五十日目 タロット
人は弱い。
だから、こんなカードにまで縋ってしまう。
日が暮れ、街ゆく人の顔が薄暗いベールに包まれる時間帯。
私は家路に急ぐ人混みの中で、どこか所在なさげな後ろ姿に声をかけた。
「お兄サン、そうそこのあなた。最近上手くいってないことばかり、違いますか」
ふらっと私の前に腰掛けるものは皆、びっくりするほどに顔色が悪い。
この世に疲れ切った表情は、微笑さえもままならないらしい。
それでも、彼らは、占いだと言えば、聞いていないことまでペラペラと個人情報を話し出す。
私はそこから完璧な解決のシナリオを提示する。でもそれはあくまで、客の心からの望みを引き出しているに過ぎないわ。
「へぇ。その女性に悩まされているの。ヒドイ女ね。あなたに出ている死の予兆もその女が関係しているみたい」
「そんな、どうすれば」
「方法は一つ。彼女がいなくなればいいのよ」
虚な瞳は、私をよく映す鏡。
その席に座ったら最後、世にも麗しい私の笑みは、あなたを捉えて離さない。
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五十日連続投稿達成しました!
ここまで読んでくださった方々、本当にありがとうございました。
しばらくは公募と就活の方に専念しようと思います。
noteは不定期投稿になりますが、変わらず交流していただけると嬉しいです。
ありがとうございました。
