標準体型の日本人が、ドイツ人仕様のママチャリ(+α)に挑んだ話
こんばんは。水越なつめです。
私は先月、クリスマスとその準備で、大変な1ヵ月を過ごしました。
そして、クリスマス直後に風邪を引き、年始に風邪が治り、「これでやっと穏やかな日々が訪れる…」と思っていました。
しかし、現在進行形でまた大変なことになっているのです。
ということで今回は、ドイツのママチャリの世界へ、皆さまをご招待しようと思います。
まず、わが家の基本情報から⬇️
✔夫(ドイツ人)
✔私(日本人)
✔1号さん(幼稚園児)
✔2号さん(未就園児)
幼稚園児が1人いますね。つまり、幼稚園まで送迎しなければなりません。
あれは、さかのぼること数年前。
子どもが幼稚園に入園するとなったとき、私は考えました。
送り迎え、どうしよう…
夫は仕事が忙しく出張もあるので、送り迎えに関しては助っ人にしかなれません。
メインの担当は、どう考えても私です(お手伝いさんは雇っていないし…)。
幼稚園までの距離はルートによって異なりますが、1.5km~2kmぐらいあります。
どのルートでも、途中に大なり小なり坂があります。
幼児の手を引いて徒歩で往復するというのは、なかなか大変です。
では、公共交通機関を使うのはどうでしょうか。
電車+バスで行けなくはないのですが、乗り換えが必要×バスの運行は30分に1本×ベビーカー持ちなので、不便です。
では、車で送り迎えするのはどうでしょうか。
noteを始めたごく初期からお知り合いの方はご存じだと思いますが、私は壊滅的に車の運転ができません。
空間を把握する力が極端に弱く、車両感覚がまったくないからです。
運転中は、縁石に乗り上げないこと、対向車線にはみ出さないこと、前の車に追突しないことに全神経を集中させなければなりません。
飛び出してきそうな歩行者がいないか、道を曲がるときに後ろから自転車がきていないかなど、車両感覚以外のことを気にする余裕は、まったくないのです。
奇跡的に技能試験に合格したので、日本の運転免許証は持っています。
そして、ドイツで運転免許証の切り替え申請をしたので、ドイツの運転免許証も持っています。
ドイツで合法的に運転できるのですが、なにせ私は外国人です。
意図せぬ交通事故で滞在歴にキズがつくのは、避けたいところです。
ということで、消去法で残ったのが自転車です。
ママチャリデビュー🚴♀️
ということで、ママチャリを探しに、自転車屋さんに向かいました。
これは…ママチャリなのか…?
「ママチャリ」と聞いて、皆さまはどんなものを思い浮かべますか?
私は、こんなママチャリに乗ると思っていました
都内に住んでいたころ、近所でよく目にしたのは、こんなママチャリです⬇️

メーカー希望小売り価格は230,374円
電動アシスト自転車のハンドルの後ろと、サドルの後ろに、子どもの座る場所が用意されているタイプですね。
当時は幼稚園の近くに住んでいたので、風をきって颯爽と道を走るお母さんたちを、たくさん見かけました。
思っていたのと違う…ドイツのママチャリたち
では、「ドイツのママチャリ」と聞いて、皆さまはどんなものを思い浮かべますか?
