本業ありきの“稼がない”副業
個人で事業を始めて、2年ちょい。確定申告もして、細々とやりくりしています。
ポイントなのは、本業の人事としての役割、立場、居場所があり、それを主軸においての副業というところでしょうか。副業といってもこちらをいつか本業にとか、ビジネスとしてスケールさせるつもりは今のところないので、あくまで細く続けているというのが特徴です。既存のクライアントへのみで、新規の集客も現在していません。
そういえばあまりnoteでもXでも個人事業については触れていなかったので、一本くらいまとまっているものがあってもいいかなと思い書いています。
なぜやるのか
企業人事をしていると、組織の大きさや事業の成熟度合い、業界や組織内や世の中のタイミングなど本当に様々な事由で優先順位的に「重要だけどなかなか実行できない人事施策」に出くわすことがあります。人事制度や規程の改定で解決できることではなく、定着していくところまで考えると3年5年10年とスパンが長くなる。
子ども一人の成長で考えると、生まれた子が小学校に入学するとかそのくらいの年月があっという間に経過する、そんな時間軸です。
私はたまたま2021年6月に予想外の哀しい産声のないお産を経験し、それからフェムテックという概念を知ります。お産の件はこちらのnoteにて。
フェムテック。
女性(Female)とテクノロジー(Technology)を掛け合わせた造語。
月経や更年期、不妊、妊娠、産後など、
女性がそれぞれのフェーズで抱えるさまざまな悩み・課題に
テクノロジーの力で対応する考え方、
及びそのマーケットの総称。
人事として、そして一人の女性として、自分の身体に何が起きているのか向き合いながら日常の業務は目の前に広がっており、キャリアに向き合い成果を出す、そういうタイミングで、ごく自然に私の学びが深まりました。これは「知らないといけない」、且つ「妊娠」という年齢的なリミットがあるそれについては「期間限定の問題」。
企業に属すメンバー一人ひとりにも同様の課題や悩みとまではいかずとも些細なモヤモヤはそこらじゅうに転がっていて、今この瞬間の彼ら彼女らの業務のパフォーマンスに多かれ少なかれ影響しています。
企業として、働くメンバーの健康そのものを経営の重要課題と捉え、継続的に投資できるか。フェムテック推進の先進企業は、業種的なリーダー(生理用品の製造販売をしているメーカーや、女性比率が高い小売業など)が多いのが実情ですが、生物学的性別が2択である以上、従業員の健康は業種を問わずどの企業にとっても経営課題として捉えられつつあります。
一人ひとりが健康で安心して働けることが、労働人口減の今の日本で、生産性向上と企業の持続的成長に繋がるということに否定的な方はいないでしょう。
ただ、実際に全社的にフェムテックの必要性やそもそもの概念を理解・浸透させ、具体的な施策やアプローチがスムーズに進むかというとそうではないのが実情です。
なぜやるのか、の前置きが長くなってしまいましたが、こういった現状を踏まえ、私はある意味で実験的に、小さく、個人でフェムテックをより自分が理解し活用するために、事業を始めました。
何をやっているのか
『みる視る満たす』という個人の女性向けのサービスを展開しています。noteのプロフィール文には簡単に記載をしていますが、ラインナップはこちら。
1)毎週のお花のお届け
サブスクでお花がポストに届くようなサービスがありますが、そのようなイメージです。
学生時代に小原流の生け花を経験し、生花(生きたお花)が人間に及ぼすよい影響を知りました。先生の教えで、『生花は“枯れちゃった”、じゃなく私たち人間の邪気やよくない流れを吸い取って“枯れていってくれる”。枯れてくれてありがとうの気持ちでそれまでお世話をしてさようならできるといい』というものがあります。
強制的に私からお花が毎週届くことで、生花に触れ、水の交換やお花とさよならする行為を体験いただきます。
2)隔週のオンラインセッション
オンラインツールを使って、2週に一度、1時間の対話の時間を設けます。トークテーマはフェムテックにまつわる喫緊の問題についてはもちろん、パートナーシップ、家族関係、キャリア、マネジメント、チームワークなどに発展することも。
「その方の健康状態」には本当に様々なことが複雑に絡み合って「問題」として月経や不妊、妊娠期中のトラブルや産後のホルモンバランス、更年期の症状などにそれぞれタイミングを変えてあらわれます。
対話を通して、直接的な解決につながるアドバイスをして差し上げることは実は少なく、ご本人が話しながら絡まった紐を少しずつ解いていって整理し何をすべきか明確になる、そのお手伝いをするような時間になることが多いです。
3)ネクストアクションについてのテキストコミュニケーション
