私って都合のいい女なのか!?
長いつきあいの彼は私に尋ねる。
「もうちょっとだけ来てくれない?」
私はそこまで望んでいないが、できないことはない。 「まあちょっとだけならば。」
彼は私に頼みごとをする。
「今までとは違うことも頼めない?」
私は今までどおりの方がいいのだが、
やろうと思えばできることだ。
「はい、やります。」
彼はさらに要求する。
「ちょっと無理してもらえない?」
私は不満ではあるが、許せないほどでもない。
「もう〜。しょうがないな。」
部屋に行くとホコリが溜まっている。
別に頼まれたわけでもないのだが、
気になって掃除した。
ちぇっ。
何でもはいはい言って、
頼まれてもいないのに掃除して、
なんかまるで都合のいい女じゃないか?
新年度の時間割が動き始めた。
私は去年と同じ授業もあるし、違う授業もある。
専門学科なので科目の種類がとても多い。
教員の構成も年ごとに変わるし、複雑極まる時間割をそれぞれの得意や専攻や学年を考えて組む。
それを考えるのは長いつきあいの同僚だ。
元教諭でよく事情がわかっていて、他の仕事の兼務もない非常勤講師はとても便利な存在だ。おまけに私は担当可能な科目の幅が広い。ややこしい時間割のパズルのピースとしては使いやすい駒なのだ。
古くからのつきあいのある相手に頼まれると
ある程度事情もわかる。
つい、はいはい言ってしまう。
そうやって少しずつ持ち時間が増えていき、
時には意外な科目の担当になったりする。
あまり好ましくない待ち時間が出たりもするが、
誰かがやらなくてはならないなら私が引き受ける。
で、待ち時間があるのでヒマだから準備室の掃除をしたりする。教諭は忙しいので手がまわらない。
非常勤講師は時間外なので本来する義務はないが、自分がスッキリしたいから掃除した。
まあ好きでやってるんでいいんだけどね。
ブツブツ言うこともあるけど、
授業が始まったら楽しいので別に文句はないのだ。
あれ?おかしいな。
がんばりたくないと仕事を辞めた。
なのに、またジリジリと授業時間が増えている。
もうこれ以上はがんばらないぞ!
