINE作りのポイント
zine作り中に、私が意識してよかったポイントをお伝えできたらと思います。
①もし本屋さんに並んだ時のイメージを明確にする

制作にとりかかると中身をどうしようか悩むことが増えますが、沢山の人が目にするのは、圧倒的に「表紙とタイトル」です。
自分が実際に書店に行った時に、どのようなタイトルや表紙のデザインにひかれるか?
また、どんな人に手にとってもらいたいか?
沢山のイメージをしましたが、私はとにかく「なんか可愛い!何が書いてあるんだろう?」とワクワクして興味本位で手にとってもらえるZINEにしたかったので、私がウィーンのブックカフェで一目惚れした本の表紙から着想を得て表紙を決めました。
ちなみに、その本はドイツ語で書かれているため、全くちんぷんかんぷん。
ですが、いろんなインスピレーションを得られるので、インテリアとして部屋に飾っています。

②デザインや構成に行き詰まったら、本屋さんや古本屋さんに行く

Canvaでデザインを作っていると、途中で行き詰まってくることが何度かありました。
そのような時は、本屋さんの雑誌コーナーに行って参考になりそうなデザインを構成、特集を探しました。
私は、雑誌のようなZINEを作りたかったので、古本屋で安く雑誌を購入して(CLUELやFUGE、POPYEなど)雑誌を隣においてPCでデザインを真似したりなどしていました。

こんな感じで雑誌に大量の付箋を貼っているのが、雑誌の編集者気分でウキウキしました♪


③自分が1番ワクワクした状態で制作活動をする

最後に、私が一番大切にしたことをお伝えします。
ZINEは他の誰でもない、1番は自分のために作るもの。
「自分のいいねはzineにしよう」
そもそも、自分が「いいね」と思っているものでなければ、ZINEにしたところで意味がないと思っているからです。
作り手として、書き手として読者のことを考えるのは基本的な事ですが、ZINEはそもそもSEO記事や参考書ではない、「個人が自主的に制作・発行する小冊子」。
だから、作り手が1番楽しくて夢中になれるものを作ったらいい!
このマインドで制作活動をすると、羽がはえたように心もペン先も軽くなり、夢中で創作活動に打ち込めました。
最後に

ZINEは、個人が自主的に制作・発行するものですが、いざ制作するとなると時間も手間もかかり、改めて「本作り」は大変な仕事なのだと痛感しました。
特に、締め切り前の最後の2週間は、仕事・ご飯・寝る以外の時間は、全てZINE制作に費やす日々でした。
けれども、その時間がとっても楽しくて、どんなに仕事で疲れた日でもZINEを作っていたら、心が回復されていたのを思い出します。
今思えばクライアントのために作る「クリエイター」ではなく、自己表現するアーティストとして思いっきり創作活動に打ち込めるたことが、最高に楽しかったのだと思います。
「自分のいいねはZINEにしよう」
ZINEというものと出会い、DIYBOOKSさんを知り、実際にZINEスクールに通いながら、ZINEを1冊作れたことを本当に嬉しく思います!
これからも、自分のいいねはZINEにしていく予定です。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
ZINEを作りたい!と思っている方の参考になれば嬉しいです。
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