私の住んでいる地域のママチャリを、よく見かける順に並べてみました。
①電動アシスト自転車+チャイルドトレーラー
一番よく見かけるのは、こちら⬇️

メーカー希望小売り価格は1,299.95€
(電動アシスト自転車は別途買わないといけないです)
電動アシスト自転車に車輪付きのカゴを接続し、けん引します。
後ろのカゴは、ドイツ語だと"Anhänger"と呼ばれています。
日本語だと「チャイルドトレーラー」ですね。
子ども1人が乗れるタイプと、2人乗れるタイプがあります。シートベルトつきです。
使用可能な期間は、だいたい卒園までです。
たとえば写真の商品の場合、22kg×2人まで大丈夫みたいです。
逆にいうと、体重が22kgを超えると、仕様上はNGというわけですね。
②カーゴバイク
次によく見かけるのは、こちら⬇️

メーカー希望小売り価格は6,690€〜
電動アシスト自転車の(巨大化した)前カゴに、子どもを乗せて走るタイプです。
ドイツ語で"Lastenrad"と呼ばれています。
日本語だと「カーゴバイク」ですね。
3人以上乗れるモデルが主流で、最大120kg・4人までOKのモデルもあります。
こちらも、シートベルトつきです。
写真の商品の場合、子ども3人までOKで、前カゴの耐荷重は70kg。
子どもが小学生になっても使用可能です。
③カーゴバイク(ロングテール)
昨年からだんだん見かけるようになってきたのが、こちら⬇️

後ろに子どもが2人座れるタイプ。
メーカー希望小売り価格は4,499€〜
電動アシスト自転車の荷台部分に、子ども2人が座れるタイプです。
荷台部分が少し長くなっているだけなので、日本のママチャリのサイズ感に、一番近いです。
ドイツ語だと"Longtail Lastenrad"と呼ばれているようです。
日本語だとカーゴバイク(ロングテール)でしょうか。
子どもの年齢によって、1人または2人座ることができます。
写真の商品の場合、1〜7歳は2人(合計50kgまで)、8歳以上は1人(65kgまで)まで大丈夫みたいです。
小学生になってからも使用できそうですね。
ただ、シートベルトがついていません。
子どもは、ただ後ろの荷台部分に座っているだけ。親の責任が重大です(転倒したら、一大事…)。
私のママチャリは、こんな感じ
私がママチャリを探した当時、③のママチャリ(ロングテールのカーゴバイク)は、かなり珍しかったです。
なので、私も夫も、選択肢は2つ。
①電動アシスト自転車+チャイルドトレーラー
②カーゴバイク
自転車屋さんに行ったところ、店頭に並んでいたカーゴバイクのうち、一番安いものが約10,000€でした。
1€=180円だとすると、お値段180万円です。なんという高級品…。
そして夫は、「カーゴバイクだと、きみは絶対にバランスが取れない」と、カーゴバイクに対してかなり否定的でした。
ということで、私のママチャリは、電動アシスト自転車+チャイルドトレーラーに決まりました。
私は、平均的なサイズの日本人です。
標準身長・標準体重からの乖離は、誤差の範囲と思っていただいて大丈夫です。
ところが、ここはドイツの自転車屋さん。自転車もドイツ人仕様です。
デザインを選ぶ余地はなし。
店員さんおすすめの電動アシスト自転車をいくつか試したところ、私が安定走行できたのは、1台だけでした。
ということで、2,500€ぐらいの電動アシスト自転車を購入しました。
そして、チャイルドトレーラー+付属品も、合計1,500€程度で購入。
合計4,000€の相棒(ママチャリ)が、わが家にやってきました。
1€=180円で計算すると、72万円です。
「ガレージのカギ、絶対にかけ忘れないで」と夫に念を押されたのは、言うまでもありません。
組み立てられたママチャリを見た私の感想は、ただ1つ。
…ゴツイ
まず、電動アシスト自転車の本体が、日本のものより一回り大きい感じがします。
それもそのはず。ドイツの大人用自転車、タイヤのサイズが日本の自転車よりも大きいです。
(身長170cm台の女性もたくさんいるので、当たり前といえば当たり前)
そして、接続用の鉄の棒+チャイルドトレーラーのみで、自転車1台分ぐらいの長さになります。
そして、特筆すべきは重量。
電動アシスト自転車本体が、30㎏ぐらい。
チャイルドトレーラーが15kgぐらい。
子ども2人合わせて、当時25kgぐらい。
自転車2台分の長さ、合計70kgの塊を乗りこなさなければならないのです(もちろん、走るのは車道)。
絶対、転倒したくない…
まずは、家の前の道で練習です。
ガレージからママチャリを出すのにまず一苦労。
