ショートどうだ!?「アマノ文筆クラブ」参加、ショートショート
タイトル『ショートどうだ!?』

「トト、今回の『ショート』はどうだ!?」
キキは宇宙船「コメット三号」のコックピットで、不敵な笑みを浮かべてコンソールの横に新しい外部レバーを取り付けた。
『キャプテン。それはまた例の露天商から、二束三文で掴まされた中古品ですよね』
船内アシスタントAIであるトトの冷静な指摘に、キキは自慢げに鼻を鳴らす。
「安物じゃないわよ、九万Gもしたんだから! これは『ショート・ディスタンス・ジャンプ』の起動レバー」
キキは、ない胸を張ってドヤった。
「これを使えば、敵の包囲網なんて一瞬で飛び越えられるわ」
『九万G……。その金額があれば、まともな魔力の補充が数回は可能でしたね』
「つべこべ言わないの。ほら、海賊が来たわよ。実験には最高ね!」
前方に海賊船の影が見えた瞬間、キキは力任せにレバーを引いた。
バチッ、という激しい音と共に、コンソールから火花が上がる。
『キャプテン。エンジンの負荷が限界を超え、回路が完全に『ショート』しました。推進力、消失。生命維持装置、停止まであと五分』
「え? 敵を飛び越えるのは?」
『物理的な距離ではなく、この船の寿命をショートカットしたようです』
「……おのれ、あの親切な露天商!」
キキは煙の上がるコンソールを叩きながら、航宙管理局に緊急援助要請の信号を送ったのだった。
《了》
「アマノ文筆クラブ」のイベントに参加させていただきました。
今回登場しているキャラは、『「一発屋のキキ」危機一髪』という作品の、宇宙貨物船の船長です。
カクヨムで公開している、『魔力は最強だが魔法が使えぬ残念王子の転生者、宇宙船を得てスペオペ世界で個人事業主になる。』の外伝となる作品です。
もし、興味を持っていただけたら、嬉しいです。
ちなみに、『残念王子の個人事業主』は、カクコン10、11、二年連続の中間審査通過作品です。
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よろしくお願いします。