【悪性リンパ腫・闘病記㉘】恋人目線の闘病記<前編>
ある日、フォロワーさんから相談を頂きました。
恋人が1週間前に脳の病気と診断されました。詳しいことについては何も聞かされておらず、しばらく1人で考えたいと言われました。病気のこともとても心配で不安で、また、彼のことなので別れを告げてくる可能性もあります。恋人として何ができるのか、またどうしたらいいのか、教えていただきたいです。
何と回答するべきか、とても悩みました。なぜなら私は、病気になった「当事者」だからです。正直に言えば私の家族や友人、そして恋人が、私が病気になることでどんな気持ちになったのかは、想像できても共感することはできません。
だから、私は素直に「病気になった立場からしか話せない」と伝え、闘病中の精神状態や考えていたことを発信しました。
闘病中に強く感じていたのは、関係者への申し訳なさでした。
例えば、両親は私の医療費を負担してくれましたが、感謝と迷惑をかけてごめん、という気持ちが混じりあってました。
面会に来てくれる友人には、会えた喜びと、忙しい中時間をとってすまない、と感じていました。
そして、恋人に対しては「自分じゃなくても良いんじゃないか」と、闘病中ずっと思っていました。こんな自分と付き合いを続けていく意味がわからない。一番心を許しているけど、一番危うい関係性。今でこそ治療が落ち着き、とても仲良く日々を過ごしていますが、冷静に治療をしていた頃を一緒に振り返ると、闘病していたのは私だけではなく、私に近しい人間も闘病をしていたんだな、と感じます。
だから、闘病記は当事者だけではなく、関係者目線でも語るべきだと思いました。
フォロワーさんから、「相徳さんの恋人とも話がしたい」と連絡をいただき、私の恋人も「いいよ!」と承諾してくれたので二人を繋ぎました。そして、私の恋人がフォロワーさんに送った回答が・・・もう、本当に恥ずかしいというか、全関係者に謝りたいというか、一周回って面白すぎるというか・・・笑
冷静に考えてみると、闘病している当事者よりも、その関係者の人の数の方が多いですよね。でも、スポットライトは当事者に当たることがほとんどです。支えた人の声って、なかなか世に出ない。だから、私の恋人が発した言葉に救われる人もいるんじゃないでしょうか。
私の悪態を晒しますので、まるで答え合わせをするように、楽しんでいただけると幸いです!笑
それでは、私の恋人がフォロワーさんに送ったメッセージを公開します。どうぞ!
拝啓○○さま
メッセージありがとうございます。
彼氏さんが闘病中とのことで、同じ立場として、私の体験が少しでも参考になれば幸いです。病気の発覚から時系列で、私の気づきをまとめてみますね。
・こちらの「負」の感情はぶつけないほうがいい。
病気が発覚した時は、救急搬送されるその瞬間まで二人の将来について絶賛けんか中だったんですよ(笑)病気どうこうは関係なく、この人と一緒にいるべきか?この先結婚するのかな?みたいなことを悶々と考えている時期でした。それで病気がわかって、彼から「自分の人生がどうなるかわからないのに、二人の将来のことなんてもってのほか。今はなにも考えられない。別れたい。一人になりたい。」と言われました。今考えれば、その気持ちもわからなくないな、と思うのですが、その時は、病気発覚のショックと重なって、子どものように大泣きして、別れたくないと伝えました。それが、さらに追い討ちになって、彼から「そういう風に、負の感情を爆発させる人とは一緒にいられない。」と付け加えられてしまった。不安な状況に対して、不安な要素をプラスしても状況を悪化させるだけでしたね。(笑)身を以てそれを学びました。
・気を紛らす、普段通りに接する。
彼が地元に帰るとき、検査に行く時、心配で「大丈夫?付き添おうか?」と何度か提案しました。いま振り返ると、彼女として必要とされたい、私のエゴみたいなものだったのかなって思います。でも、彼は「心配されると、自分の病気の重大さを実感しすぎて不安になる。特別なことはしないでほしい」と答えました。それからは、彼から話題を振られる時以外は、病気の話はしませんでした。なるべく、いつも通りに。ドライブに行ったり、映画をみたり、世間話をしてやり過ごしました。 とはいえ、この時もまだ、別れ話は続いていて、悶々とした気持ちはずっと引きずっていました。私は、母に電話したり、友人に話を聞いてもらったり、薬に頼りながら過ごしていました。鬱々とした日が続いて、仕事にも穴を開けてしまったこともありました。マジでしんどかった。
・「だれも自分の苦しみや不安に寄り添ってはくれなかった」
入院するまで、普段どおりに接していた中で、彼から言われた言葉です。「病気のことを友人や仕事仲間に伝えても、応援されたり励まされることはあっても、だれも『落ち込んでもいいよ』『不安だよね』って言ってくれなかった。結局、自分は独りなんだ」と。
「そうきたか!」という感じ。(しかもこれ、明け方に起き上がって急に言うもんだからめちゃくちゃ怖かった)これに関しては、どうしたらよかったのか未だに分かっていません。本人の気持ちも分刻みで揺らいでいたと思いますし。もし、彼さんがなにかサインを出していたら、普段通りの中にも、なにか寄り添えるアクションをしてもいいかもしれないですね。「どんなことが不安?」とか聞けそうだったら聞いてみても。。。
・感情をぶつけられているのは、恋人の特権(!?)
上記の発言だけでなく、本当に、いろんなことを言われました。「君のことを好きかどうかわからない」「ほっておいてほしい」「どうせ独りで死んでいくんだ」「癌になったのは君のせいだ」とか、まじで理不尽。いまでも許してない。(笑) ただ、友人も母も口を揃えて「恋人だから甘えてるんだと思うよ」って言ってました。女の子も生理前になると彼氏に八つ当たりするじゃないですか。それのレベルMAX版的な。その瞬間は本気だけど、後になるとそうでもなかったりする。だから、弱音も悪口も、言ってくれるだけマシなのかなと思っていたし、そう言うのを言える相手も必要なんじゃないかなと思うようにしていました。
・「死んでもいいよ」ってくらいの強気マインド
入院して検査結果が出て、彼の場合は思いのほか悪かったので、ネットで生存率とかいろいろ調べて一人で不安になっていました。彼が死んじゃうんじゃないか、一人になってしまったらどうしよう、このまま別れるなんて嫌だ、みたいな悲しい気持ちばかりが湧いていました。 そんな時に、母から言われた衝撃の発言が「あんたも一緒に死んだらいいじゃん!」でした。やばいこと言うけど、母も悩みに悩んで出てきた私を励ます言葉だったんだと思います。 そのあたりから私の心持ちも変わってきて、彼の「死んだらどうしよう・・」みたいな発言に対して「別に死んでもいいよ」って答えられるくらいのマインドになってきて。それが彼にとっては拍子抜けだったみたいで、そのあたりから二人とも、ある意味で一周回って冷静になって会話できるようになっていました。
(原文ママ)
みなさん、どう思いましたか?
私はこの文章を見せてもらったとき、恋人への謝罪の気持ちと同時に、客観的には自分はこんな風に見えてたのか!と驚きを感じました。やっぱり、自分が思っている自分と、他者から見える自分って乖離がありますよね。正直自分では覚えてないこともあったので、当時の精神状態の異常さも際立つし、よくこんな人を支え続けようと思ってくれたな、とも感じました。
まだまだ続きますよ!
<後編>へ続きます。
