四十五日目 お正月
元旦。
「起きて」
と言われて、リビングに行くと、おせち料理にお雑煮が湯気を立てる。
自分一人が寝巻きで、
いつもはそんなことないのに、朝早く着替えを済ませた両親に囲まれ、ちょっぴり不思議な気持ちになる。
そして、窓から差し込む柔らかな陽光を背に受けて、私はそわそわとする。
「まつり、明けましておめでとう」
「待ってました!」
私は、寝ぼけ眼を擦って、お年玉の額を確認する。
これだけあれば、欲しかったゲームソフトが買える!と、内心ガッツポーズをした私。
あとは近所に初詣に行って、ポストに入っている年賀状を回収して、そしたら、明日は電気屋さんに連れていってもらおう。
あぁ、幸せ__
朝か。
懐かしい夢を見た。
カーテンを開け、一人の部屋で伸びをする。
スマホを見ると3時間前に、数少ない友人から、新年のあいさつの連絡が届く。
完璧に寝過ごした。
昔は当たり前だと思っていたあの幸せは、いざ自分で築こうと思うと、ハードルが高いのはどうしてだろう。
ため息に寄ってきた唯一の同居人が、私の口元を舐める。
「明けましておめでとう、クロ」
さて、朝ごはんはどうしたものか。
