三十三日目 香辛料
真っ白なシチューに、広がる赤色。
その染まっていく様を眺めて、いつも思ってた。
まるで私の中に溜まっていく、あなたへの不満みたいだと。
私はあなたのことを優しい人だと思ってた。
でも、一緒に暮らして、その優しさは鈍感さでもあるのだと気づいてしまった。
ぬくぬくと母親の愛情を受けて育ったあなたは、私にも同じ役目を求めるみたい。
ねぇ、私、そのシチューを作るのに、何度も味見したんだよ。
私にとっての完成品は、あなたにとっては物足りないみたい。
それでも私は今日もシチューを作るの。
まるであなたへの不満を確かめるように。
「美味しい?__ならよかった」