真っすぐバックしているはずなのに、後ろのチャイルドトレーラーが右や左に方向転換して、ガレージの壁に衝突します。
何度も切り返してようやくガレージの外へ。
いざ出発と思いきや、自転車が前に進みません。電動アシストの電源を入れ忘れていました。
こんなに重いとは…ドイツのママチャリ、おそるべし。
そもそも私は日本で日常的に自転車に乗っていたわけではないので、自転車の運転自体が不慣れです。
そしてドイツでは、自転車で道を曲がるとき、曲がる方向に腕をのばして合図を出さなければなりません。
道を曲がるたびに発生する、強制的な片手運転…。
幼稚園に送っていった初日の夜は、抜け殻になりました。
しかし、人間というのは慣れるもので、日々送り迎えをするうちに、何となく乗れるようになりました。
万策尽きた、その時あらわれた救世主
実は、こちらドイツは、最近かなり冷え込んでいます。
年が明けてから雪の日が多く、雪だるま作り放題ぐらいの雪が積もりました。
連日最高気温がマイナス2℃前後で、日本に住んでいたときには考えられない気候です(私は、比較的暖かい場所の出身なので…)。
スキー場に住んでいるような感覚ですね。
自転車の弱点って何だと思いますか?
積雪と路面凍結です。
雨なら大丈夫です。ドイツは雨でも自転車に乗る人が多い国。
高性能のレインコートやレインズボン、靴カバーやヘルメットカバーは、割と簡単に見つかります。
私も例にもれず、どんなに土砂降りの日でも完全防備でママチャリに乗ってきました。
しかし、積雪と路面凍結に関しては、打つ手がないのです。
雨はものともしないドイツ人さんたちも、雪が積もっていたり道が凍っていたりするときは、自転車に乗るのを控えます。
私は積雪と路面凍結、どちらも一度ずつママチャリで強行突破したことがありますが、それはそれは大変でした。
というか道が凍っていたときは、下り坂のカーブでスリップして転倒しました。
チャイルドトレーラーと子どもは無傷。電動アシスト自転車はアスファルトで擦り傷、私は全治2週間の打撲。
「今年はもう転倒したくないから、積雪と路面凍結のときはママチャリに乗るのをやめておこう…」と、年始に空から舞い降りる雪をながめながら思いました。
実は、幼稚園までの道中のうち、8割は森の中を走っています(ドイツのママチャリは、森のでこぼこ道でも大丈夫なように作られています)。
いつものルートで幼稚園へ行くとなると、舗装されていない森の道を走らなければなりません。
幼稚園の冬休み最終日、私は森の様子を見にいきました。
(当たり前ですが)
まったく除雪されていません。
まずいです。幼稚園へ送り迎えする手段がないのです。
✔電車+バス ⇒ ×(電車に間に合ったことがない)
✔車 ⇒ ×(運転することが危険 & 車が1台しかない)
✔ママチャリ ⇒×(積雪のときに乗るのは危険)
「万策尽きた…これは、雪が溶けるまで幼稚園を欠席か…」という思いが頭をよぎったところで、私はひらめきました。
雪が溶けるまでの送り迎えは、これにしよう⬇️

ソリ
冬休み明け初日の朝、当初の計画からズルズルと遅れて、いつもと同じ時間に出発。
森の入り口までは除雪されているので、まずは右肩にソリ(4kgぐらい)をひっかけ、左側のヒップシートには2号さんを乗せ、1号さんに目を配りながら森に向かって歩きます。
森に到着したら、1号さんと2号さんがソリに乗車。
私はソリのヒモをひっぱって、森の道を歩きます(トナカイになった気分…)。
2号さんだけなら軽いのですが、1号さんも乗ると、ソリがずっしりと重くなります。
(だから、サンタクロースのソリも、複数のトナカイでひっぱっているんだと思いますよ)
上り坂で1号さんに一時降車してもらいつつ、誰もいない真っ白な道を、ひたすらソリを引いて進みます。
森を抜けると、除雪率は50%。
雪がある場所はソリ、雪がない場所は徒歩で幼稚園まで急ぎます(でも、速度には限界がある…)。
最後はソリで華麗にフィニッシュ。無事幼稚園の門まで到着しました。
ママチャリだと10分かからずに着く場所ですが、ソリだと40分かかりました。
ちなみに、園庭にいた子どもたちからは、羨望のまなざしで見つめられましたよ。
送っていったら、家まで戻らなければなりません。
2号さんに乗車してもらい、ソリを引きながら家路を急ぎます。
乗車人数が1人に減ったので、行きよりもラクに引っ張ることができました。
そして、その日が仕事始めだった夫。
(たぶん仕事がだるくて)「幼稚園のお迎えにいこうか?」とお昼過ぎに電話があったので、ありがたくお迎えをお願いしました。
辛い…でも、思わぬ効能があるかも…?