オンラインセッション後、その時間を通じて気づいたことや具体的な行動を明確にしていただくため、「ネクストアクション」を言語化して送っていただきます。
最初は「〜しない」、「〜をなるべく意識する」などというようなアクションが多いのですが、脳は否定を理解できないので「〜しない」のような否定系ではなく、「〜する」というような理想像へ置き換えたり、「意識する」などというできたかできなかったか分からない表現では正しく振り返ることができないため、振り返りがしやすいような表現に置き換えたり、そういったテキストでのコミュニケーションを頻度問わずしています。
もちろん、現役人事のため具体的なアクション内容に関するアドバイスや助言も。
これらのラインナップで、屋号名でもある、自分を「視る」(客観視する)ことができるようになっていくことで、「みるみる」満たされていく、そんな状態を目指しています。
最初に記載したお花、なぜ突然?という感じかもしれませんが、これが私らしさかなと。
ビジネスパーソンとして自分を客観視するために、またはメタ思考を鍛えるために「内省」はごく一般的かと思いますが、手段として筋トレやランニング、瞑想、ジャーナリングなど様々ある中で、私は「生花に触れる」も一つ、だと考えています。
定期的にご自身でお花を購入し飾る習慣がある方もいると思います。定期的ではないにしても、お花が空間にあると気分が上がる、部屋が明るくなる感じをイメージできる方はさらに多いと思います。
ただ、それなのになぜお花を飾ることが全員の習慣にならないか?「枯らしちゃって勿体無いから」「どうせすぐ枯れちゃって世話が面倒だから」という声をよく聞きます。なので、週に一度、強制的にでも触る機会を作れたらいいかと、私からお送りすることにしました。
お花の蕾が膨らんで開いていく様子や枯れていくまでの些細な変化を楽しんだり、水を変えるそのなんでもない行為でも、そういうちょっとした時間を忙しい日々の中で、ほんの一瞬でも取り入れていただきたい。
実は、移住した小田原で最初に住んだ賃貸のすぐ近くに老夫婦が営むお花屋さんがあり、通っているうちに耳にした「後継ぎがおらず自分たちの代でいつか店は閉める」というお話。いつか私が後を継げないかなと、そんな考えもふんわりぼんやりとあり、お店を開いて買いに来てくれた方にお花を売るということ以外でサブスクで届ける先としてサービスのラインナップの一つにしてみたという背景もあります。(これはまたいつか別のnoteに。)
なぜ私がやるのか
お花については記載した通りなのですが、フェムテック×対話に至ったのは、1,000名規模の組織のホールディングス人事として様々なケーススタディに溢れ浴びまくる日々のおかげです。ただ、あくまでこれは一組織で起きていることに過ぎず、世の中の流れや当たり前のそれとは一線を画すこともあり。
新卒で入社しこのグループしか知らない私は、視野を広げ会社に恩返しのつもりでより良いアップデートに繋げるためにXでインプットアウトプットをしています。
もともとはインプットのためが大きかったのですが、アウトプットしてみることで私の何かも誰かのインプットになるのだと知り、財産だと思えてからはアウトプットもより積極的になりました。
時期的にちょうどコロナで、人事がお互いにナレッジを共有しあったりオンラインイベントを共催するような流れだったことも大きかったかもしれません。
そして、プライベートでは哀しいお産の後に、ありがたいことに再度妊娠の機会に恵まれ、もうすぐ3歳になる娘の「母親」にもなりました。妊娠に至るまでのことはもちろん、妊娠中や産後の自身のホルモンバランスの変化による不調や精神状態は、フェムテックシニアエキスパートの資格を持つ私にとってこれ以上ない観察対象でした。
その流れで自分の事業にも発展しています。自分の体調と自分の事業を通して小さく実験できたことが本業にも活きていて(そうじゃないと副業は許してもらえない)、本業で必要とされることが増え役割も増える。そしてまたアウトプットできることが増え、個人としても提供できることが増える。
本業の人事としての経験が、個人の事業の全てを築いているといっても過言ではないと思えるため、そういう意味でも軸足は本業に置いているというのが私の今の働き方であり副業との関わり方です。
まとめ
個人の事業と、私なりの考え方や今の関わりをまとめました。副業や兼業がますますスタンダードになっていく世の中で、こんな人事もいるんだなーと、書きながら私も自分を客観視しています。
時差出勤×フルタイムという今のわたしの働き方ですが、そもそも一日8時間という拘束が約束できる人しか企業が活かせないのはもう終わりが近づいています。
短時間でも週3でも、そもそも正社員でなく業務委託や副業兼業での「活かし方」について、私自身が副業しながら本業人事に超コミットする働き方を通して人事としての知見を深めたいと思っています。