翌朝、肩から足まで(つまり全身)筋肉痛であることに気づきました。
しかし、夫は一足早く会社に行ってしまったので、またソリで幼稚園へ送っていくしかありません。
そして、今日からはお迎えも私です。
新たに積もった雪で足あとが消えた森の中を、ソリを引きながらひたすら歩きます。
40分かけて幼稚園に到着し、園庭の子どもたちから羨望のまなざしを浴び、また40分かけて家に帰ります。
ソリを引いている間は、気を張ったままです。
なにせ、歩いているのは坂のある雪道。
いつどこでツルっと滑るか分かりません。
ツルっと滑ったあとに変なかたちで転んだら、捻挫したり骨折したりするかもしれません。
一瞬たりとも気を抜けないのです。
なので、家に帰ってくると、どっと疲れが押し寄せてきます。
絵本の読み聞かせをしながら、うとうと。
2号さんに「ここ読んで」と指摘されながら1ページ読み、読んだ後にまたうとうと。
エスプレッソを飲んで、強制的に目を覚まします。
午後になると、お迎えが待っています。
お昼寝から起きてご機嫌ナナメの2号さんに、スキーウェア+マフラーつきニット帽+ブーツ+手袋の厳重装備をほどこし、いつもより早い時間に家を出ます。
そして、ソリを引きひき40分かけて幼稚園に到着。また40分かけて家に戻ります。
夜、子どもが寝て、いつもなら「さあ、noteの記事を書きましょうか」となる時間帯。
日中をはるかに上回るレベルの、強烈な疲労感に見舞われます。
原因は明らかに、ソリによる送り迎えです。
ところが、ソリ送迎 2日目の夜、私は気がつきました。
1日あたり2往復、40分×4セット=2時間40分の雪道ウォーキング(※坂道+ソリによる負荷つき)
これはもしや……
正月太りを解消できるのでは?😁
3日目以降、ソリ送迎の辛さが若干やわらいだのは、言うまでもありません(でも、肉体的な疲労は変わりませんよ…)。
おわりに|文明の利器、使わせてください
ところで、ソリによる送迎を、子どもたちはどう思っているのでしょうか。
ソリ送迎初日、家に帰ってきた1号さんに尋ねてみました(夫が幼稚園まで車でお迎えに行ってくれましたのでね)。
「明日から、どうやって幼稚園に行きたい?」
「電車」って言っていましたよ(1号さんは電車が大好き)。
2号さんにも尋ねてみました。
「明日から、どうやって幼稚園に送っていきたい?」
「ベビーカー」って言っていましたよ。つまり、電車に乗りたいということです。
じゃあ、電車に間に合うように起きて、準備してください。
きみたちの準備がのんびり過ぎて電車に間に合わないから、おかあさんは毎日ソリを引かざるを得ないのですよ…。
けっこうなダメージを受けているので、今月も週1回しか更新できないかもしれません。
気長にお待ちいただけると幸いです🙇♀️
週1回更新の場合、今月の残り3回のうち、少なくとも2回は有料記事になる予定です。
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